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第十七章 忌まわしき過去
17-4 ナギサイド (場面変更)
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私は、セシルに応援を頼むため、急いで、セシル城へ向かっていっている。ユミルの様な鳥人族が居れば早く行けたんだが、こればかりは仕方がない。
走るだけなら、エドナの方が速いんだけど、なんせ、彼女は肝心な、ところで転ぶから、私しか適任がいなかった。
取り敢えず、急がないと。私は早くセシル城に辿り着くことだけ考えて、とにかく走っていると。
ん? 誰かいる? 私は足を止めた。ブレーキしている間に、二人の人の姿を確認できた。翼らしきものが見当たらないから、鳥人族ではない。つまり、旅人でもしいる人ではない限り、この国の人間でない可能性がある。
私は隠れながら、二人の会話を盗み聞きした。
「本当にあるのかな? 小人族や、妖精族の暮らす、隠れ里というのは?」
「半信半疑だが、可能性はある。セシルは小人族や、妖精族を匿っているらしいんだ」
「我々には、小人族は必要だが、妖精族って、いるのか? 奴らのマナは、貴重だが、我々がメリオダスの研究資料を元に復元した武器、死具には適応できなかったではないか」
「それでも、勢力を増強させたがる、コルネリア貴族は、そのマナを欲しがるはずだ。取引には使えるだろ? それに、我々の目的の一つは、厄災を生み出すこと。それを生み出すには、まずは戦いを引き起こし、多くの者を我々の作り出した武器で魔物化になってもらい、それに更なる力を吸収させること。しかし、戦いを引き起こすには、きっかけを作り出す」
「成程! マナを欲しがる者が妖精族の奪い合いが始まる可能性があるってことか」
「そういうことだ」
改めてみると、以前、セシルで起きた魔物騒動の黒幕と同じフードを被った連中と同じフードを被っているな。あいつらの仲間か?
それにしても、連中は小人族や、妖精族を探しているのか。もしかして、以前の魔物騒動は、連中の言う、小人族や、妖精族の暮らす、隠れ里を探すためなのか? 騒動を起こっているの内に、その隠れ里を探す算段なのか?
「しかし、あの方がいなければ、我々の民は今頃、全滅していたな」
我々の民?
「人体実験をしていた、我々の先祖だろ? 亜種を使って実験をしていたらしいな」
「それが、かつての四英雄のサリナとティアが所属した、解放軍によって、壊滅されたからな」
亜種を使って実験? それに、私とティアが所属した解放軍によって、壊滅された? ……まさか、連中は。
さらに、連中の会話を聞き続けた。
「あの頃、行く当てのなくなった先祖様達は、あの方によって救われた」
「メリオダスの技術を復活できたのは、あの方あってこそ。その技術で、今でも、我々の先祖様も含めて生きていらっしゃる」
「だが、あの技術は完成物とはいえない。なんせ、今生きているのは、我らの神バルンクとその数名だけだからな」
バルンク!? 今バルンクって言わなかった?
「誰だ?」
やばい! 気づかれてしまった。……しょうがない。
私はその二人から姿を出した。
「お前らの祖先はアルタミストの民か?」
私は二人の会話を聞いて、連中の正体に気が付いた。まさか、その子孫が、現代でも、悪行を働いていたなんて。しかも、バルンクと組んでいるみたいだ。
「何で、我々のことを?」
「まあ、ここで始末すれば……」
がぶり!
「ぎゃああああ!!!」
私は右腕を魔物化させた。といっても、本来の魔物化ではなく、封印される前の、私の記憶をもとに、作られた人形の体のため、体の一部を魔物化のように変形が出来る。
その右腕でフードを被った連中の一人の頭をかぶりついた。そして、右腕を後方へ引いたら、フードを被った連中の一人の頭がちぎれてしまう。
魔物化した右腕の口から、その頭が出てきた。
勢いで、かぶりついたら、殺してしまったか。形だけだと思ったら、魔物の体として、ちゃんと、機能はしているのか。
「魔物化!?」
驚いているフードの……声的には、男性か。私の殺したのも、男性だった。
「バルンク。あいつは、生きていたのか?」
フードを被った男に問いただす。しかし。
「聞かれていたなら、ここで始末する!」
一瞬鎌かと思ったがよく見たら違う。槍の先に斧のような刃が付いている。ハルバードとかいう武器か。槍と言うべきか斧と言うべきか分からない武器だ。その武器をどこしまっていたか、分からないが、構えた。
そのハルバートは生き物の死骸で作れたような武器だ。
「さあ、行くぜ」
フードを被った男はハルバードを振り降ろそうとする。
「危ない!」
私は慌てて、後方へ下がった。だって、私がいた目の前には、フードを被った男がハルバードで斬りかかろうとしたから。
ビックリした! 一瞬で私の目の前に現れた。瞬間移動か? それとも、超高速で移動したのか? 分からないけど、こんな奴を、私一人でやるのか?
