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6章
81 通信機
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ルナール 視点
自宅に戻り必要な物を準備が終わりリリスと空蜘2匹と庭で待機中のルナールです。
現在、タダルにお願いした眷属を待っています。
そろそろ来て欲しい。
ブルル!ヒヒーン!!
バサバサ…
私達の前に青みがかった白い体毛の羽が生えた馬、ブルーペガサスが舞い降りた。
「貴方がタダルの眷属ね。タダルの契約主のルナールよ。よろしく。」
それを聞いたブルーペガサスはブルルと頭を下げた。
どうやら力を貸す気満々のようだ。
ブルーペガサスは通常のペガサスと違い群れを作らず、洞窟などに住んでいると言われる。
また、馬では珍しく2足歩行で歩くことも出来るとか。
「それじゃあ、転移するわね。」
私は一同の了承を得て転移魔法を発動し、アイゼスの管理棟に戻って来た。
「先輩!戻ってくれたんですね!ぐすん…」
「戻るって言ってたでしょ。ほら、早く説明するからみんな聞いてね。」
「はーい!」
「まず、今回のドラゴンの病気は龍熱である事は症状と簡易鑑定の魔法で調べたから間違いないと思うわ。龍熱は病魔の竜と呼ばれるディプロドラゴンの体内で作られた病気でドラゴン以外には感染しないわ。
アイゼス一応聞くけど、ディプロドラゴンはこの山にいないはずよね?」
「…えっと…います。」
「なんで準隔離生物が普通に住んでいるのかしら?
アイゼス!捕まりたいの?」
「最近住み着いたんですよ!カッコイイし隔離するのが可哀想で…」
「あのね~!準隔離生物はずっと隔離するわけではないわよ。」
「え!?隔離生物ってずっと隔離することじゃ…」
「はぁ…やっぱり知らないか…隔離生物には種類があってね。
リリス、突然だけど問題です。
隔離生物と準隔離生物の種類と違いを答えなさい。」
「はい!えっと、隔離生物は第1級から3級まであって、級が高いほど周りに影響がある生き物だからすぐに隔離しないといけない。
準隔離生物は隔離生物と違って周りに影響を与えるけどちゃんと治療すれば隔離を解除していい生物だよね。」
「正解よ。」ナデナデ
「えへへ。」
「つまり、ディプロドラゴンが住み着いた時点で隔離と治療をしていれば何も問題はなかったわけね。アイゼスはわかったかしら?」
「…はい」
「今回は助けてあげるけど、次なにかあったら庇えないからね。
あと、ちゃんと上には報告するわね。」
「…はい。」
本来ならアルテミアさんや他の医療従事神に来てもらった方が楽に解決できるがそうなるとアイゼスの責任問題が起こってアイゼスが左遷される可能性もある。
そうなると色々と面倒だ。
なので、今回は内々で解決する必要がある。
「する作業だけど、まず私とアイゼスとブルーペガサスはディプロドラゴンの巣に行き隔離する。その後、ドラゴンの巣を一つ一つまわり感染状況の確認と転移陣の設置を行うわ。
症状が重いドラゴンは管理棟に連れてきて寝かせる。
リリスちゃんと空蜘ちゃん達はリリスちゃん主導で到着したドラゴンから順番にマスクを作ってつけさせて。
でも、もし暴れるドラゴンだったら近づかないで空蜘ちゃんに任せて離れて別のドラゴンのマスク作りをして。
ププちゃんはリリスちゃんと空蜘ちゃんの護衛をお願いね。」
「うん、頑張る!」
「ププ!!」
「うう…後処理が…」
「リリスちゃんにはこれ!」
私はリリスに1つの首飾りを渡した。
「これは?」
「これは通信機よ。ここの魔石に魔力を送るともう片方の私が着けている通信機と会話できるのよ。」
「やってみてもいい?」
「ええ、いいわよ。」
リリスは受け取った首飾りに魔力を送ると光出し、私の首飾りも光り出した。
「『あ、あー』」
「近いから少し離れるわね。」
私は10歩くらい離れて声をかけた。
「リリスちゃん聞こえる?」
『すごーい!聞こえるよ!』
「こっちも聞こえるよ。困った事や寂し時は使ってね。」
『うん。』
首飾りの光が収まるとまた光り出した。
この色はエリザベートさん?
