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第十七章 忌まわしき過去
17-5 エドナサイド
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あたし達は急いで、セシル城へ全力で走っているんだよ。
一方、コルネリア軍は国境付近で待機しているんだよ。と思ったら、コルネリア軍が持ってきた、大きな籠が開くと、そこから、鳥さんが出てきて、あたし達のいる方角へ飛んできたんだよ。
「あれは鳥かしら~」
「あの大きさと形状は魔物ですね」
「でも、いつも、魔物を使っては、食べられているわよね? 何で使うのかしら~?」
そうなんだよ。思い出しただけでも、悍ましいんだよ。あたしは、よくカチュアさんに目を隠されて、魔物を使う人達が魔物に食べられる光景は見ていないんだけど、「くちゃくちゃ」と食べる音が聞こえて来るから、それを聞いたら、体の震えが止まらないんだよ。
「リスクを抱えていても、アドバンテージが取れるからです」
「そんのものかしら~?」
「カチュアには理解できないよな? それでも、現に、今こちらへ向かっているのは、魔物だけじゃないかな?」
「確かに、あーしが見える範囲では、コルネリア兵は、待機しているしー」
ルナちゃんとギルティさんの言う通りなんだよ! セシルの国境に入ってきたのは鳥の魔物だけなんだよ。
「鳥系の危険種だと、嘴や鉤爪で攻撃してくるイメージだけど、大きさを見る限り魔物だろうね。となると、魔術を使ってくる可能性はある。何の魔物だ? あれは?」
「見たことないですね。でも、確かに、魔物なら、魔術の類は使ってくるはずです。早めに倒した方がよろしいのでは? いくら、エドナさんが速く走れても、飛ぶスピードには勝てませんよ」
「あそこまで、飛んで行くにしろ、一応オレは水系の魔術の応用で、空を渡ることはできるんだけど……」
「はわわ~。アニーさん、空を飛べるんですね」
「飛ぶんじゃなくって、渡るね。でも、数が多いな。これでは、単独で向かっても、返り討ちにされる。やっぱり、遠距離攻撃しかないか……」
「それなら~。エドナちゃん。あれを出して」
「あれですね!」
勢いよく返事したんだよ。だけど。
「あれって、何でしたっけ? カチュアさん?」
「も~。エドナちゃんたら~。あれって言ったらあれよ~。……」
カチュアさんが黙り込んじゃったんだよ。どうしたのかな?
「……あれって、何だっけ?」
「おーい、デカいお乳を持ったお二人さん」
ロゼッタさんが怖い顔をしながら、低い声であたしとカチュアさんを呼んだんだよ。
「あなた方の脳みそは、その大きなお乳に流れ込んじゃったんですか?」
「はうう。これは勝手に大きくなったんだよ」
最近、あたしの胸のことを話題にすることが多い気がするんだよ。
「もしかして、ミラさんが作ってくれた、矢ですか?」
あたし達と怖い顔をしているロゼッタさんの間にルナちゃんが入ってきたんだよ。
「……そーだわ~。思い出したわ~。それよ~」
「あぁ! あれですね! 分かったんだよ!」
あたしは矢を入れている筒から矢を取り出したんだよ。だけど、いつも使っている矢とは違うんだよ。
「何だが、矢の先が剣見たいだな。そして、先には鎖が繋がっている」
「セシルに向かう前に、ミラちゃんに作ってもらったんだよ!」
「何に使うんだ?」
「それは、いつもの様に、射抜くんだよ!」
あたしは早速、その矢を飛んでいる鳥の魔物に、目掛けて放ったんだよ。
グッサ!!
鳥の魔物の命中したんだよ。矢は鳥の魔物の体を刺さったんだよ。
「カチュアさん! お願いします!」
「分かったわ~」
カチュアさんは矢に繋がっていた鎖を掴んだ瞬間。掴んでいた鎖から蒼い炎を出てきて鎖を伝って、鳥の魔物へ向かって言っているんだよ。
ボオオオオオオ!!!
蒼い炎に、燃やされた鳥の魔物の体が、崩れて行ったんだよ。
「成程! カチュアの蒼い炎は、物にも纏うことができるけど、それは、彼女が対象物を接触している間のみ。だから、持ち手に鎖を付けて、放ったのか」
「あの鎖は、ああ見えて、軽いんですよ。だからエドナさんでも、持てるんですよ」
「でも、これ攻撃対象が一体だけだよね? まさか、一体ずつ、奴わけ?」
「こうするのよ~」
カチュアさんは、鎖を回し始めたんだよ!
回していくと、どんどんと、飛んでいる鳥の魔物達を巻き込んできたんだよ。
巻き込んだ鳥の魔物達から、蒼い炎が出てきたんだよ!