……やるしかないか。一応、ミラから、水系の魔石を受取ったから、氷系の魔術を扱える。
それを。
ヒューーーーン。
私は氷の魔術で、手の平から氷の風を地面目掛けて吹き出した。氷の風に当たった地がどんどん凍り付いた。
「さあ! いくよ!」
私の靴底には、氷の刃をくっつけていて、それを氷の床に付けて、さらに滑り出した。そうスケートのように。……誰に伝わるんだ?
滑るのが、速過ぎるため、フードを被った男が瞬間移動か超高速移動をしてきても、避けられる。
また、消えた。恐らく、この近くに。
「そこだ!」
シュパーーーン!!!
私は足を後方へ振り回すと、靴底に付いていた氷の刃が、背後を取ったフードを被った男の首を切り落とした。
「やばい! 殺してしまった!」
フードを被った男の首は地面へ落ちて行った。
「生かして、情報を聞き出したかったのに、まあいいか。しかし、バルンク。本当に、あいつが生きていたなら、全てが繋がった。メリオダスの禁書は空の国の者しか読めないと言われている。それが読めるのは……いいや!!」
左右に首を振った。
考え込んでしまったが、今自分がやらなきゃいけないことを思い出す。
「考えるのは後だ!」
私は再び、セシル城目掛け走り出した。
しかし、いくら敵でも、殺してまったのに、罪悪感を全く感じらない。私の人情は、魔物化する際に、薄れてしまったかもしれない。
走るだけなら、エドナの方が速いんだけど、なんせ、彼女は肝心な、ところで転ぶから、私しか適任がいなかった。
取り敢えず、急がないと。私は早くセシル城に辿り着くことだけ考えて、とにかく走っていると。
ん? 誰かいる? 私は足を止めた。ブレーキしている間に、二人の人の姿を確認できた。翼らしきものが見当たらないから、鳥人族ではない。つまり、旅人でもしいる人ではない限り、この国の人間でない可能性がある。
私は隠れながら、二人の会話を盗み聞きした。
「本当にあるのかな? 小人族や、妖精族の暮らす、隠れ里というのは?」
「半信半疑だが、可能性はある。セシルは小人族や、妖精族を匿っているらしいんだ」
「我々には、小人族は必要だが、妖精族って、いるのか? 奴らのマナは、貴重だが、我々がメリオダスの研究資料を元に復元した武器、死具には適応できなかったではないか」
「それでも、勢力を増強させたがる、コルネリア貴族は、そのマナを欲しがるはずだ。取引には使えるだろ? それに、我々の目的の一つは、厄災を生み出すこと。それを生み出すには、まずは戦いを引き起こし、多くの者を我々の作り出した武器で魔物化になってもらい、それに更なる力を吸収させること。しかし、戦いを引き起こすには、きっかけを作り出す」
「成程! マナを欲しがる者が妖精族の奪い合いが始まる可能性があるってことか」
「そういうことだ」
改めてみると、以前、セシルで起きた魔物騒動の黒幕と同じフードを被った連中と同じフードを被っているな。あいつらの仲間か?
それにしても、連中は小人族や、妖精族を探しているのか。もしかして、以前の魔物騒動は、連中の言う、小人族や、妖精族の暮らす、隠れ里を探すためなのか? 騒動を起こっているの内に、その隠れ里を探す算段なのか?
「しかし、あの方がいなければ、我々の民は今頃、全滅していたな」
我々の民?
