短編集『サイテー彼氏』

夢見るマリーゴールド

無慈悲な花言葉たち 【終】

　ところで。
　マリーゴールドの花言葉は「絶望」で、ベゴニアは「片思い」。
　ご丁寧に二つ並んでくれなくたってよさそうなものなのに――と、店長のクールな瞳を思い出しながら、ちょっと苦い気持ちになった。

　花言葉が恋の行方を決めるわけではない、けれども。
　というか、バイトで雇ってもらった分際で、あの人とどうこうなりたいとまでは思わないけれど（と言ったらうそになるけれど）。

　ああ、神様。私に楽観性じしんをください。

【了】