90 / 316
第七章 守るべきもの
7-2 エドナサイド
しおりを挟む
帝都から、少し離れた平地。
「どうしてこうなったんでしょうか?」
「でも、戦いに巻き込まれた時は、背中を任せる相手のことは知らないと、安心しませんですわ」
カチュアさん達を見守るあたし達。
カチュアさんと、アイラさんが互いに向き合う。まさに、決闘なんだよ。
「アイラさんって、確か『鳥籠』と言われていたのを聞いたことがあります」
「それって、二つ名だよね? でも、どういうことなの?」
「さあ。ルナにはわかりません」
「まあ、見ればわかるぜ。そのままだから」
鳥籠って、鳥が入る籠のことだよね? きっと、鶏肉が大好きで鳥を捕まえるから、鳥籠って、名づけられたんだよ。
「マリンから、ある程度聞いている。ヴァルキュリア族だっけ? あなたは」
「そーらしいわ~」
「その力、見せてもらうよ」
カチュアさんは、今いる場所から、一歩後ろへ下がったんだよ。
シューン!!
ビックリしたんだよ!
すると、カチュアさんが、数秒前までいた所から、数本の鎖が出現したんだよ。
「あれって、アルヴスさんが、悪いことをした人を縛り付けていたのと、同じなんだよ」
「拘束術。攻撃にも、使えるんです。拘束術は地の魔術の応用。アイラさんの得意魔術は恐らく地ですね」
次々と、カチュアさんのいた足場から、鎖が出現していったんだよ。
「こんなテンポよく魔術って、使えるものですか?」
「アイラさんって、確か、勇能力の持ち主でした。そうなると……無詠唱ですか」
カチュアさんは、いつものこと、なんだ、けれども、まるで何処から、鎖が現れるか、分かっている、じゃないかって、くらい、上手く避けているんだよ。
だけど。
一本の鎖がカチュアに襲いかかってきたんだよ。その鎖は地面から出てきたのではなく、アイラさんが投げ付けた、鎖だったんだよ。だけど、カチュアさんは、問題なく躱したんだよ。
「君は凄いな、この状況で、僕からの、攻撃を躱すなんて」
投げ付けた鎖は、アイラが鎖を持っている方の手を引くと戻っていったんだよ。
「アイラさんから、出された鎖は、魔術ではないようですね」
「アイラの武器も鎖なんだよ」
「拘束系の武器に魔術。……だから、異名は『鳥籠』ですか?」
ルナちゃんが、納得しているみたいなんだけど、あたしには、どういうことなのか、イマイチ、わからないんだよ。
「じゃあ、こんなのはどうだ?」
地面からまた、鎖が出現したんだよ。だけど、出てきた鎖はカチュアさんの真下ではなかったんだよ。次々と出てくる鎖はカチュアさんの周りに出現したんだよ。そして、鎖はカチュアさんを閉じ込めたんだよ。真上まで、鎖で塞がり、まるで籠なんだよ。
「この鎖からは、逃れられない」
カチュアさんが、鎖で、できた籠に閉じ込められちゃったんだよ!
地面から、鎖が出てきてカチュアさんは躱すんだよ。だけど、籠からも鎖が出てきて、それもカチュアさんは躱したんだよ。次々と出現する鎖を避け続けるんだよ、カチュアさんは。
「鳥籠の中にいるのに、鎖を全て避けるなんて! これはヴァルキュリアの力か?」
カチュアさんは、躱し続けるんだよ。だけど、このままじゃ、カチュアさんは、力尽きちゃうんだよ。
「このままだと、危ないわ~」
カチュアさんが、ぼそっと、何か言っていたようなんだよ! 気のせいかな?
すると、カチュアさんの全身から、蒼い炎が出てきたんだよ。
「あれが、伝説の女将軍と同じ」
カチュアは走り出し、襲いかかってくる鎖を、剣で薙ぎ払ったんだよ。
そして、一斬り、籠目掛けて斬りつけると、出口が出来て、カチュアは、籠の中から脱出できたんだよ。
籠はカチュアさんが、脱出したと、同時に消えたんだよ。
アイラさんは隙を与えさせなかったんだよ。カチュアさんが脱出したとの同時に鎖を投げつけたんだよ。
カチュアさんは、軽々と躱したんだよ。
「あまい!」
鎖は軌道が変わり、カチュアさんの背後目掛けて戻ってきたんだ。
カチュアさんは、それも避けると。鎖を掴んだんだよ。
そして。
「いくわよ~」
カチュアさんは、力一杯に鎖を引っ張ったんだよ。
「うわ!」
アイラさんは鎖を持っていたため、アイラさんも飛んでいったんだよ。空高く飛ばされた、アイラさんは鎖を手放した。
「危ない、危ない」
アイラさん。着地が上手いんだよ。
「そこまで! これ以上、やったら、キリが無くなる」
マリンさんが止めに入ったんだよ。
カチュアさんは剣を鞘に収めたんだよ。
「暗殺集団を撒かせたことはある」
アイラさんは手を出した。握手かな?
