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14章

275 門番

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レヴァン 視点

俺はのんびり歩いて帰るつもりだったが、だがキラティアに工房の場所を覚えてもらうためにカグリアからキラティアを押し付けられた。

シュン!

キラティアが転移した場所はビシュワールの近くの森の中だった。
森の中でもビシュワールの冒険者ギルド本部が見えるからだ。
しかし、キラティアは幼いのに転移魔法を熟知しているようだ。
転移の魔法は空間を一時的に捻じ曲げる為、人混みの場所に使用すると巻き込み事故が起きてしまう。
なので、空き部屋や人が来ない空間で使用するよう神法などに記載されている。
そこをわかっていてここに転移したのだろう。

さて、俺達は少し歩き森を抜けビシュワールの入り口の検問に来た。

「イヴァンさん!お疲れ様です。証明書お願いします。」

「あぁ…」

よく知る門番だ。
俺は商業ギルドのカードを門番に提示した。

「ありがとうございます。ところでその抱いている子供はイヴァンさんのお子さんですか?」

門番に誤解されそうだ。
俺は神族なので子供なんて早々に出来ない。

「知り合いの子だ。少し預かっている。」

「あきゃ!」

キラティアは手を挙げて挨拶したのかと思いきや服の中からカードを取り出した。

「おや?キミも証明書を持っているのかい?」

「あい!!」

「どれどれ…」

笑顔で対応する門番だったが、カードを見ると見る見る顔色が悪くなった。

「え!?え!?これ…ギルド功労カードですよね。ほ、本物?」

は?なんて言うものを出すんだ!
ギルド功労カードは冒険者ギルドが外部の者でギルドに有益な貢献を与えた者に与えその所有者をギルドが全面的に保護するカードだ。
普通の子供が持つ者ではない。

「ちょ、ちょっと確認します。」

「あぁ…」

俺は目立ちたくは無かったが、これだけの騒ぎになれば嫌でも目立ちそうだ。
周りからはヒソヒソとギルド功労カードの話が聞こえてくる。

「おい。なんでこんなカード持っんだよ。つか出すな。」

「…あきゃ?」

キラティアはなんで?という顔で俺を見る。

「あのな~!!」

俺はキラティアに説教をしようとすると…

「あの~すいません。確認の為、少しカードを握って貰えるかな?」

「?あい!」

キラティアがカードを持ち、門番が魔力を送るとカードは光り出しキラティアの写真と冒険者ギルドの証明文が現れた。
発行番号も表示されているので本物だろう。

「か、確認出来ましたので、お通り下さい。」

「あきゅ?あい!!」むふぅ!

カードを受け取った俺達は門番に見送られながら街に入って行った。

「キラティアよ…そう言うのがあるなら先に言ってくれ。
あれは目立つからやめてくれ!
あと、保護者がいる場合は子供は証明書はいらんぞ。」

「あきゃ!?」

そうだったのかという顔をするキラティアだったがそう思っているのか疑問だ。
とりあえず、俺は工房までの道を目印になるモノを教えながら進んで行った。
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