あい らぶ? こめ。

神室さち

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過ぎたるは猶及ばざるが如し

なんでジュース飲んじゃうの!? 俺のでしょそれ!!




 支えを失った体が、ずるずるシーツに落ちる。いつの間にか腰の下に入れられてたクッションがなくなってて、俺はくたーっとシーツにへばりついた。ここのベッドって、こんな沈んだっけ? なんかもう、体……重い。

「お前またセルフ?」

 うるさい黙れ。落ちてきちゃったものは仕方ないだろ。頭より腰の方が位置高いんだからッ!! もう、腕上げるのも億劫なの!

 笑いながら俺の頭の横に膝でにじり寄ってきたのは藤也。

「あ、ソレほしい。喉からから」

 その手にはグラスに入った特製ネクター!

「なんか、このとろみとそのとろみって似てるよな?」


 …………変なモン想像させるなぁ!!


 藤也が、俺の顔についちゃったモノを指の腹で拭って、何の衒いもなく自分の口へ。

「味は全然違うけど。こっちはこっちでイイダシ出てる感じ?」

 出汁とかいうな! 漢字連想しちゃったじゃないかっ!!

「いいからジュースッ! 頂戴ジュースッ!!」

「んー どうせならミルクベースとかにしとけばよかったかもって今更思ってみたりしてるんだけど、混ぜていい? 特濃のやつ。その場合『おにーちゃん、濃いの飲ませてください』っつって?」

「言うかバカ!! 混ぜなくていい!! そのまんまでいいっ!」

「ハイハイ。でもちょっとその前に」

 近づいてきた藤也の顔で、視界が暗くなったと思ったら、顔面舐められた!! おでことか鼻の横とかほっぺたとか!!

「んにゃ! にゃにすっ」

「起きたらデコにかかったのが垂れて目に入ったら痛いだろ」

 気遣いはともかく……フツーに拭(ぬぐ)って、タオルとかで。つーか、おでこ以外も舐めてただろ!!

「それより肝心なことなんだけど、起きられる?」

「……ぐぎぎぎぎぎぎっ!! きゃんっ!!」

「無理すんなって。飲ませてやるから」

 起きようと思ったけど、体が重くてようやく仰向けから横向きになれただけだった。しかもその努力は、藤也の人差し指一本で無きものにされた。つんっと突かれたらあっさりぺしょっと元通り。

 見上げたら、にやーって、藤也の笑い顔。

 んで、ちゅーって、なんでジュース飲んじゃうの!? 俺のでしょそれ!!

「なっ んっ ふぐっ んんっ」

 直後降りてきた顔。唇を塞がれて俺の抗議は儚くも続かず、代わりに甘い液体が流し込まれた。

 顔が離れて、飲み込みきれなくて零れちゃったのを手で拭う。

「もっと飲む?」

「フツーに飲む!! 意地でも起きるッ!」

「ありゃ 仕方ねぇなぁ」

 ジュース持ったまま藤也が俺の後ろに回り込んで、後ろから脇に手を突っ込んで、あっさり引き上げる。だからこういう風にできるんなら最初からだなぁ……

「ほれ、早く飲め。柊也帰ってきちまうぞ」

 背中を藤也の胸元に支えられながら、ストローを目の前に差し出されて、咥えて吸い上げる。ああ美味い。ホントめちゃくちゃ美味い。桃の柔らかい甘味が全身にしみわたる感じがする。

 じゅるじゅるーっと、クラッシュした氷の隙間に残った分まで未練がましく吸い上げてると、どこいってたんだか柊也が帰ってきた。

「うげ」

 どこ行ってたんだろうね、本当に、あんなモノ持って……

「柊也……それ、って。え?」

 さっき俺が空っぽにしたと思うんですけど。


 その注射器。


 なんでか今度は、ピンク色の何かが仕込まれてる。

 するりと、俺の両手からグラスが抜き取られ、藤也がベッドヘッドの棚に置く音が後ろから聞こえた。

 その間、俺は何してたかって、近づいてくる柊也を凝視してただけ。

 怖くて動けません。

 俺の真ん前まで来た柊也が、おもむろに、注射器を俺のほっぺたにくっつけた。あ、なんか温かい。

 あ、温めて来てたのね、それ。

「イったばかりの中に冷たいものを入れるのも無粋ですから」

 もしかして、もしかしなくても、やっぱりまたやるんですか? そんなもの準備したってことは、またやるんですね!?

「次はどのくらい出ますかね? 真琴のミルク」



 いやあああああっ



 もう出ません!! 本日の営業は終了しましたって首を振っても、俺の拒否権は受け入れられるはずもない。

 逃げる間もなくあっさりがっちり、大きな手に両腰骨の辺りを捕えられていた。



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