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色々整理するのは当然で。

きみの……いや、そのタイトルはダメだ。

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「私が知る情報と、目の前にいるあなたと、相違がありすぎると言ったら?」

「……いえ、私はリリアーネ・エステルソリスです」

 少なくともこの肉体は。名乗りたくないけど。

「私の知るリリアーネ・エステルソリスという人物は、濃い金髪、紫の瞳と聞いているが」

「そう、ですけど?」

 きょとんとしていたら、メグがスっと手鏡を出してくれたので、のぞき込む。


「な、なっ!? なんじゃこりゃ!?」

 思わず、素が出たのは許してほしい。


 だって、鏡の中には、ピンクがかったキラキラした髪、紫の中に赤みの強い濃いピンクの星が散らばった、私の知ってるリリアーネとは違う色をまとった、顔があったから。

 しかもなぜか、気を失う前よりリリアーネ感がないというか、そもそもの私の顔のような……確実に鼻が低くなって、頬から顎にかけてが丸くなっている。

 しばし、手鏡を見て呆然とする。そういえば、起きてすぐ、メグがさりげなく簡単に髪をまとめてくれて、着替えた後の本格的な髪結いの時も、鏡の前に行かずに済ませた。別に何とも思ってなかったけど、自分の容姿を見せないためだったのか? くやしいけどどっきりは大成功だよこんちくしょう。


「ここの使用人たちも、あなたがこの屋敷に来た時は、濃い金髪に濃い紫の瞳だったと言っている。だが、私に治癒魔法を使った後、あなたの髪の色は変わっていたんだ。瞳の色も変わっている、違いないか?」

 そう問われて、がっくり首を前に動かす。何がどうしてこうなった!? なんで髪と瞳の色が変わってるの!?


「ここは辺境と呼ばれているが、王都のうわさが全く入ってこないわけではない。あなたが眠っている間にこの春まで王都の学園にいたあなたの同級だった者や、上級だった者、王都と頻繁に行き来している旗士(きし)に、あなたの為人(ひととなり)を聞いたのだが──なんというか、本人を前に言うのをはばかるようなひどいものだな」


 リリアーネ、あなたどれだけ嫌われてたの……辺境伯がどさりとソファの背もたれにもたれた。ダラっとしててもイケメンはイケメンですね。

「まあ、そう、です……ね?」

 学園でのわがまま女王様っぷりを目の当たりにしてるので、否定はしない。私以外の下位貴族の子も気まぐれターゲットで自主退学に追い込まれたりしてたし。

 すすーと音を立てず、お茶を飲む。うむ、おいしい。お茶のお代わりがいただけないだろうか。ちらりとメグを見ると、ススっとカップを新しいものに取り換えてくれた。

「……で、辺境伯が出した結論を伺っても?」

 そう切り出すと、しばしの間をおいて。



「君は、誰だ?」


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