蒼炎のカチュア

黒桐 涼風

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第四章 再会

4-2 ナギサイド

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 取り敢えず、カチュア御一行は、ルイドの街内にある宿屋に、向かうことにした。

 ようやく、この街の宿屋に着いたようだ。

 御一行は、宿屋に入ろうとするとが、カチュアが。

「皆は先に行っていて~」
「どこに行くんですか?」

 ルナが尋ねると。

「ん? えーと~。散歩~?」

 そう言って、カチュアは皆を置いて、どこかにへ行ってしまった。てか、だから、ルナ側が質問しているのに、ハテナ使うなよ!

『急にどうしたんだ?』
「ちょっとね~。ほって置いたら、まずいかも~」

 本当に急に皆と別れて、どうしたんだろう? カチュアは。



 そして、カチュアが向かったのは、街の裏道。なぜ、カチュアが、こんな、人気が少ないところへ、来てしまったのか。

『カチュア。どうして、こんな誰も通らない? 裏道に入っていったんだ?』

 カチュアに尋ねると。

「しー。ナギちゃん、しー」

    人差し指を唇に当てる。

『「しー」って、あなた以外聞こえないから! 私が騒いでも、いや、実際は騒がないけど、周りには聞こえないでしょ!』
「あ! そうだったわ~」

 この子、普段課から私がカチュアの口で喋っているから、周りに聞こえづに会話できることをカチュア自身、忘れているよ。私の声はカチュアを使って喋らない限り、周りには聞こえない。

 カチュアが建物の角から何かを除くように顔をだす。目先には怪しい人が五人もいる。よく見れば、目の辺りを隠す仮面を付けている。

「うまくいっているか?」
「ああ、後は騒ぎを起きている間に例のあれを」

 あの人達は、ヴァルダンとかいう国の連中? それだったら、あっさり、侵入許しちゃっている、ことになるけど、大丈夫なのか? この国は? まあ、転移術なんてあるし、それを使えば、気づかれずに侵入は可能か。まあ、ヴァルダンが使えていたらの話だが。

 てか、カチュアは、いつから、この連中が、ルイドの街に侵入していたことに、気づいてたのか。この街に入ってから、あんな怪しい連中なんか、見かけなかったのに。

『あきらかに、怪しい人達だけど、どうする?』

 すると、カチュアは、その怪しい連中の前に、姿を洗わせてしまった。

『ちょっと! カチュア!! 何やっているんだよ!!?』

  出てきちゃってよかったの? さっき、私に対して「しー」と言っておきながら。

「なんだ!? お前は!」
「カチュアよ~」
『名乗っている場合か!』
 
 てか、いかにも、怪しい奴らに名乗るな!

「フードを被って顔はわからなかったが、声からすと女か!?」
「そうよ~」
『いや、返事するなよ!』
「あなたたちはここで何しているのかな~」
「てめーには関係ないだろ!!」
「そお~? 如何《いか》にも、悪意を感じさせる気を感じ取ったから、追いかけてみたけど~、会話を限り、やっぱり、何か、悪さをしようってしているのは確かね~。だから、ほって置くわけには、いかないのよ~」

 前から思っていたがカチュアって、やはり、人の心が読めるのか? 確か、本人の人の気持ちがわかるって言っていたし。その悪意を感じってこいつらを追いかけていたのか?

「ち、見られたなら、仕方がない! ここで消えてもらうよ!」

 怪しい輩の一人が、右手をカチュアに向けると、炎の渦が出てきた。発動した魔術は、エドナやルナが、使うよりも発動が早い。無詠唱か?

 敵の攻撃を躱わした、カチュアは、一瞬で炎の渦を発動させた仮面の輩《やから》の懐まで移動した。そして、腕を掴み、関節を逆方向に折り曲げた。

「ぎやぁぁぁぁぁーーー!!! うでが……うでがーーー!」

 腕を逆方向に曲げらた仮面の輩は、地面の上で転がりながら叫ぶ。

「油断するな」
「くそー! これでも、くらえ!」

 今度は、どこらから、持ち出したのか。一人の仮面の輩の、目の前には、五つの岩を出現させた。これは、飛び道具としての岩ではないか。岩……地の魔術かな? 始めて見たわ。

 岩はカチュア目掛けて放たれるが、カチュアはさっき関節を逆側に折り曲げた敵を蹴り飛ばしながら、避けた。この攻撃は明らかに味方を巻き込むものだった。

「あなた達、なんで味方まで巻き込むの~? 酷いでしょ~?」

 カチュアは、このことに、気づいていたからこそ、例え敵でも、攻撃に巻き込まれないよう、蹴り飛ばしたのだ。

 一人の仮面の輩は、カチュア目掛けて、魔術による攻撃を仕掛けようとした時だ。

 突然、その仮面の輩が前方に倒れていった。いきなり、倒れた敵ら「何事か!」って感じで思わず見てしまった、両サイドにいた味方。

 その隙は、カチュアは逃さなかった。

 二人の敵が、気づいた時には目、の前にカチュアがいた。カチュアは、右から左へと、二人を殴り飛ばした。手加減はしていると思うんだけど、また、顔が凹ませているよ。多分、顔の骨は砕けていると思う。