私が首飾りに魔力を送ると…
『まーまー!あぁぁー』
クリスの泣き声が聞こえた。もう!?
「クリスちゃん!ママよ!どうしたのかな?」
『まんま?ぐすん』
「ママですよ。」
『うーうー。』
「クリスちゃん?ママ達帰るからいい子でエリザベートさんと待っててね。」
『…う。』
「またかけるからね。」
『…ぐすん。…う。』
『うほ!うほ!』
助かったわ。泣き止まなくて…と、あまり泣く子じゃないんだけどね。寂しかったかな?
「エリザベートさん、すいません。またクリスちゃんがぐずったらかけていいのでよろしくお願いします。」
『うほ!』
なんとかしてみる。と、お願いします。
「私が渡したバッグにオヤツが入っているので少しづつあげてみて下さい。少しは機嫌が良くなると思うので…」
『うほ!うほ!』
そうしてみる。頑張ってね!と…
「お願いします。」
私は通信魔導具を切った。
「ふぅ。泣き止んでよかったわ。」
「クーちゃん泣いてたね。心配だよ。」
「そう思うなら早く終わらせましょう。」
「うん!」
私達は早く作業を終わらせてクリスの迎えに行こうと心に誓い行動を開始した。
「いい話ですね~!」
「誰のせいだと思っているの!早くブルーペガサスに乗りなさい!」
「わ、わかりましたから親子で睨まないで下さい。」
私だけでなくリリスも不満だったらしい。
そんなこんなでやっと出発である。
「まずはディプロドラゴンの移動に行くわよ!」
「はい!」
私達を乗せたブルーペガサスは飛び立ったのであった。
自宅に戻り必要な物を準備が終わりリリスと空蜘2匹と庭で待機中のルナールです。
現在、タダルにお願いした眷属を待っています。
そろそろ来て欲しい。
ブルル!ヒヒーン!!
バサバサ…
私達の前に青みがかった白い体毛の羽が生えた馬、ブルーペガサスが舞い降りた。
「貴方がタダルの眷属ね。タダルの契約主のルナールよ。よろしく。」
それを聞いたブルーペガサスはブルルと頭を下げた。
どうやら力を貸す気満々のようだ。
ブルーペガサスは通常のペガサスと違い群れを作らず、洞窟などに住んでいると言われる。
また、馬では珍しく2足歩行で歩くことも出来るとか。
「それじゃあ、転移するわね。」
私は一同の了承を得て転移魔法を発動し、アイゼスの管理棟に戻って来た。
「先輩!戻ってくれたんですね!ぐすん…」
「戻るって言ってたでしょ。ほら、早く説明するからみんな聞いてね。」
「はーい!」
「まず、今回のドラゴンの病気は龍熱である事は症状と簡易鑑定の魔法で調べたから間違いないと思うわ。龍熱は病魔の竜と呼ばれるディプロドラゴンの体内で作られた病気でドラゴン以外には感染しないわ。
アイゼス一応聞くけど、ディプロドラゴンはこの山にいないはずよね?」
「…えっと…います。」
「なんで準隔離生物が普通に住んでいるのかしら?