「人体実験をしていた、我々の先祖だろ? 亜種を使って実験をしていたらしいな」
「それが、かつての四英雄のサリナとティアが所属した、解放軍によって、壊滅されたからな」
亜種を使って実験? それに、私とティアが所属した解放軍によって、壊滅された? ……まさか、連中は。
さらに、連中の会話を聞き続けた。
「あの頃、行く当てのなくなった先祖様達は、あの方によって救われた」
「メリオダスの技術を復活できたのは、あの方あってこそ。その技術で、今でも、我々の先祖様も含めて生きていらっしゃる」
「だが、あの技術は完成物とはいえない。なんせ、今生きているのは、我らの神バルンクとその数名だけだからな」
バルンク!? 今バルンクって言わなかった?
「誰だ?」
やばい! 気づかれてしまった。……しょうがない。
私はその二人から姿を出した。
「お前らの祖先はアルタミストの民か?」
私は二人の会話を聞いて、連中の正体に気が付いた。まさか、その子孫が、現代でも、悪行を働いていたなんて。しかも、バルンクと組んでいるみたいだ。
「何で、我々のことを?」
「まあ、ここで始末すれば……」
がぶり!
「ぎゃああああ!!!」
私は右腕を魔物化させた。といっても、本来の魔物化ではなく、封印される前の、私の記憶をもとに、作られた人形の体のため、体の一部を魔物化のように変形が出来る。
その右腕でフードを被った連中の一人の頭をかぶりついた。そして、右腕を後方へ引いたら、フードを被った連中の一人の頭がちぎれてしまう。
魔物化した右腕の口から、その頭が出てきた。
勢いで、かぶりついたら、殺してしまったか。形だけだと思ったら、魔物の体として、ちゃんと、機能はしているのか。
「魔物化!?」
驚いているフードの……声的には、男性か。私の殺したのも、男性だった。
「バルンク。あいつは、生きていたのか?」
フードを被った男に問いただす。しかし。
「聞かれていたなら、ここで始末する!」
一瞬鎌かと思ったがよく見たら違う。槍の先に斧のような刃が付いている。ハルバードとかいう武器か。槍と言うべきか斧と言うべきか分からない武器だ。その武器をどこしまっていたか、分からないが、構えた。
そのハルバートは生き物の死骸で作れたような武器だ。
「さあ、行くぜ」
フードを被った男はハルバードを振り降ろそうとする。
「危ない!」
私は慌てて、後方へ下がった。だって、私がいた目の前には、フードを被った男がハルバードで斬りかかろうとしたから。
ビックリした! 一瞬で私の目の前に現れた。瞬間移動か? それとも、超高速で移動したのか? 分からないけど、こんな奴を、私一人でやるのか?
……やるしかないか。一応、ミラから、水系の魔石を受取ったから、氷系の魔術を扱える。
それを。
ヒューーーーン。
私は氷の魔術で、手の平から氷の風を地面目掛けて吹き出した。氷の風に当たった地がどんどん凍り付いた。
「さあ! いくよ!」
私の靴底には、氷の刃をくっつけていて、それを氷の床に付けて、さらに滑り出した。そうスケートのように。……誰に伝わるんだ?
滑るのが、速過ぎるため、フードを被った男が瞬間移動か超高速移動をしてきても、避けられる。
また、消えた。恐らく、この近くに。
「そこだ!」
シュパーーーン!!!
私は足を後方へ振り回すと、靴底に付いていた氷の刃が、背後を取ったフードを被った男の首を切り落とした。
「やばい! 殺してしまった!」
フードを被った男の首は地面へ落ちて行った。
「生かして、情報を聞き出したかったのに、まあいいか。しかし、バルンク。本当に、あいつが生きていたなら、全てが繋がった。メリオダスの禁書は空の国の者しか読めないと言われている。それが読めるのは……いいや!!」
左右に首を振った。
考え込んでしまったが、今自分がやらなきゃいけないことを思い出す。
「考えるのは後だ!」
私は再び、セシル城目掛け走り出した。
しかし、いくら敵でも、殺してまったのに、罪悪感を全く感じらない。私の人情は、魔物化する際に、薄れてしまったかもしれない。
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