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「いゃぁ・・・・・」
何か恐ろしい事が待っていそうで夜神は、首を緩く振る。
けど、ルードヴィッヒはそれを許すはずも無く更に冷静に言葉を並べる。
「嫌なのかな?けど、凪ちゃんに拒否権はあるのかな?・・・・・そう言えば凪ちゃんの国には「刺し身」という、生の魚を薄く切った料理方法があるんだよね?あぁ、そうだ!地下牢の彼で試してみようか?」
皇帝の言葉に夜神は恐怖を覚える。確かに先程、「どう、調理してやろうか?」と言われた。
皇帝は必ず実行するだろう。あれ程、殺そうと剣を振るっていたのだ。
背筋が凍る・・・・本気の目を見て夜神の息が荒くなる。上手く息が出来ないのだ。
満足に息が出来ない状態のなか、何とかして声を出す。その声は既に震えていた。
「み、せるから・・・見せるから、やめて・・・下さい」
「そう?なら、ちゃんと見せてごらん。私はとても心配しているんだよ?傷がどこまであるのかとか、治り具合とか色々とね?」
ルードヴィッヒの唇が歪んでいく。目の端々には残酷な色がチラつく。
夜神を押し倒して見下ろしていたが、このままでは起きる事は出来ないのでルードヴィッヒは体を起こして、夜神を愉悦混じりの眼差しで見つめる。
体から離れたのを確認すると、夜神もゆっくりと体を起こしていった。
そして、背中を皇帝に向けると首元を掴む。
そのまま下に下ろせばいいのだが、躊躇ってしまう。
このまま見せるだけならいいのだが、本当に見せるだけで終わるのか・・・・不安が過る。けど、何もしないとなると庵君が危ないのも確かで・・・・・
乾いた喉に唾を飲み込むと、掴んでいた部分をグッと下げ、長袖から両腕を引き抜いていく。ある程度背中を見せると、動きをとめていく。
ルードヴィッヒは最初、貼り付いた笑いをしていたが、夜神の背中の傷を見てその笑いをやめる。
背中の半分ぐらいで脱ぐのをやめたから全体は分からないが、それでも深くまで斬りつけられたのだと分かるほどの傷に、ルードヴィッヒは眉をしかめる。
白い背中には真新しい傷の塞がった跡が残る。瘡蓋はないが、肉同士がくっつき少しこんもりとしている。牡丹色になった傷跡は、真新しい皮膚のせいでツルツルとしている。
「っぅ・・・・・」
息を呑んでしまう。元の白い背中ではないと、頭で分かっていても、実際に見てしまうと心が痛む。
末裔の力のおかげで「死」に繋がる事はなかったと言え、それでも死にかける程の傷を背負わせてしまった。
心苦しい、心が痛いと辛い気持ちが次々に溢れ出てくる。
けど、この背中の傷は誰かを守る為に付いた傷・・・・
守る相手は、私にとって邪魔で邪魔で、この手で捻り潰したいと、存在を消し去りたいと思う相手・・・・
その、相手は今も煩わしいことに息をして生きている。繋がれている場所は牢の中といえ、それでも煩わしい事この上ない。
だからなのか、小鳥が中途半端に背中を見せていることにも苛立ちを覚える。
「全部見せないと分からないだろう?下まで服を下ろすんだよ?」
「っ・・・・・・」
ビクッと、体が震えたのを見逃さなかった。
あぁ・・・・それでいい。羞恥なのか、恐怖なのかは知らないが、体が震えるほど何かを思ったのならそれでいい・・・・・それでいいんだよ?