「これから宜しく」
「こちらこそ~」
互いの手を握るたんだよ。
ジューーー。
アイラさんは直ぐに手を離した。アイラさんの手には、煙が出ていたんだよ。
「だいじょぶ?」
「ああ……」
「ごめんなさい。たぶん、わたしが……」
「いや、平気だ」
手合わせは、終わり、いざっ、出発なんだよ。
ルナちゃんは手を振りながら、あたし達を見送りをしたんだよ。
「気をつけてくださいよ! 特にエドナさんは!」
あたしたちは再び旅立つんだよ。
あれ? あたしの後ろで、カチュアさんとアイラさんが話している。
「一つ聞いてもいいかしら~?」
「何だ?」
「あの手合わせで、あなたは、誰を狙っていたのかしら~?」
「え?」
「手持ち武器の鎖以外。そう、あなたが扱った魔術ね~。明らかに、わたしを狙っていたものではないわ~。……始めは。あなたの攻撃は、途中で軌道が変わっちゃって、わたしを狙いを定めていたわね~」
「……」
「それにあの魔術。明らかに、手合わせでは放つものでは、ないのよ。まるで殺しに掛かるような。そして、その気はわたしに向けられたものでは、ないのよ~」
「……殺すか? 僕を?」
「え? 何でかしら~?」
「いや、聞きたいのは僕だけど」
「今は感じないのよ。誰かを殺したい気を。たぶん、それはあなたの本心ではないのね。とても、苦しんでいるわ~」
「ごめん、今は話せない」
「どーして? 話しだけでも、聞くわ~」
「いきなり、ネタばらしは面白くない。旅は長いんだ。その間にちょっと、ずつネタばらしをしていくさ」
「そーいうものなの~?」
「……そうだな」
「分かったわ~。話したい時に話してね~」
「分かった。ありがとう」
少しだけだけど、二人の会話は聞き取れないんだよ。
でも、これだけは分かるんだよ。楽しい会話では、ないことなんだよ。そんな気がするんだよ。
「どうしてこうなったんでしょうか?」
「でも、戦いに巻き込まれた時は、背中を任せる相手のことは知らないと、安心しませんですわ」
カチュアさん達を見守るあたし達。
カチュアさんと、アイラさんが互いに向き合う。まさに、決闘なんだよ。
「アイラさんって、確か『鳥籠』と言われていたのを聞いたことがあります」
「それって、二つ名だよね? でも、どういうことなの?」
「さあ。ルナにはわかりません」
「まあ、見ればわかるぜ。そのままだから」
鳥籠って、鳥が入る籠のことだよね? きっと、鶏肉が大好きで鳥を捕まえるから、鳥籠って、名づけられたんだよ。
「マリンから、ある程度聞いている。ヴァルキュリア族だっけ? あなたは」
「そーらしいわ~」
「その力、見せてもらうよ」
カチュアさんは、今いる場所から、一歩後ろへ下がったんだよ。
シューン!!
ビックリしたんだよ!
すると、カチュアさんが、数秒前までいた所から、数本の鎖が出現したんだよ。
「あれって、アルヴスさんが、悪いことをした人を縛り付けていたのと、同じなんだよ」
「拘束術。攻撃にも、使えるんです。拘束術は地の魔術の応用。アイラさんの得意魔術は恐らく地ですね」
次々と、カチュアさんのいた足場から、鎖が出現していったんだよ。
「こんなテンポよく魔術って、使えるものですか?」
「アイラさんって、確か、勇能力の持ち主でした。そうなると……無詠唱ですか」
カチュアさんは、いつものこと、なんだ、けれども、まるで何処から、鎖が現れるか、分かっている、じゃないかって、くらい、上手く避けているんだよ。
だけど。
一本の鎖がカチュアに襲いかかってきたんだよ。その鎖は地面から出てきたのではなく、アイラさんが投げ付けた、鎖だったんだよ。だけど、カチュアさんは、問題なく躱したんだよ。
「君は凄いな、この状況で、僕からの、攻撃を躱すなんて」
投げ付けた鎖は、アイラが鎖を持っている方の手を引くと戻っていったんだよ。
「アイラさんから、出された鎖は、魔術ではないようですね」
「アイラの武器も鎖なんだよ」
「拘束系の武器に魔術。……だから、異名は『鳥籠』ですか?」
ルナちゃんが、納得しているみたいなんだけど、あたしには、どういうことなのか、イマイチ、わからないんだよ。
「じゃあ、こんなのはどうだ?」
地面からまた、鎖が出現したんだよ。だけど、出てきた鎖はカチュアさんの真下ではなかったんだよ。次々と出てくる鎖はカチュアさんの周りに出現したんだよ。そして、鎖はカチュアさんを閉じ込めたんだよ。真上まで、鎖で塞がり、まるで籠なんだよ。
「この鎖からは、逃れられない」
カチュアさんが、鎖で、できた籠に閉じ込められちゃったんだよ!
