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外伝 リュークとエリザヴェータ

今回は説明だけです

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  ●  今回は説明だけです  ●

 入城後エリザヴェータ改めレーツェルは、先ずはレーツェルとしての身分である宮廷魔術師見習いとして行動する事にした。
 この任務は極秘中の極秘。
 知っているのは父である皇帝陛下と母である皇妃、そして兄である皇太子の3人のみであり、レーツェルは遠方に派遣されている宮廷魔術師の弟子、という事になっており、今回勇者パーティーにその実力を評価され招へいされたという体裁を取り繕っていた。

 なお、勇者が希望したメンバーの条件だが、【女性】で、【15歳~20歳】という若い年齢だった。
 どう突っ込めばいいのやら、という条件だがここに身体的特徴が設けられていないのは、単に勇者とお供であるイディオの好みが違うからだ。
 心底2人をクズだと思ったエリザヴェータだが、相手の人格に問題があり過ぎるとはいえ勇者なのだ。
 もし現在の勇者が死んでしまえば、次の勇者がいつ出現するか分からない。
 しかも何処に出現するかもわからない。
 かなり問題があろうとも今の勇者を活用せざるを得ない、という事情が相まって勇者であるヒルベルトとお供のイディオは好き放題やっていたのだった。
 それが相当悪い方向へ向かっていたたうえに、被害に遭ったと思われる女性は誰一人真実を語ろうとしなかった。
 そこで国王は苦渋の選択をする事となった。
 若い女性で実力もある人物をヒルベルトの元へ向かわせ素行を調査する、という内容。

 流石のヒルベルトもエリザヴェータに手を出せば自身の命が危ないと知っているので、例えどれだけ好みの姿をしていようと、手を出せない。
 皇帝としては娘に何かあっては困るのだが、これでは調査にならない。
 そこで考え出されたのが、認識阻害のアイテムである。
 これをエリザヴェータが装着すると、ヒルベルトとイディオにとって好みではない姿になる事に成功する。
 万が一があっても問題ないと判断され、エリザヴェータが今回の任務に就いた・・・・たった一つの条件を皇帝が受け入れたのだが、これは収納かばんをもう渡せない事に起因している。

 リュークの登場である。
 リュークは冒険者としての腕前もそれなりにあり、自身の身を守る事は問題なく、かつ所持しているスキルが【空間魔法】だった事から、今回荷物運びとして無理やり受け入れさせた。
 そして可能な限りリュークとエリザヴェータ・・・・レーツェルを離れさせないように仕向けるという、なかなか難儀な任務となったが、男をパーティーメンバーに入れたくないが、荷物の事を考えると致し方がない、と渋々ヒルベルトは受け入れた。

 こうしてリュークは真の理由を知らぬまま、勇者パーティーに加わったのだった。
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