両袖を引き抜き、背中の半分を見せるようにする。胸は寝屋着で隠して、更に落ちないように自分の腕でも覆い隠す。あまりの恥ずかしさに、前のめりになり丸くなってしまう。
早く、終われ・・・・傷を見たならもう、いいでしょう・・・・
ぐるぐると頭の中は、そんな言葉が回る。
一瞬、息を飲むような声が聞こえたが気のせいだろう。
けど、皇帝は許してくれなかった。「最後まで見せろ」とさらなる要求をする。最後までとなると胸も曝け出さないといけない。
下着は下だけで、ブラジャーも何もしてない。いくら背中を向けていると言え嫌なものは嫌だ。
けど、ここで拒否したら、きっと庵君に害が及ぶのは分かりきった事。
きっと、嬉々として皇帝は庵君を甚振るだろう。
それも、私の目の前で・・・・・
ゴクッ・・・・・もう一度唾を飲み込む。さっきから喉がからからと乾いてしかたない。
夜神は、一度目を瞑ると、胸を隠している寝屋着をグッと、掴み下に一気に下ろす。
そして、急いで剥き出しになった胸を腕で隠していく。
暫くの沈黙が部屋に満ちる。するとギシッと、ベッドが軋む音と一緒に、自分の背中に人の気配がすると思ったら、背中を温かいものがひと撫でする。
突然の事に背中を仰け反らしてしまう。ゾワゾワと鳥肌が立つ。
「ひっ・・・・・・」
叫びはしなかったが、恐怖で声が漏れ出てしまう。
「背中の傷はまるで十字架のようだね。ここと、ここ・・・・・・凪ちゃんが背負うべき十字架を目に見える形で残したようだ・・・・・」
左肩から肩甲骨の下ぐらいまでの古傷をひと撫ですると、今度は真新しい、右肩から左肩腰にかけての傷を撫でる。
撫でられて、自分の傷がどんな形なのかが分かってしまう。
十字架を背負う・・・・・確かに私は十字架を背負っている。ルルワが作った扉のせいで、沢山の人の命と人生を奪った。それは子孫である私が償わないといけない。
夜神が黙って俯いていると、ルードヴィッヒは夜神の背中から逃げないように抱き締めていく。
「なっ・・・・・・」
「偉いね~~ちゃんと自分の罪を分かっているんだね。そうだよ。凪ちゃんは十字架を背負っているだよ。それはとても重い、重い十字架をね?分かっているんだね?そんな偉いね凪ちゃんだけど、一つだけ罪滅ぼしをしないといけないよ?」
「いっ・・・・・・やめて!!」
ルードヴィッヒは、夜神の柔らかい胸を揉みしだくために、隠している手の隙間を掻い潜り、手を滑り込ませる。
一瞬の事と、自分の罪で気が散っていたせいで、呆気なく掴まれた事に、夜神は焦ってしまい声を荒げてしまう。
皇帝の腕の縛りから逃げようと、体を動かすがビクともしない。それどころか、益々腕の力が強くなる。
掴んだ指と指の間に、まだ、膨らんでいない蕾を挟むと、指同士を付けたり、離したりしていく。
すると、段々と蕾は固くなりはじめる。
「固くなってきたね・・・・・感じているのかい?良いことだよ。さぁ、今から「お仕置き」をしないといけないね?誰の許可を得て王弟の末裔を助けたんだい?誰が許した?凪ちゃんの背中に消えない傷を残した事を・・・・・・」
「やめて!お願いだから・・・・・」
恐怖が全身を支配する。「お仕置き」の言葉を聞いただけで、今から行われる行為がどんな行為か手を取るように分かってしまう。
既に、始まっているかもしれない。じゃなければ背中を見ただけで終わるはずだから。
何とかして逃げようと夜神は、動きの鈍くなった体に、鞭打って逃げ出そうとする。
けど、それ以上の力と圧力で屈伏させようとする。
そうなれば屈従しか道はない。屈従したら最後、待っているのは体を暴かれて、皇帝を受け入れる屈辱行為だ。
