ケンカ王子と手乗り姫

神室さち

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※ このお話は「AGAPE」のif STORYです。

本編、子豚姫が追い返された後がちょっと違うとどうなるのか。

「もしもアッシュが帰っちゃって、ミーレンと出会わなかったら?」と言うお題(?)で話が進みます。


本編で入れられなかった小ネタや解説があったりなかったり。


そんな「もしも」なんて嫌だ! と言う方はブラウザを閉じて下さい。



はじまっちゃうよ?


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 結局バロスオの時のように、一時の感情に任せるような戦が回避されたのだから良しとすべきなのか。



 それとも、どうせだから完膚なきまでに叩き潰すべきだったのか。



 あれから三日。



 ふてくされて引き籠りになってしまったアッシュに代わって、マイセルは粛々と帰還の準備を続けていた。








 エルダストが、絵姿とは全く別人の姫を差し出そうとして早三日目。


 静かにキレたアッシュは、おそらくしばらく確実にあの世が見えていただろう、シめられて気絶したエルダストの通訳と当の姫、その他付属品を文字通り足蹴にして門の外まで蹴りだして『どうせブタしかいねぇんならもう誰も寄越すんじゃねぇ!!』と叫んだ後、辺りの物を破壊できるだけしつくして、ロシェを連れて閉じこもってしまった。


 さすがにこの無気力さに危機感を抱いて『攻め込みますか?』と問うてみたが、もうそんな気さえ起きないのか、中から本当に面倒そうに『めんどくせぇ……』と返事があったきりだ。





「もういいや。乗っけたまま帰ろう。うん、そうしよう。余計なことが考えないが勝ちだ!」





 一人うんうんと頷きながら、帰還する軍の中ほどにアッシュの乗る馬車に馬を配置して、マイセルはさっさと帰途についた。





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超絶短いプロローグなので本日もう一話更新。

なんで同じページにしないかって、視点が変わるからですごめんなさい。




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