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リアン

気持ちの変化

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俺は無意識に名前を呼んでしまっていた。
3ヶ月前に天国に逝った俺の育ててくれた人の名前。

「っ、ごめ…。」

俺は自分の口を手で塞いだ。
ルークは俺を切なげに見つめると、俺の体を離した。そして横を向いた。

「俺の方こそごめん…。ショックだったか。」

ルークは俺に謝ってきた。どんな顔をしているのかは俺には見えない角度で。

「怖がらせた…。すまない。」

また俺の顔を見て髪を優しく撫でる。元の優しいルークの表情、俺は首を振った。

「ううん、ルークのこと、怖がったりしない……。」

ルークがゆっくりと俺の背中に手を回して、今度は軽いハグのようなタッチで抱いてきた。

「…大丈夫か…?俺、もうリアンに触れないのは無理だ…。」

俺は抗わずにルークの胸に頬をつけた。ルークの心臓の鼓動が伝わってきて、俺の中で何かが疼くのを感じた。告白を聞いて一瞬怯んだのは事実だけれど、びっくりしただけで拒否じゃないんだ。でも、拒絶したようにルークが思っていたらどうしよう。
それを伝えるにはどうしたらいいのかな。

「ルーク…。」

俺はルークの名を呼ぶと、ルークの背中に手を廻した。
ルークが少し躊躇している気配がした。俺を傷つけたくないんだろうな。
優しいルークの気持ちが俺をもっと疼かせた。

触れてほしい。

そう思ってしまったんだ。
ルークは勝手な俺をどう思うだろうか。

ルークが俺を見つめた。見下ろす瞳が優しい。それは会った時からずっと変わらない。

俺は勇気を出して、ルークを見上げたまま、ゆっくり目を閉じた。
俺の気持ち、伝わるかな。伝わってほしい。

キスして。ルーク。

数秒空けて俺の唇にルークの優しい唇が触れてきて、俺は嬉しくなって受けとった。ルークは唇を何度も優しく重ねてきて、軽く吸ったり、上唇だけを挟んできたり優しく触れるだけの甘いキスを繰り返していく。俺は胸が熱くなっていった。
ルークはゆっくり唇を離して俺の唇の上で囁いた。

「もう、戻れないぜ…リアン。」

ルーク、それは兄弟には、ってことかな。

俺の頬を撫で、熱く見つめてから優しく微笑んだ。

「リアン、明日は早いから、もう休もうか。」
「うん…。」

「ありがとう。」

ルークは俺の髪にキスをした。

俺が眠るまで、ルークは色んな話をしてくれて、俺はその後腕の中で眠ってしまった。

ルークの胸に抱かれると心地いい。


*****

ルークは俺の髪を撫でるとベッドから降りてバスローブを脱ぎ、暖かいガウンを羽織った。

ベッドサイドのランプの灯りを持って書斎机に向かう。壁際のコンソールテーブルに置いてあるワインをグラスに注ぐと一気に飲み干して息をついた。

「くそ…。天国にいるやつにはどうやったら勝てる…?」

ルークは窓の外の星空を睨んだ。











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