「くっくくく・・・・・逃げたいのに逃げられないね?仕方ないじゃないか。凪ちゃんは弱いのだから。力も心もね?そして、快楽にも・・・・・」
首筋を滑ったものがひと撫でする。それが皇帝の舌だとすぐに分かった。
「ぃやぁ・・・・・・」
胸を掴んでいる皇帝の手を引き離そうとするが、全然動かない。
抜け出そうとするが、抱き締めている腕が強すぎて抜け出すことも叶わない。
どんなに嫌がっていても、首筋を舐める動きは一向に止まることがない。
━━━━━━━それどころか・・・・・・・・
「いっ・・・・あぁ・・・・・そ、れは・・・・・いゃだぁ!!」
まるで、消毒をしていたかのように首筋を舐めていたのか、それが終わると、深々と牙を埋め込むように噛まれていく。
ブチッと、何かの音が耳の近くで聞こえたのかもしれない。すると、段々と痛みが広がる。
けど、すぐにその痛みは何処かに行ってしまう。代わりに、違う変化が体を襲う。
「っぁぁ・・・ん・・んぁぁ!」
自分の子宮が疼いてくる。堪らなくなり背中が仰け反ってしまう。
心臓が痛いぐらい脈打つ。肌の感覚が研ぎ澄まされて、肌に触れるもの全てが刺激に繋がる。
それも、痛い刺激ではない。全身が切なくなる刺激だ。
ジュル、ジュルと血を啜る音がする。その音の度に体の感覚が可笑しくなる。
「あぁ・・・・・ああぁん!」
さっきから掴まれていた胸が急に動き出す。
さっきはただ、揉みしだく動きだったのに、官能を誘う動きに変わっていく。
皇帝の手を掴んで引き離そうとしていた手も、今は添えるだけの手になってしまった。
「「色の牙」の前では何人たりとも逃げ出せないよ。さぁ、「お仕置き」を始めようか?勿論、凪ちゃん一人だけのお仕置きはしないよ?彼にもちゃんと「お仕置き」しないとね?」
夜神に「色の牙」を使い、体を官能の淵に落とし込んだルードヴィッヒは、牙の跡が残る首筋を一舐めすると、目を暗く輝かせて、赤く色づいた夜神の耳元で静かに話す。
震える体でも、可笑しくなった頭でもすぐに何を言っているのが分かった。
その彼が誰なのかを・・・・・・
何か恐ろしい事が待っていそうで夜神は、首を緩く振る。
けど、ルードヴィッヒはそれを許すはずも無く更に冷静に言葉を並べる。
「嫌なのかな?けど、凪ちゃんに拒否権はあるのかな?・・・・・そう言えば凪ちゃんの国には「刺し身」という、生の魚を薄く切った料理方法があるんだよね?あぁ、そうだ!地下牢の彼で試してみようか?」
皇帝の言葉に夜神は恐怖を覚える。確かに先程、「どう、調理してやろうか?」と言われた。
皇帝は必ず実行するだろう。あれ程、殺そうと剣を振るっていたのだ。
背筋が凍る・・・・本気の目を見て夜神の息が荒くなる。上手く息が出来ないのだ。
満足に息が出来ない状態のなか、何とかして声を出す。その声は既に震えていた。
「み、せるから・・・見せるから、やめて・・・下さい」
「そう?なら、ちゃんと見せてごらん。私はとても心配しているんだよ?傷がどこまであるのかとか、治り具合とか色々とね?」
ルードヴィッヒの唇が歪んでいく。目の端々には残酷な色がチラつく。
夜神を押し倒して見下ろしていたが、このままでは起きる事は出来ないのでルードヴィッヒは体を起こして、夜神を愉悦混じりの眼差しで見つめる。
体から離れたのを確認すると、夜神もゆっくりと体を起こしていった。
そして、背中を皇帝に向けると首元を掴む。
そのまま下に下ろせばいいのだが、躊躇ってしまう。
このまま見せるだけならいいのだが、本当に見せるだけで終わるのか・・・・不安が過る。けど、何もしないとなると庵君が危ないのも確かで・・・・・
乾いた喉に唾を飲み込むと、掴んでいた部分をグッと下げ、長袖から両腕を引き抜いていく。ある程度背中を見せると、動きをとめていく。