地面から、鎖が出てきてカチュアさんは躱すんだよ。だけど、籠からも鎖が出てきて、それもカチュアさんは躱したんだよ。次々と出現する鎖を避け続けるんだよ、カチュアさんは。
「鳥籠の中にいるのに、鎖を全て避けるなんて! これはヴァルキュリアの力か?」
カチュアさんは、躱し続けるんだよ。だけど、このままじゃ、カチュアさんは、力尽きちゃうんだよ。
「このままだと、危ないわ~」
カチュアさんが、ぼそっと、何か言っていたようなんだよ! 気のせいかな?
すると、カチュアさんの全身から、蒼い炎が出てきたんだよ。
「あれが、伝説の女将軍と同じ」
カチュアは走り出し、襲いかかってくる鎖を、剣で薙ぎ払ったんだよ。
そして、一斬り、籠目掛けて斬りつけると、出口が出来て、カチュアは、籠の中から脱出できたんだよ。
籠はカチュアさんが、脱出したと、同時に消えたんだよ。
アイラさんは隙を与えさせなかったんだよ。カチュアさんが脱出したとの同時に鎖を投げつけたんだよ。
カチュアさんは、軽々と躱したんだよ。
「あまい!」
鎖は軌道が変わり、カチュアさんの背後目掛けて戻ってきたんだ。
カチュアさんは、それも避けると。鎖を掴んだんだよ。
そして。
「いくわよ~」
カチュアさんは、力一杯に鎖を引っ張ったんだよ。
「うわ!」
アイラさんは鎖を持っていたため、アイラさんも飛んでいったんだよ。空高く飛ばされた、アイラさんは鎖を手放した。
「危ない、危ない」
アイラさん。着地が上手いんだよ。
「そこまで! これ以上、やったら、キリが無くなる」
マリンさんが止めに入ったんだよ。
カチュアさんは剣を鞘に収めたんだよ。
「暗殺集団を撒かせたことはある」
アイラさんは手を出した。握手かな?
「これから宜しく」
「こちらこそ~」
互いの手を握るたんだよ。
ジューーー。
アイラさんは直ぐに手を離した。アイラさんの手には、煙が出ていたんだよ。
「だいじょぶ?」
「ああ……」
「ごめんなさい。たぶん、わたしが……」
「いや、平気だ」
手合わせは、終わり、いざっ、出発なんだよ。
ルナちゃんは手を振りながら、あたし達を見送りをしたんだよ。
「気をつけてくださいよ! 特にエドナさんは!」
あたしたちは再び旅立つんだよ。
あれ? あたしの後ろで、カチュアさんとアイラさんが話している。
「一つ聞いてもいいかしら~?」
「何だ?」
「あの手合わせで、あなたは、誰を狙っていたのかしら~?」
「え?」
「手持ち武器の鎖以外。そう、あなたが扱った魔術ね~。明らかに、わたしを狙っていたものではないわ~。……始めは。あなたの攻撃は、途中で軌道が変わっちゃって、わたしを狙いを定めていたわね~」
「……」
「それにあの魔術。明らかに、手合わせでは放つものでは、ないのよ。まるで殺しに掛かるような。そして、その気はわたしに向けられたものでは、ないのよ~」
「……殺すか? 僕を?」
「え? 何でかしら~?」
「いや、聞きたいのは僕だけど」
「今は感じないのよ。誰かを殺したい気を。たぶん、それはあなたの本心ではないのね。とても、苦しんでいるわ~」
「ごめん、今は話せない」
「どーして? 話しだけでも、聞くわ~」
「いきなり、ネタばらしは面白くない。旅は長いんだ。その間にちょっと、ずつネタばらしをしていくさ」
「そーいうものなの~?」
「……そうだな」
「分かったわ~。話したい時に話してね~」
「分かった。ありがとう」
少しだけだけど、二人の会話は聞き取れないんだよ。
でも、これだけは分かるんだよ。楽しい会話では、ないことなんだよ。そんな気がするんだよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる