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第二十章 悪女の素顔
20ー5 ユミルサイド
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今回、わたくしと、カチュアさん、エドナさん、マリンさん、アイラさん、ロゼッタさん、リリカさんで、ネールが待機していると思われている、砦へ向かうことになりましたわ。
わたくしの付き人のソフィアさんは、同盟軍の総大将のお父様の代わりに、セシル軍の大将として、セシル軍を指揮していますわ。だから、今は一緒に行動はしていないのです。
エドナさんは、医療部隊の皆さまから、毒から身を守る、術を教えてもらっいました。
出陣の準備を終えたわたくし達は、早速、出発しました。
しかし。
「敵も味方もお構いなしじゃないか!」
戦場の様子を見たら、コルネリア軍の方々が倒れているのが見えましたわ。そのコルネリア兵の体にも、同盟軍の方々と同じ症状が発生していましたわ。
「やはり、ネールはゲス皇帝側についたわけではないのか」
「でも、やることめちゃくちゃじゃないか! 命令違反の常習犯って、聞いたけど度を超えているよ! 明らかに、世界滅亡させにいっているだろ!?」
「気を付けて~。魔物が来たわ~」
カチュアさんが、鞘から剣を抜きましたわ。
「はうう! 大きな蜘蛛さん、なんだよ!」
「あー。やべぇなー」
わたくし達に目の前に、大きな蜘蛛が三体も現れましたわ。帝国軍は魔物を戦場に送り込んで戦わせていましたから、魔物がいてもおかしくありません。
その蜘蛛に近くに、檻見たいな馬車が転倒していましたわ。恐らく、あの中に、大きな、蜘蛛は入れられていて、何かの拍子で、馬車が転倒したら、門が壊れて脱走してのですね。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!! むしーーー!!! こっち、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アイラさんが悲鳴をあげましたわ。
「何で、この人、悲鳴あげているの?」
「ああ、リリカは知らなかったか。すまねぇ。アイラは虫系がダメなんだ」
「一番便りありそうなのに。誰しも、弱点があるものね。ちなみに、わたしは家事スキルは殆ど持っていないわよ。料理とか整理整頓とか……」
「聞いてない、聞いてない」
「それよりも、こっちへ向かってきますわ」
徐々に、蜘蛛の魔物。確かあれはサクラングモという名前でしたわ。襲ってくるなら。倒さないといけませんわ。だけど、あの魔物は斬撃してはいけないと言われていますわ。確か、その理由は……。
「村長さんが言っていたんだけど、蜘蛛さんって、毒を持っている種類もいるって聞くんだよ。あれも、毒を持っているのかな?」
「そーね~、エドナちゃん。あの蜘蛛さんから、危険な香りがするわ~」
「チーお姉ちゃん、その危険な香りが毒よ。あの蜘蛛は大きさ的に魔物ね。あの蜘蛛の魔物には、毒を持っている。毒の種類によっては戦いにくい相手よ」
「テメェーらが先走らないでよかったよ。カチュア、あいつらに斬撃攻撃をしてはいけないぜ。あいつら、確か、サクラングモっていって、足の部分がとても、切れやすくなっているんだ。だけど、切れた足は、矢の飛んで行くんだ。しかも、サクラング
モには、毒をもっているんだ」
そうでしたわ。魔物の体は頑丈で、上級魔物であれば、あのカチュアさんのバカ力でさえ受け止められてしまいますわ。だけど、サクラングモの装甲は、硬いですが、足が取れすくなっています。その理由は、先ほど、マリンさんが言った通り、取れた瞬間に、物凄い速さで、離れた足が飛んで行くんです。
「はうう。じゃあ、どうすんですか?」
わたくしはパッと、その対処方法を思い出しましたわ。
「確か、魔術に滅法、弱かったはずですわ。ただ、殺傷で攻撃する類の魔術でなく、火の魔術などで、体ごと燃やすんです」
「世は斬らなければいいんだ」
「はうう。それじゃあ、あたしの風の魔術じゃダメってことなんですね」
「エドナの風の魔術は斬撃と殆ど変わらないから、危険だ。逆に、妾の闇の魔術なら有効だ。それと、カチュアの蒼い炎だ。世は斬らなければいいんだ」
「それなら~。わたしが、彼らの攻撃を受け止めるから、その間に、マリンちゃん達は魔術で援護をお願いするわ~」
「なるべく、足を斬り落とすなよ。いや、確か、胴体も斬っちゃいけなかったはずだから、気を付けろよ」
「分かったわ~」
「私も前に出るよ」
「私も」
カチュアさん、サリナさん、ロゼッタさんで、サクラングモを引き付けていますわ。
カチュアさんとロゼッタさんは、なるべく、サクラングモの体を斬り付けないように、それぞれ、大剣、槍で、サクラングモの攻撃を受け止めていますわ。サリナさんは、魔術で構成した武器を使って、応戦していますわ。
その間に、わたくしも、魔術の詠唱を済ませないとですわ。
「エドナ。あんたの風の魔術は、確か、壁を作る魔術があったはずだよね?」
「確かに、使えるんだよ。でも……」
「彼女達を信用していないことはないですが、万一の時は、自分の身を守る者、己の力の身。いつでも、自分を守れる手段を用意した方がいいよ」
「分かったんだよ」
アイラさん。先ほどまで、悲鳴を上げていたのに、落ち着きましたわね。でも、足が震えていますわ。やはり、虫が苦手なのですね。
「準備は整えたぜ」
「わたくしもです」
「行くぜ、闇を!」「凍てつけ、氷を!」
わたくし達の魔術の詠唱が終えたら、サクラングモを引き付けたカチュアさん達は素早く、その場を離れていきましたわ。
カチーーーン!!!