ルードヴィッヒは最初、貼り付いた笑いをしていたが、夜神の背中の傷を見てその笑いをやめる。
背中の半分ぐらいで脱ぐのをやめたから全体は分からないが、それでも深くまで斬りつけられたのだと分かるほどの傷に、ルードヴィッヒは眉をしかめる。
白い背中には真新しい傷の塞がった跡が残る。瘡蓋はないが、肉同士がくっつき少しこんもりとしている。牡丹色になった傷跡は、真新しい皮膚のせいでツルツルとしている。
「っぅ・・・・・」
息を呑んでしまう。元の白い背中ではないと、頭で分かっていても、実際に見てしまうと心が痛む。
末裔の力のおかげで「死」に繋がる事はなかったと言え、それでも死にかける程の傷を背負わせてしまった。
心苦しい、心が痛いと辛い気持ちが次々に溢れ出てくる。
けど、この背中の傷は誰かを守る為に付いた傷・・・・
守る相手は、私にとって邪魔で邪魔で、この手で捻り潰したいと、存在を消し去りたいと思う相手・・・・
その、相手は今も煩わしいことに息をして生きている。繋がれている場所は牢の中といえ、それでも煩わしい事この上ない。
だからなのか、小鳥が中途半端に背中を見せていることにも苛立ちを覚える。
「全部見せないと分からないだろう?下まで服を下ろすんだよ?」
「っ・・・・・・」
ビクッと、体が震えたのを見逃さなかった。
あぁ・・・・それでいい。羞恥なのか、恐怖なのかは知らないが、体が震えるほど何かを思ったのならそれでいい・・・・・それでいいんだよ?
両袖を引き抜き、背中の半分を見せるようにする。胸は寝屋着で隠して、更に落ちないように自分の腕でも覆い隠す。あまりの恥ずかしさに、前のめりになり丸くなってしまう。
早く、終われ・・・・傷を見たならもう、いいでしょう・・・・
ぐるぐると頭の中は、そんな言葉が回る。
一瞬、息を飲むような声が聞こえたが気のせいだろう。
けど、皇帝は許してくれなかった。「最後まで見せろ」とさらなる要求をする。最後までとなると胸も曝け出さないといけない。
下着は下だけで、ブラジャーも何もしてない。いくら背中を向けていると言え嫌なものは嫌だ。
けど、ここで拒否したら、きっと庵君に害が及ぶのは分かりきった事。
きっと、嬉々として皇帝は庵君を甚振るだろう。
それも、私の目の前で・・・・・
ゴクッ・・・・・もう一度唾を飲み込む。さっきから喉がからからと乾いてしかたない。
夜神は、一度目を瞑ると、胸を隠している寝屋着をグッと、掴み下に一気に下ろす。
そして、急いで剥き出しになった胸を腕で隠していく。
暫くの沈黙が部屋に満ちる。するとギシッと、ベッドが軋む音と一緒に、自分の背中に人の気配がすると思ったら、背中を温かいものがひと撫でする。
突然の事に背中を仰け反らしてしまう。ゾワゾワと鳥肌が立つ。
「ひっ・・・・・・」
叫びはしなかったが、恐怖で声が漏れ出てしまう。
「背中の傷はまるで十字架のようだね。ここと、ここ・・・・・・凪ちゃんが背負うべき十字架を目に見える形で残したようだ・・・・・」
左肩から肩甲骨の下ぐらいまでの古傷をひと撫ですると、今度は真新しい、右肩から左肩腰にかけての傷を撫でる。
撫でられて、自分の傷がどんな形なのかが分かってしまう。
十字架を背負う・・・・・確かに私は十字架を背負っている。ルルワが作った扉のせいで、沢山の人の命と人生を奪った。それは子孫である私が償わないといけない。
夜神が黙って俯いていると、ルードヴィッヒは夜神の背中から逃げないように抱き締めていく。
「なっ・・・・・・」
「偉いね~~ちゃんと自分の罪を分かっているんだね。そうだよ。凪ちゃんは十字架を背負っているだよ。それはとても重い、重い十字架をね?分かっているんだね?そんな偉いね凪ちゃんだけど、一つだけ罪滅ぼしをしないといけないよ?」