 そう言えば、もう一人いたような。

「隙やり!!」

 やはり、もう一人残っていた。仮面の輩が火の魔術を放った。カチュアに当たる。だけど、カチュアは火の魔術を蹴りをしたら、火の魔術を跳ね返した。カチュアの靴には、刃が仕込まれていて、強く蹴ると、出る仕組みだ。この刃に使われている金属は、魔術は反射するものだ。

 跳ね返した、火の球は、仮面の輩に当たるすれすれ、だった。けど、外したとはいえ、跳ね返したことを想定外のためか、仮面の輩は動揺していた。やはり、カチュアは、その隙を逃さなかった。仮面の輩の腹部を殴りつけて吹き飛ばした。宙に舞う、仮面の輩は、地面に強く叩きつけてしまった。

 これで五人。倒した。

「大丈夫ですが?」

 そこには、見知らぬ女性が立っていた。如何にも、騎士ぽい、格好をしている。さっき、魔術を発動しようとした仮面の輩を妨害してきたのが、この人ね。

 カチュアが警戒していないってことは、怪しい人ではないと、捉えてもいいのか。

 もしかして。

『カチュアは、他にも尾行していた人が、いたことに気づいていたの?』
「そーだよ」

 目の前に、知らない女性が、いるのも関わらず返事をした。怪しまれてはいないようだね。事情を知らなければ、ただ変な人になってしまう。

「あなたは、こいつらの仲間ではないみたいなだ」

 女の人が、カチュアの方に、向かって歩いてきた。

 黒っぽい赤色の長髪。身長はカチュアと同じくらい。年もカチュアと近そうな感じ。凛々しいの女性だ

「けど、あんまり、無茶はしないように」

 心配はしてくれてはいるんだね。

「……あなたはよく見たら、帝国騎士の者ではないようね。……いや、それどころか、あなた、どこかで……。特に、その、蒼い瞳」

 女の人はカチュアの顔をじっーと見つめていると。

「もしかして、あなたの、髪の色も蒼だったりしない?」

 そういえば、今、フードを被っているから髪の色は知らないのか。それよりも、何で、この人は、カチュアの、髪の色が蒼だと思ったのか?

「カチュアさん!」

 この声はエドナね。

「あれ? エドナちゃんたちだわ~」

 エドナにルナ。ユミル、ソフィアが駆けつけてきた。

「皆、どーしたの~?」
「遅いから探したんですよ」

 ルナが黒っぽい赤髪の女性と目を合わせる。

「あれ? ロゼッタ! どうしてここに?」
「ルナ! それはこっちのセリフよ」

 この二人は知り合いなのか?

 ロゼッタと呼ばれていた黒っぽい赤髪の女性はカチュアに顔を向ける。

「それより、あなたはカチュア?」
「そーだよ~。わたし、カチュアよ~。……あなたは?」
「ロゼッタという名に聞き覚えはある?」

 カチュアは黙り込んじゃった。五分後。

「……ああ!!! 思い出した! ロゼちゃんだよね? 七年ぶりだわね~」

 カチュアはフードを取った。

「その蒼い髪! やっぱり、カチュアだ!」

 この二人知り合いだったんだ。てか、思い出すのに、時間が掛ったわね。いつものことだけど。

「久しぶり! ……と、言いたいところだけど!」

 バシーーーン!!

 いきなりどうしたの? 

 突然、ロゼッタはカチュアにビンタをかます。

「ちょっと! ロゼちゃん! どーしたの?」

 いきなり、叩かれてビックリはするよね。てか、カチュアが不意を打たれたのは始めでは。基本、カチュアが敵からの攻撃で怪我を負わされることなんて、一度も見ていない。約一名は除いて。

 あれ? カチュアだったら、未来が見えるかってくらい、相手の行動がわかるから最初のビンタで防げると思ったんだけど。もしかして、カチュアが感じられていたのは殺意だけなのか? いや、これはこれで、もの凄い殺意を感じられる。

「どうしたのではありません! あなた、七年間、今までどこに行ってたのよ!?」
「どこって……」
「ロゼッタはカチュアさんと知り合いなの?」

 ルナが尋ねると。

「幼馴染だ」

 バシーーーン!!

 喋りながら、ビンタをしているよ。この人。

 カチュアの幼馴染か。会話を聞いた限りだと、長い間、会っていない見たいだ。ロゼッタから見れば心配していたから、怒りたくはなるか。だけど、この光景を見て、なんか、怒りの矛先は、それではない、気がする。

 だって。さっきから、彼女がビンタしている先は、カチュアのほっぺではなく、カチュアのあの豊満な胸だから。

 彼女はカチュアとほぼ同じ背丈だ。だけど、胸に関しては「無」に等しい。そう、彼女が怒っていることは、たぶんカチュアの豊満な胸だろう。幼馴染がいつの間か、こんなにデカくなれば、怒りは湧いてくると思う。彼女のはきっと、それだ。

「とにかく、一旦、宿に戻りませんか?」

 ルナが提案するのも、まったく、耳に入っていない様子。ロゼッタはカチュアの胸に怒涛のビンタをかます。

「も~。やめて~」

 バシーーーン!! バシーーーン!!

「えい! うるさーい!! この乳がしぼむ、までは!! 」

  バシーーーン!! バシーーーン!! バシーーーン!!

 乳が萎《しぼ》む、までって、逆に、赤く腫れて、大きくなるのでは?

 てか、カチュアは、叩かれたくなかったら、そこから避ければいい話では?
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