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プロローグ

6 念願成就

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絶壁..つゴフッ
双手の武神 カグリア 視点


 あたしはカグリア、武神よ。
双手つまり両手で持つ武器を扱う神のことよ。

 あたしはある女神を探しているの。
その女神はルナールと言って、親友でありつがいになるかもしれない女神よ。

 番とは魂や存在で波長が合い相性が良い者達をいう。
ルナもあたしと一緒にいて番だと気付いていたと思う。

 お互いに新人女神だったこともあり、地盤を固めてから告白するつもりだった。

でも5年前に突如として彼女は消えた。

 リンクス王国に行った痕跡があったが近づいても、彼女との番の繋がりを感じることが出来なかった。捜索中に、騎士に襲われたが軽くあしらったわ。
わたしはこれでも武神、知識人な遅れはとらないよ。
リンクス王国を隅々まで探したが手掛かりは見つからなかった。

 リンクス王国は5年前から急激に勇者とかいう魔力が高い異世界人を各国から集めている、その目的は魔族領に攻め入る可能性が高いわ。
魔族領にはプラン様がおられるから心配だわ。
 ただでさえ、創造主様の娘のルナが行方不明になって行方を血眼で探しているのに奥さんのプラム様に何かあれば世界を消す可能性が高いのよ。

 あたしはルナの捜索を名乗り出でたの。あたしたちが番だということを話したことでなんとか落ち着いて貰うことができた。
しまいには「娘を頼む」と泣いて言われたのよ。ヤッター!!
そのままだと創造主様、自ら下界を探し回りそうだったからなのよね。

 ちなみに番だと鑑定で表示されるの。
ルナが番かもと思った時、鑑定持ちの同僚に調べてもらったのよ。
その事を当時、ルナに話しそうだったけど、一人前になったら告白しようと思い言わなかったの。
今になって言っとけばよかったと後悔しているのよ。ほんと私のバカ....ぐすん..ズズ

 あたしは神の仕事をしながらルナをずっと探していのよ。

 5年間ずっとずっと探していたわ。
でも見つからなかった。
鑑定にまだルナの番という事が表示されているからルナはまだ存在しているはずよ。
あたしは諦めない。

 ふと、魔獣の森に寄ろうと思ったの。年に一回はルナの情報を求めて、ルナの聖獣のタダルに聞きに行く為なの。
まだ今年は忘れていて行ってなかったので行くことにしたのよ。

 やっと魔獣の森に着いたよ。なかなか遠いな、5日はかかったぞ。

えっと、どっちだったけなぁ?

グルルルルル、バッ!!
狼型の魔獣が襲いかかって来た。

スッ、ザザッ!

あたしは素早く腰の双剣を抜き、毛皮と肉を切り分けた。

キャインッ!?

 魔獣はあたしが見えなくなったことと、自分の毛皮が無いことに気がついたようだ。

「毛皮ゲット♪次は肉かな?」

キャ!?キャン!?

 薄皮が剥けたヒリヒリ肌の魔獣は恐怖を感じ一目散に逃げて行った。

「なかなかいい毛皮ねぇ。高く売れそう♪
しかし、お肉を逃したのは残念ね。」

あたしはマジックバックに毛皮を仕舞い込んだ。

 神といっても、生活するにはお金がかかる。
大抵の神は副業で生計を立ててる。
あたしの場合は冒険者よ。魔獣退治がお仕事よ。

 さて進むか、あたしは全身の魔力を放出し、タダルの魔力を探した。
魔力感知と言われる魔法だ。

フワー

 あたしの身体は淡く光り出し。
大小様々な魔獣の魔力を感じる。

!?

 あたしの魔力感知に懐かしい魔力を感じる。
まさか!!

 あたしはその方向に一目散に走った。
途中、魔獣が出て来たが気にせず走った。

「ここは?」

あたしは拓けた場所に出ると、一軒の家があった。

外から魔力感知しても懐かしい魔力が1人だけ。
あたしは意を決してドアを叩いた。

ドゴーン!?

いかん叩き過ぎた!?
家は揺れたが、ドアは無事だった。ホッ

鍵が開きドアがゆっくり開くとそこには....

「ルナ....」

そう、あたしがずっと探し求めていた神物じんぶつがいた。

「リア、来てくれたんだ。」
彼女も泣きそうな顔をしていた。

「ルナ~」
あたしは武装を解除しルナに抱きついた。
ポフッ

ん?

 あたしの顔の前にはルナのお腹がある。
あたしの身長はルナの鳩尾くらいで子供と思われるほど低く、絶壁の花と呼ばれるほど胸がない。ほっとけ

そしてルナのお腹は少し膨らんでいる。
サワサワ....

あたしの脳内に問題が流れた。
ジャジャン!?

ルナのお腹の膨らみはなんでしょう?

1.太ったお腹
2.赤ちゃん
3.気のせい

チチチチチチチチ!?
ピンポンッ!?

ポフ、ポフ

あたしの手に2回の衝撃が来る。

2番かよー!?

そ、そんな!?
あたし頑張って5年間探してたのに他の男の子供を身籠もるなんて、そんなのあんまりだよー。

「う、うわーん!!」
あたしは年甲斐なく泣き出した。
ルナは最初驚いた顔だったけど、決意した顔になり、あたしにキスをした。

むぐっ!?

ー10分後ー

プハッ!?