「いっ・・・・・・やめて!!」
ルードヴィッヒは、夜神の柔らかい胸を揉みしだくために、隠している手の隙間を掻い潜り、手を滑り込ませる。
一瞬の事と、自分の罪で気が散っていたせいで、呆気なく掴まれた事に、夜神は焦ってしまい声を荒げてしまう。
皇帝の腕の縛りから逃げようと、体を動かすがビクともしない。それどころか、益々腕の力が強くなる。
掴んだ指と指の間に、まだ、膨らんでいない蕾を挟むと、指同士を付けたり、離したりしていく。
すると、段々と蕾は固くなりはじめる。
「固くなってきたね・・・・・感じているのかい?良いことだよ。さぁ、今から「お仕置き」をしないといけないね?誰の許可を得て王弟の末裔を助けたんだい?誰が許した?凪ちゃんの背中に消えない傷を残した事を・・・・・・」
「やめて!お願いだから・・・・・」
恐怖が全身を支配する。「お仕置き」の言葉を聞いただけで、今から行われる行為がどんな行為か手を取るように分かってしまう。
既に、始まっているかもしれない。じゃなければ背中を見ただけで終わるはずだから。
何とかして逃げようと夜神は、動きの鈍くなった体に、鞭打って逃げ出そうとする。
けど、それ以上の力と圧力で屈伏させようとする。
そうなれば屈従しか道はない。屈従したら最後、待っているのは体を暴かれて、皇帝を受け入れる屈辱行為だ。
「くっくくく・・・・・逃げたいのに逃げられないね?仕方ないじゃないか。凪ちゃんは弱いのだから。力も心もね?そして、快楽にも・・・・・」
首筋を滑ったものがひと撫でする。それが皇帝の舌だとすぐに分かった。
「ぃやぁ・・・・・・」
胸を掴んでいる皇帝の手を引き離そうとするが、全然動かない。
抜け出そうとするが、抱き締めている腕が強すぎて抜け出すことも叶わない。
どんなに嫌がっていても、首筋を舐める動きは一向に止まることがない。
━━━━━━━それどころか・・・・・・・・
「いっ・・・・あぁ・・・・・そ、れは・・・・・いゃだぁ!!」
まるで、消毒をしていたかのように首筋を舐めていたのか、それが終わると、深々と牙を埋め込むように噛まれていく。
ブチッと、何かの音が耳の近くで聞こえたのかもしれない。すると、段々と痛みが広がる。
けど、すぐにその痛みは何処かに行ってしまう。代わりに、違う変化が体を襲う。
「っぁぁ・・・ん・・んぁぁ!」
自分の子宮が疼いてくる。堪らなくなり背中が仰け反ってしまう。
心臓が痛いぐらい脈打つ。肌の感覚が研ぎ澄まされて、肌に触れるもの全てが刺激に繋がる。
それも、痛い刺激ではない。全身が切なくなる刺激だ。
ジュル、ジュルと血を啜る音がする。その音の度に体の感覚が可笑しくなる。
「あぁ・・・・・ああぁん!」
さっきから掴まれていた胸が急に動き出す。
さっきはただ、揉みしだく動きだったのに、官能を誘う動きに変わっていく。
皇帝の手を掴んで引き離そうとしていた手も、今は添えるだけの手になってしまった。
「「色の牙」の前では何人たりとも逃げ出せないよ。さぁ、「お仕置き」を始めようか?勿論、凪ちゃん一人だけのお仕置きはしないよ?彼にもちゃんと「お仕置き」しないとね?」
夜神に「色の牙」を使い、体を官能の淵に落とし込んだルードヴィッヒは、牙の跡が残る首筋を一舐めすると、目を暗く輝かせて、赤く色づいた夜神の耳元で静かに話す。
震える体でも、可笑しくなった頭でもすぐに何を言っているのが分かった。
その彼が誰なのかを・・・・・・
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