アイゼス!捕まりたいの?」
「最近住み着いたんですよ!カッコイイし隔離するのが可哀想で…」
「あのね~!準隔離生物はずっと隔離するわけではないわよ。」
「え!?隔離生物ってずっと隔離することじゃ…」
「はぁ…やっぱり知らないか…隔離生物には種類があってね。
リリス、突然だけど問題です。
隔離生物と準隔離生物の種類と違いを答えなさい。」
「はい!えっと、隔離生物は第1級から3級まであって、級が高いほど周りに影響がある生き物だからすぐに隔離しないといけない。
準隔離生物は隔離生物と違って周りに影響を与えるけどちゃんと治療すれば隔離を解除していい生物だよね。」
「正解よ。」ナデナデ
「えへへ。」
「つまり、ディプロドラゴンが住み着いた時点で隔離と治療をしていれば何も問題はなかったわけね。アイゼスはわかったかしら?」
「…はい」
「今回は助けてあげるけど、次なにかあったら庇えないからね。
あと、ちゃんと上には報告するわね。」
「…はい。」
本来ならアルテミアさんや他の医療従事神に来てもらった方が楽に解決できるがそうなるとアイゼスの責任問題が起こってアイゼスが左遷される可能性もある。
そうなると色々と面倒だ。
なので、今回は内々で解決する必要がある。
「する作業だけど、まず私とアイゼスとブルーペガサスはディプロドラゴンの巣に行き隔離する。その後、ドラゴンの巣を一つ一つまわり感染状況の確認と転移陣の設置を行うわ。
症状が重いドラゴンは管理棟に連れてきて寝かせる。
リリスちゃんと空蜘ちゃん達はリリスちゃん主導で到着したドラゴンから順番にマスクを作ってつけさせて。
でも、もし暴れるドラゴンだったら近づかないで空蜘ちゃんに任せて離れて別のドラゴンのマスク作りをして。
ププちゃんはリリスちゃんと空蜘ちゃんの護衛をお願いね。」
「うん、頑張る!」
「ププ!!」
「うう…後処理が…」
「リリスちゃんにはこれ!」
私はリリスに1つの首飾りを渡した。
「これは?」
「これは通信機よ。ここの魔石に魔力を送るともう片方の私が着けている通信機と会話できるのよ。」
「やってみてもいい?」
「ええ、いいわよ。」
リリスは受け取った首飾りに魔力を送ると光出し、私の首飾りも光り出した。
「『あ、あー』」
「近いから少し離れるわね。」
私は10歩くらい離れて声をかけた。
「リリスちゃん聞こえる?」
『すごーい!聞こえるよ!』
「こっちも聞こえるよ。困った事や寂し時は使ってね。」
『うん。』
首飾りの光が収まるとまた光り出した。
この色はエリザベートさん?
私が首飾りに魔力を送ると…
『まーまー!あぁぁー』
クリスの泣き声が聞こえた。もう!?
「クリスちゃん!ママよ!どうしたのかな?」
『まんま?ぐすん』
「ママですよ。」
『うーうー。』
「クリスちゃん?ママ達帰るからいい子でエリザベートさんと待っててね。」
『…う。』
「またかけるからね。」
『…ぐすん。…う。』
『うほ!うほ!』
助かったわ。泣き止まなくて…と、あまり泣く子じゃないんだけどね。寂しかったかな?
「エリザベートさん、すいません。またクリスちゃんがぐずったらかけていいのでよろしくお願いします。」
『うほ!』
なんとかしてみる。と、お願いします。
「私が渡したバッグにオヤツが入っているので少しづつあげてみて下さい。少しは機嫌が良くなると思うので…」
『うほ!うほ!』
そうしてみる。頑張ってね!と…
「お願いします。」
私は通信魔導具を切った。
「ふぅ。泣き止んでよかったわ。」
「クーちゃん泣いてたね。心配だよ。」
「そう思うなら早く終わらせましょう。」
「うん!」
私達は早く作業を終わらせてクリスの迎えに行こうと心に誓い行動を開始した。
「いい話ですね~!」
「誰のせいだと思っているの!早くブルーペガサスに乗りなさい!」
「わ、わかりましたから親子で睨まないで下さい。」
私だけでなくリリスも不満だったらしい。
そんなこんなでやっと出発である。
「まずはディプロドラゴンの移動に行くわよ!」
「はい!」
私達を乗せたブルーペガサスは飛び立ったのであった。
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