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第1章

19 リフォーム

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自称建築士 ルナール視点

「じゃあ、行って来ます。ルナ!」

「ルナお母さん行って来ます。」

「あーい!」

「……う!」

「行ってらっしゃい。」

愛する家族を送り出したルナールです。

今日は家族が増えたのでリフォームすることにしました。
リフォームを決めてから精霊に材料の確保などを頼んだ。
答えはいつも通りなぜかオッケーだった。

精霊はそんなに安請けはしないはずなのに、私が頼むと快く受けてくれる。

ちなみに向こうの要求は精霊特製のオマルの配置だった。
精霊がティーの便に群がるのは知っている。
絵的にも倫理的にもアウトだろう。

まぁティーにはまだ必要ないので設置だけならokとした。
使わなければいいだけのことだ。

だが、処理に関しては精霊に頼むしか今はない。ティーの便は普通に処理出来ない。
燃やせば大爆発、埋めればいつのまにか聖樹が生え、容器に溜めておけば容器を開けようとして脱走しようとする。
なので泣く泣く精霊に処理を頼むしかないのだ。

なので今回の要求も形だけでも飲むしかないのだ。はぁ…

さて、気を取り直して今日のリフォームは部屋の増設と私達の部屋の防音防振の魔法をかける工事だ。

この家は平屋で作っているから増設は簡単だ。
事前準備もバッチリ、さあ始めますか!
私は黄色いヘルメットを被り工事を開始した。


8時間後


完成!!わー!!

精霊達ありがとう!
これでリリス達の部屋も出来て喜ぶでしょう。
建築魔法はやっぱり楽しいわ。そのうちどこかに別荘でも作ろうかしら?海の近くとかいいわね。

しかし、調子に乗って4部屋も増設してしまった。
まぁ、倉庫に使うのもありか…

部屋の魔法強化もした。リリスの部屋はミシンの練習もあるから防音防振、クリスは耐魔法構造だけ、ティーの部屋は耐神構造にした。
今は2人一緒だったが楽なのでティーの部屋にお昼寝用のベッドを設置した。

夜は私たちの部屋で寝かせるので遊び部屋兼お昼寝部屋といったところだ。

ふぅ、疲れた。
家具は明後日くらいにみんなで買いに行きましょう。
ラブリーさんの店にティーを連れて行きたいし、リリスも慣れさせないといかないからね。

夕食はリアに任せよう。
帰って来るまで寝ておこう。おやすみ…くー…
私はベッドに横になり仮眠を取る為、寝室で眠った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

起きると暗くなっており、近くに柔らかい感触があった。
ライトの魔法で明るくするとリリスが寝ていた。
みんな帰って来てたのね。
近くのベビーベッドにティーとクリスがそれぞれ寝ていた。

リアはどこかしら?

私は子供達の布団を掛けなおし灯りの部屋がないか探した。
台所が光っていたので料理をしてくれているのだろう。

台所に着くとリアが料理を作っていた。

「リア、お帰りなさい。」

「ルナ、起きたの?ただ今。」チュッ!

「いつ帰って来たの?」

「1時間くらい前だよ。それより工事終わったみたいだね。帰って見たら凄かったよ」

「疲れるけど楽しいわよ!」

「おつかれ様、でも無理はしないでね。」

「ええ…」

言えない、別荘計画があるなんて今言えない。
話題を変えなきゃ!

「診察どうだった?」

そういうとリアの表情が変わった。

「ルナ聞いてよ。」

先程の雰囲気から一転、向こうのことを話し出した。

なるほど3人が寝てたのはこの理由か…
リア、父がすいません。

リアの愚痴を聞きつつ料理も完成し、リリスだけ起こし私達は遅めの夕食を食べた。

その後に全員をお風呂に入れたあとは誰一人寝なかった。
子供達はさっきまで寝てたからね。仕方がない。

仕方がないので、リリスには文字の勉強をさせティーとクリスには積み木で遊ばせた。
リフォームで余った木材で作った物で、生え過ぎた聖樹の木片を使っているので怪我はしないだろう。

え!聖樹を切っていいのかって?
私、神ですよ?
家族の為なら聖樹だって木材に変えちゃいます。

という冗談はさておき、聖樹とはその土地に生える御神体のようなもので立派な一本が有れば問題無いのです。

逆に何本も生えていると、聖地の様に清い土地になるため生き物が住みづらくなる。
なので精霊に許可を得ていれば切って木材として使うことが出来る。
まぁ、神なら自己責任で普通に切ってもいいだけどね。

クリスは積み木を手に持っているだけね。
まだ、うごけないからしょうがないわね。

ティーはおすわりしてアホ毛で器用に積み木を組み立てるわね。
髪操作系の魔法かと思ったら、動物の尻尾の様に神経が繋がっているようだ。痛覚はない様なので抜けたり切られても痛みはなく、すぐに生えてくる。

なぜ、そんなことを知っているかって?
リアに神器を使ってもらって切ったのです。

まぁ、リアの神器が刃こぼれをしちゃって落ち込んでいたけど、ティーのアホ毛はなんとか切れたの。
せっかく切れたから御守りして持っているようね。
まぁ、私も持っているけどね。

私も天輪が生えてるけど、動かないしすぐには生えないし、普通にハサミで切れるんだけどなぁ…
これ天輪よね?父曰く、ティーよ神力が異常だとか…はぁ…

この先大丈夫かしら?
親として心配だ。

そう考えていると、ティーが絶妙なバランスの塔を作った。
これはスゴイわね。どう見ても崩れそうなのに崩れない。
才能かしら?
でも、崩れると危ないから程々の高さまでね。
って、リアも張り合わなくていいから高くしないで!?

ガシャン!?

ティーの塔が崩れた。泣いてないわね。クリスも…固まっているけど泣いてないわ。ほっ!

深夜を過ぎると子供達は一人また一人と寝ていった。

最後にリリスが寝てしまったので抱えたままベッドに入った。
安心した顔で眠っているわ。ポンポン
私は先に寝ているリアの隣にリリスを挟むように寝た。

おやすみなさい。

私が瞼を閉じようとしたら…

オギャーオギャー!!

クリスか!?私が寝れるのはもう少し後になりそう…泣

私はベビーベッドに向かった。


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