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2章

32 最悪の再会2

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ルナール 視点


私はいそいそとシチューの火を止め、2人のもとに戻るとクリスがティーに跨り糸玉を掲げていた。
その跨がれているティーはドヤ顔を決めていた。


なんでよ!!

しかも、クリスは反対向きに跨っているのである。

面白いけど、訳がわからない。

ふと、クリスの視線を追うと1匹の精霊が飛んでいた。
まさか、クリスは精霊を見えてる?

精霊を見えるのは、神と一部の特殊な力を持つ子だ。
クリスは叔父さんの子孫だから可能性はあっても、発現はかなり低い。

実際に今、精霊が見える魔導族は上位神官や精霊術師など、かなり地位の高い役職な着くことが多い。

誘拐とか心配になるわ。
あとでリアに相談しましょう。

私はティーに跨るクリスのインパクトよりそっちに目が行ってしまった。

私は精霊を魔法で捕まえ窓から追い出した。

ぽいっ!

我が家ではティーの排出物を狙う精霊が続出した為、結界を貼り見つけ次第、追い出している。

あとで罠に精霊がかかってないか見に行かなくていけないわね。
裏の畑の野菜で助かってはいるが、精霊王に直談判して、撤退させようかしら?

これは父に相談ね。
今度のティーの誕生日に来た時に話そう。

そんなことを考えてると…

「ただいま!」

リア達が帰って来た。

玄関に2人を抱いて迎えに行くと、汚れた格好で帰って来ていた。
リアはリリスをおんぶしており、リリスは寝ているようだった。
お出かけに行くだけじゃなかったの?

場所は聞いてなかったけど、汚れるかもというリアの言葉で汚れが目立たない服にしたけど汚れ過ぎでしょ!
最悪よ!血や泥がいっぱいついてじゃない!
洗う身にもなってよ。
蜘蛛の巣と葉っぱが頭についてるじゃない!も~!!

リアが毛皮を取り出した。
聞くとリリスが採集したのだとか…
それは凄いから褒めるけどさ…ナデナデ

先にお風呂に入りなさい!

リアから毛皮の処理の仕方をリリスに教えるように言われた。
リアらしいわね。材料集めから武器や防具を作る所まで自分でする性格…
そのくせに、難しい部分は私に丸投げするのよね。
まぁ、私の知ってる事だからいいけど…

リリスにも裁縫の全てを教えたかったのだろう。

たぶんリアが教えきれてない所が多いはず、どこに行ったか聞いて足りない部分はそのうち連れていきますか。はぁ…

いや、本職のラブリーさんに頼んだ方が確実かも!
今度相談してみよう。

今は汚れている2人をどうにかするのが先だ。

ティーは毛皮を口に入れようとしていた。
私は慌てて奪い取った。

「リア!早くお風呂に入ってね。リリスが汚れたままじゃ、可哀想よ。」

「はーい!リリス行くよ。」

2人はお風呂に向かって行った。

さて、2人の採集した毛皮を観察した。
皮には肉は付いてないわね。
上手いこと薄皮一枚で繋がっている。凄いわね。
肉も皮質も付いてない…削ぎ落としをしなくていいから楽だわ。

しかし、毛皮の鞣し作業か…するなら脳髄鞣しよね。
まずは洗浄ね。
あっ!マズイ、ウチの水は聖樹の影響で全て聖水だ。
聖水に浸けたら一晩でキレイな毛皮になってしまう。
それじゃ意味がない。
水魔法で出すしかないか。

次に脳髄か…
リアに魔獣を狩って来てもらわないといけないわね。
それかティーを森に放ってみようかしら?悩むわ…
もうヒットバイソンの脳なんで使わないから捨てたわよ。

とりあえず私はティー達をおんぶ紐で背負って、洗い場に行き水魔法で水を出し、毛皮を洗剤で漬け込むことにした。
あとは脳髄が手に入ったらするからそのままね。
また、2人の汚れた服を洗いに来るのか…ツライ…

あっ!2人の着替えの用意と晩御飯の仕上げしなきゃ。忙しい…

誰か雇おうかしら…

私はそんなことを考えながら部屋を出た。







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