「そ~れ~」
カチュアさんが鎖を振り下ろすと、鳥の魔物達は、一斉に落下していったんだよ。
「何とか、全員倒したッスね」
「でも、また追撃が来るかもしれません。急ぎましょう!」
一方、コルネリア軍は国境付近で待機しているんだよ。と思ったら、コルネリア軍が持ってきた、大きな籠が開くと、そこから、鳥さんが出てきて、あたし達のいる方角へ飛んできたんだよ。
「あれは鳥かしら~」
「あの大きさと形状は魔物ですね」
「でも、いつも、魔物を使っては、食べられているわよね? 何で使うのかしら~?」
そうなんだよ。思い出しただけでも、悍ましいんだよ。あたしは、よくカチュアさんに目を隠されて、魔物を使う人達が魔物に食べられる光景は見ていないんだけど、「くちゃくちゃ」と食べる音が聞こえて来るから、それを聞いたら、体の震えが止まらないんだよ。
「リスクを抱えていても、アドバンテージが取れるからです」
「そんのものかしら~?」
「カチュアには理解できないよな? それでも、現に、今こちらへ向かっているのは、魔物だけじゃないかな?」
「確かに、あーしが見える範囲では、コルネリア兵は、待機しているしー」
ルナちゃんとギルティさんの言う通りなんだよ! セシルの国境に入ってきたのは鳥の魔物だけなんだよ。
「鳥系の危険種だと、嘴や鉤爪で攻撃してくるイメージだけど、大きさを見る限り魔物だろうね。となると、魔術を使ってくる可能性はある。何の魔物だ? あれは?」
「見たことないですね。でも、確かに、魔物なら、魔術の類は使ってくるはずです。早めに倒した方がよろしいのでは? いくら、エドナさんが速く走れても、飛ぶスピードには勝てませんよ」
「あそこまで、飛んで行くにしろ、一応オレは水系の魔術の応用で、空を渡ることはできるんだけど……」
「はわわ~。アニーさん、空を飛べるんですね」
「飛ぶんじゃなくって、渡るね。でも、数が多いな。これでは、単独で向かっても、返り討ちにされる。やっぱり、遠距離攻撃しかないか……」
「それなら~。エドナちゃん。あれを出して」
「あれですね!」
勢いよく返事したんだよ。だけど。
「あれって、何でしたっけ? カチュアさん?」
「も~。エドナちゃんたら~。あれって言ったらあれよ~。……」
カチュアさんが黙り込んじゃったんだよ。どうしたのかな?
「……あれって、何だっけ?」
「おーい、デカいお乳を持ったお二人さん」
ロゼッタさんが怖い顔をしながら、低い声であたしとカチュアさんを呼んだんだよ。
「あなた方の脳みそは、その大きなお乳に流れ込んじゃったんですか?」
「はうう。これは勝手に大きくなったんだよ」
最近、あたしの胸のことを話題にすることが多い気がするんだよ。
「もしかして、ミラさんが作ってくれた、矢ですか?」
あたし達と怖い顔をしているロゼッタさんの間にルナちゃんが入ってきたんだよ。
「……そーだわ~。思い出したわ~。それよ~」
「あぁ! あれですね! 分かったんだよ!」
あたしは矢を入れている筒から矢を取り出したんだよ。だけど、いつも使っている矢とは違うんだよ。
「何だが、矢の先が剣見たいだな。そして、先には鎖が繋がっている」
「セシルに向かう前に、ミラちゃんに作ってもらったんだよ!」
「何に使うんだ?」
「それは、いつもの様に、射抜くんだよ!」
あたしは早速、その矢を飛んでいる鳥の魔物に、目掛けて放ったんだよ。
グッサ!!
鳥の魔物の命中したんだよ。矢は鳥の魔物の体を刺さったんだよ。
「カチュアさん! お願いします!」
「分かったわ~」
カチュアさんは矢に繋がっていた鎖を掴んだ瞬間。掴んでいた鎖から蒼い炎を出てきて鎖を伝って、鳥の魔物へ向かって言っているんだよ。
ボオオオオオオ!!!
蒼い炎に、燃やされた鳥の魔物の体が、崩れて行ったんだよ。
「成程! カチュアの蒼い炎は、物にも纏うことができるけど、それは、彼女が対象物を接触している間のみ。だから、持ち手に鎖を付けて、放ったのか」
「あの鎖は、ああ見えて、軽いんですよ。だからエドナさんでも、持てるんですよ」
「でも、これ攻撃対象が一体だけだよね? まさか、一体ずつ、奴わけ?」
「こうするのよ~」
カチュアさんは、鎖を回し始めたんだよ!
回していくと、どんどんと、飛んでいる鳥の魔物達を巻き込んできたんだよ。
巻き込んだ鳥の魔物達から、蒼い炎が出てきたんだよ!
「そ~れ~」
カチュアさんが鎖を振り下ろすと、鳥の魔物達は、一斉に落下していったんだよ。
「何とか、全員倒したッスね」
「でも、また追撃が来るかもしれません。急ぎましょう!」
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