 あたしはすっかり泣き止んで、ルナの今にも火が出そうな赤い顔にドキドキしていた。

 腕が光り出すと婚姻紋が刻まれた。
婚姻紋は番同士が長いキスをすることで現れ夫婦となる儀式である。
これが現れたということは、リアは純潔で、あたしと夫婦になったということ....ポッ!!

「私が好きなのはリアなの、他の男の子供なんで作らないし作りたくもない。」

リアは必死にあたしに訴えかける。

「じゃ、じゃあこのお腹はなんなのよ。」

「この子は、あら?
いない!?あの子は何処に?」

 ルナのお腹がへっこんでいた。
それにさっきからあたしの身体が熱い。

ポコポコ

あたしのお腹を叩く感覚がなぜかある?

あたしのお腹は明らかに膨らんでいた。

「なにこれ!?」

「わ、私の赤ちゃんがー!?リア返して!?」

いやいや、ルナ!!
返せってどうやって?

「あーどうしよう?もしかしたら...」

ブチュウ!?

突然ルナがまたキスをした。

ー10分後ー 

プハッ!

あ、あんなに我慢してたのにー。
ルナは大胆よ。ポッ

ルナを見るとポッコリお腹が戻っており、嬉しそうに撫でていた。

うー、妬けるなぁ。

 あたしがじろりと見ると笑顔でルナがごめんね。と謝って来た。ナデナデ。ま、まぁ撫でてくれているから許すけど妬けるなぁ。

あたしはバックに入っているタオルを取り出して顔を拭いた。

プニ

ん?プニッ!?

腕にいつもと違う感触があたる。

見下ろすと少しだが胸が膨らんでいた。

モミモミ!!

モミモミモミモミ!!

モミモミモミモミモミモミモミモミモ!?

「る、ルナ、あたしの胸が膨らんでるー!?」

 お腹を愛撫でしていたルナが笑顔であたしを見た。

「またまたぁ!あれだけ試して膨らまなかったリアの胸が今更大きくなる訳ないじゃない。」

「いやいや!!触ってみて!!本当だから!?」

「どれどれ....」

モミモミ....!?ひゃっ!?

「ウソ....リアにむねがーー!!!」

 何故あたし達が絶叫しているかというと、あたし達が見習い神の時にから世界中のありとあらゆる豊胸法を試し、効果無く、恥を忍んで美容神や豊穣神などの神にもお願いに行って、肩をトン!!
『すまん、私にはどうする事も出来ない。』と言われ続け。
創造神様には....
『儂、創造出来ても改造は出来んよ。』
と言われかなり落ち込んだ。

「なにが、原因なんだろう?」

「もしかしたらこの子かも!」

「え?」

思わずルナのお腹を見る。

「妊娠すると胸が張るって言うし、リアもこの子を入れたから成長したのかもしれないわね。それにこの子がお腹に入ってから私、身体の調子が良いいの。」

たぷんっ

ルナの胸は以前より確実に大きくなっていた。

 それに確かさっき赤ちゃんを入れた時に身体が熱くなった。もしかしたらあの時に膨らんだのかもしれない。
ならあたしは....

「ね、ねぇ。ルナ、たまにでいいからその子あたしのお腹に入れたいのだけど?ダメかな?」

「うーん....まぁ、夫婦だし。私も動きたいし、たまにだったらいいよ。」

「うん、ありがとう。」

「これから私達はこの子のママなんだから頑張らないとね。」

「ママか....頑張る。あたしこの子が立派な神になるよう育てるよ。ルナとあたしの子かぁ。うへへ。」

「リア、お腹空いてる?」

そう言われて外を見ると暗くなって来てた。

「うん、空いてる。」

「じゃあ、すぐ支度するね。ソファに座って待ってて。」

ルナは奥に向かって行った。
あたしは言われ通りソファで待った。
ルナの料理かぁ。美味しいんだよなぁ。
見習い神の時によく作ってくれたっけ。

「リア出来たわよ。」

 呼ばれて奥に行くと、そこには豪華な食事が並んでいた。
希少な山菜や希少なキノコが見て分かるくらいふんだんに使ったあった。
あたしなんて昨日は森で取れた。魚と肉の塩焼きよ。

「ルナ、豪華過ぎない?」

「ふふ、安心してリア。これらは精霊が何故か持って来るから、使わないと減らないのよ。」

 いやいや、使わないと減らないってその焼いてあるキノコなんて一本売れば金貨5枚だからね。

あたしなら速攻で売るわ。

「驚いてないで、早く食べましょ。」

ルナに促され食べ始めた。
ものすごく美味しかった。

食事をしながらルナの5年間を聞いた。
おのれ、リンクス王国め、滅ぼせばよかった。
謎が多いがお腹の子が間違いなくルナの恩人だということがわかった。
あたしもこの子を大事にしないとね。

大量にあったルナとあたしで完食してしまった。
あたしはいつもの何倍も食べたことに驚いた。ルナも最近になって食べる量が増えたとか。

お腹の子の所為かな?

食事が終わって2人でお風呂に入って、一緒のベッドで寝た。
ルナの匂いはホッとする。

 数日後、ルナ達と離れたくないが創造神様に沢山報告しなければならない。
本当はルナも連れて行きたいが妊婦であり、リンクス王国も動く可能性も考え残って貰うことにした。

それにこの身体で馬鹿にしていた奴を見返したい。

あたしは早く帰る為にルナの転移魔法で神界に向かった。
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