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本編

本格的なはじまり

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俺は外に飛び出した。湖へと走ると、鳥たちが驚き、羽ばたきはじめたので慌てて声をかける。

「うわっ!ちょ、ちょっとまって!」

すると俺の言葉が伝わったのか、鳥たちが一斉にこちらを向いて飛ぶのをやめた。よかった。
するとゲットとゼルが後を追ってきたようで、鳥たちはまた騒がしく飛ぼうとして、俺は必死で止めようとまた走った。
もう!台無しじゃんか!俺は叫んだ。

「ちょ!ちょっと!大丈夫だから!食わないからぁ!行かないで!話をさせてー!もうっ!!ゲットもゼルも自分の種族気にしてっ!」

肉食獣だよあんたたち!野生の鳥はそりゃ逃げるって!俺を心配してくれてるのはうれしいけど…。

するとドラゴンまで現れ、湖にいた鳥たちはもうどうしていいのやら固まってしまい、凍りついたように動かなくなった。

ご、ごめんよ驚かせて…。

「大丈夫…この豹は超セレブだから特別なフードか調理されたごはんしか食べないから。ドラゴン…は何食ってんのか知らないけど君らに危害は加えない。約束する!」

しばらく顔を見合わせていた鳥たちの一羽が水面をすーっと泳いで近づいてくる。どうやらリーダーのようだ。

『お前は誰だ?何故か人間の話が俺たちに通じてるなんて初めてだ』
「俺はレイ。…転生者だよ」

しばらく湖に沈黙が走った。
そりゃそうだよな、いきなり降ってわいた信じられない話だ。
でも、なんとリーダーは表情を緩ませて笑った。

『ああ…なら合点がいった。先祖に伝わる話では俺たちと話ができるらしいってのは生き物の間では有名だからな…その転生者に会えるなんて珍しい』
「はは…光栄です」
『で?その転生者が何の用だ?』

そこで俺は鳥たちがB国内を知ってるかもしれないと話を聞いてもらうことにした。

そして、俺が得た彼らからの回答は信じられないものだった。
ドラゴンが眉をひそめる。ゲットとゼルも険しい顔になり、双方目を見合わせている。

「…このままじゃ、みんなの故郷も失っちゃうかもしれないね…なんとかしなきゃ」

俺の言葉に全員が頷く。

屋敷に飛んで戻り、不安が募りすぎてベンの首に抱きつく。ベンの温もりが癒してくれるけれども、うかうかしてはいられない。そしてベンとダリウスに聞いたことの全てを話した。

するとベンがいきなりペンと複数の紙をダリウスに求め、手紙を書き始める。しばらくするとダリウスに名刺を複数用意するように言った。

「すまないダリウス、ドラゴンも…。頼みがある。王宮に二人で営業してきてくれないか?」

え、営業?
ベン、いきなり何を?










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