あい らぶ? こめ。

神室さち

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前門の虎、後門の狼

だから先に言っといてってば!!

「ひッ あッ いやぁああッ んなとこ、だめッ」

「ダメな割に、透明なのいっぱい溢れてきてんぜ?」

 嘘だと思って下を向く。溜まってた涙が落ちて、視界がクリアになる。そして見えた自分のソレから、言われた通り、タラタラと少し濁った先走りが漏れている。

「ンッ! ちがッ……そこじゃなッいぃ 前のっ 触って!!」

「ちゃんと気持ちイイトコ触ってるだろ? これでもイけないんなら、柊也にもオネダリしたら?」


 流れて伝う俺の先走りをお尻の孔に塗りつけながら、藤也が言う。またあの恥ずかしいセリフ、もう一回?


 俺は背中を預けて、片方の足の太腿と、腰に手を回して支えている柊也を、ちょっと体をずらして、捩って、見上げる。お風呂に入るためにメガネをはずした柊也は、普段見るよりちょっと温和な感じ。促すようなその目に、唇を震わしながら開く。


「しゅー……や、おにーちゃ……ん、触って? もー イかせて……お願ッ」

 一回言ってるからか、藤也の時よりスムーズに言えてしまったのがまたなんか、悔しい……

「……藤也と同じようなことを言われても、イマイチ、来るものがないですねぇ……」


 えええッ!?


「言いなおしてもらいましょう」


 先に言って! ホントマジでお願い!! 言うと結構心が折れるからこのセリフ!!

 しばらく悩んでいるような間の後、あの笑み。口の端だけ上がる悪魔の微笑み!!


 ううう。藤也の言うとおりだった。柊也のほうがよっぽど魔王様だった。その口から出てきたセリフは、長い・エロい・恥ずかしいの三拍子セットだった。

「ほら、早く言わないと」

 柊也の手が、太ももの内側をゆっくり撫でる。首を振って前を向いた俺の耳に軽く歯を立てて、柊也が促す。

 言えない。藤也のも恥ずかしかったけど、もっとひどい。

「お仕置きしよっか、マコ? 何回目で降参するかな?」

「……ひっ! やッ! ひあああああぁッ!!! あうッ! うンひゃああッ! やッ やめッ!! 言う、言うからッ! やあああああッ!!」

 ひっひっと喉が鳴る。一回の刺激が十分一回イくのと同じくらいの衝撃。それを三回。実際のところ、二回目でギブアップしたのに、三回目の追い打ち……もちろん根元をがっちり締め上げられて、イくことは叶わない。

「ひうっ ひっく う。ふええぇぇえ」

「泣いていては終わりませんよ? 早く言わないと、またしますよ? それとも、されたいから焦らすんですか?」



 違う。断じて。イきそうになるけどイけないし、気持ちいいのとは程遠い痛みしかないのにこんなのされたくないってば。
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