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5章

64 ブーム

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リリス 視点

お店の開店準備をしているリリスです。
今はラブリー先生とお掃除をしてます。

「…じゃあ、お店開こっか…」

「はい!わかりました。」

私がお店の看板をオーブンにするとぞろぞろとお貴族様が入って来た。
…うそー!?

「毛皮パジャマというのを売って欲しい。」
「私にも売ってくれ。」
「こっちにも!」

お店が混雑した。

パンパン!

「皆さん!落ち着いてもらえるかしら!」

声の主はラブリー先生(おじさん)だった。

「「ラブリー様!?」」

「順番に用件を聞くので出て欲しいの!」

ラブリー先生がリアお母さんみたいに闘気を出しお貴族様達を押し出した。
凄なぁ、人混みを押し返しちゃた。

結局、私が一人一人お店に入れ、ラブリー先生が対応することになった。

「先程も言いましたが、毛皮パジャマというのを売ってもらいたいのです。」

夢うさぎの毛皮パジャマはハイハイレースの時にかなり売れたけど在庫はまだある。

「買いに来た人が多いから1人1着の制限をかけさせてもらうわ。」

「…わかりました。では、1着下さい。」

ラブリー先生が怖いのかお貴族様達は文句を言わず夢うさぎの毛皮パジャマを買っていった。
その為、在庫が尽きてしまった。

残りのお客様はラブリー先生の闘気で解散させたが明日以降も来ると思うとすぐに補充しなくてはならない。

お店を早く閉め、ラブリー先生と話し合うことになった。

「…どうしよう、材料がない…」

「明日もあんなに来たら怖いですよ。」

どうしよう、そうだ!ルナお母さんに相談してみよう。

「ラブリー先生!一度家に帰ってルナお母さんに相談してきます。」

「!?…本当!…お願い…」

私は帰宅した。

「ただいま!ルナお母さんどこ?」

「リリスちゃん、お帰りなさい。慌ててどうしたの?」

ルナお母さんがいた!よかった。
そういえば、今日はいるって言ってた。

「ティーちゃんの毛皮が欲しいの!」

「え?ティーちゃんの毛皮?」

「違った!ティーちゃんの作った毛皮が欲しいの!」

「どうして?」

「お貴族様達がいっぱい来て毛皮パジャマを買いに来るの。明日もいっぱい来るからいっぱい欲しいの。」えぐっ…

「あ~…怖かったのね。」抱き…ポンポン

ルナお母さんが抱いてくれた。落ち着く…

「とはいえ、毛皮はラブリーさんにほとんど渡してティーちゃん達の服になったのよね。」

…そうだった!?どうしよう…

「しょうがないわね。今から狩りましょう。」

「今から?」

「ティーちゃんおいで!」

フッ!とティーちゃんが現れた。

「ティーちゃんただいま!」

「ねね!」

昨日の夜に言ってくれるようになった。言われた時は嬉しかった。

ルナお母さんはアイテムボックスからカゴを取り出しティーちゃんをポンポンあやし始めた。

「寝んね、寝んね」ポンポン

「やー!寝んね!やー!」

ティーちゃんはお昼寝に抵抗していた。
というか何で狩なのにお昼寝?

「寝んね、寝んね」ポンポン

「やー!寝ん…ね…スヤー」

ティーちゃんは寝てしまった。
ルナお母さんはティーちゃんをカゴに入れ外に出たので私もついていったら森に入っていた。

「ここでいいわね。」

ルナお母さんはカゴを森に置いた。
なぜ?

「私達はあの草むらに隠れるわよ。」

え!?

そう言われてティーちゃんを置いて私達は草むらに隠れた。

「いい、リリスちゃん!私はクリスちゃんを寝かせて戻ってくるからティーちゃんを見てて、ティーちゃんのカゴがいっぱいになったらこのアイテムバックに入れてここに戻って来て。」

「え?…うん、わかった。」

よくわからないけど見ておこう。

「もし、危険な魔獣が現れたら逃げなさい!じゃないとティーちゃんに飲まれるかもしれないからね。一応魔物除けの魔導具渡しておくわね。」

「わかった!ティーちゃんは置いておくね。」

※ティーちゃんは特別に訓練された赤ちゃんです。真似しないでください。byルナール

ルナお母さんが家に向かったのを見送ってティーちゃんに視線を戻すとこんもりと毛皮の山が出来ていた。何故!?

えっと…数秒だよね。

とはいえ目的の毛皮だ!
私はティーちゃんの元に行き毛皮を回収して草むらに戻った。

さて、ティーちゃんの観察…

もう、毛皮がこんもりと貯まっていた。早いって!
私はまたティーちゃんに近付いて毛皮を回収した後、後ろ歩きをしながら草むらに歩いて行った。

そして、私は見た!
いっぱいの魔物達が次々とティーちゃんに襲い向かっていて、ティーちゃんにたどり着いた時には毛皮になって毛布がかかるように重なっているところを…

どういうこと?

私は納得しないまま回収しにティーちゃんに近付いた。
毛皮を回収するとティーちゃんは満足している顔で眠っている。

「どう?毛皮は取れたかしら?」

「ルナお母さん!うん、いっぱい取れたけど足りるかわからない。」

「どれどれ見せてごらん。」

ルナお母さんにアイテムバックを見せた。

「結構な量ね。まだ数分だと思ったけど…とりあえず、これをラブリーさんに渡しなさい。あとで持って行ってあげるから。」

「わかった!ルナお母さん…ありがとう!」ニコ!

「どういたしまして…」ナデナデ…

えへへ…撫でられちゃた。

私はお店に向かった。
ティーちゃんもありがとう。
そう思った時には妹の上にはこんもりと毛皮が積み重なっていた。

…早いって!

私はラブリー先生のお店に着き、毛皮を見せるとラブリー先生は大喜び!
その後暗くなるまで毛皮パジャマの製作をしていたけどラブリー先生に、「…子供は帰りなさい!」と言われたのでお家に帰るとルナお母さんがリアお母さんに説教されていた。

「「お帰りなさい。」」

「ただいま!」

2人は私に気付き声をかけてくれた。
しかし、すぐにルナお母さんにリアお母さんの説教が再開された。

「ねね!」

私はぼーとしているとティーちゃんとクーちゃんが迎えてくれた。

「ただいま!」






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