わたくしの氷系の魔術で、サクラングモ三体同時に凍らせましたわ。
ボーーーーーーー!!!
続けて、マリンさんの、黒炎が、サクラングモ達に襲い掛かりましたわ。この黒炎は、一見、火の魔術に見えますが、火ではなく、闇魔術に分類されるためでしょうか、わたくしの氷の魔術に接触しても、解けていないのです。
サクラングモ達は、黒炎に触れたら、苦しみながらもがいていました。闇の魔術は精神攻撃の関係上、このように、呼吸が出来なくなる程、苦しみを味わってしまうのです。惨いのです。でも、普通の火でも、火傷をしたりと、痛みを与える点と、他者を傷つけることには変わりはないのです。
そして、やがて、サクラングモ達は、ピクリとも動かなくなりました。
どうやら、倒すことができたようですわ。
「ふう。何とか、倒したな」
「休みたいところだけど、ここは、危険だ。さっさと、この場から離れよう」
休む暇もなく、わたくし達は再度出発しましたわ。
しかし、わたくしは、魔物のことは、あまり詳しくありませんが、サクラングモだけは知っていました。他にも危険な魔物が沢山いる中で、このサクラングモの攻撃方法は有名の話なんです。さらに、その対処方法も。
わたくしの付き人のソフィアさんは、同盟軍の総大将のお父様の代わりに、セシル軍の大将として、セシル軍を指揮していますわ。だから、今は一緒に行動はしていないのです。
エドナさんは、医療部隊の皆さまから、毒から身を守る、術を教えてもらっいました。
出陣の準備を終えたわたくし達は、早速、出発しました。
しかし。
「敵も味方もお構いなしじゃないか!」
戦場の様子を見たら、コルネリア軍の方々が倒れているのが見えましたわ。そのコルネリア兵の体にも、同盟軍の方々と同じ症状が発生していましたわ。
「やはり、ネールはゲス皇帝側についたわけではないのか」
「でも、やることめちゃくちゃじゃないか! 命令違反の常習犯って、聞いたけど度を超えているよ! 明らかに、世界滅亡させにいっているだろ!?」
「気を付けて~。魔物が来たわ~」
カチュアさんが、鞘から剣を抜きましたわ。
「はうう! 大きな蜘蛛さん、なんだよ!」
「あー。やべぇなー」
わたくし達に目の前に、大きな蜘蛛が三体も現れましたわ。帝国軍は魔物を戦場に送り込んで戦わせていましたから、魔物がいてもおかしくありません。
その蜘蛛に近くに、檻見たいな馬車が転倒していましたわ。恐らく、あの中に、大きな、蜘蛛は入れられていて、何かの拍子で、馬車が転倒したら、門が壊れて脱走してのですね。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!! むしーーー!!! こっち、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アイラさんが悲鳴をあげましたわ。
「何で、この人、悲鳴あげているの?」
「ああ、リリカは知らなかったか。すまねぇ。アイラは虫系がダメなんだ」
「一番便りありそうなのに。誰しも、弱点があるものね。ちなみに、わたしは家事スキルは殆ど持っていないわよ。料理とか整理整頓とか……」
「聞いてない、聞いてない」
「それよりも、こっちへ向かってきますわ」
徐々に、蜘蛛の魔物。確かあれはサクラングモという名前でしたわ。襲ってくるなら。倒さないといけませんわ。だけど、あの魔物は斬撃してはいけないと言われていますわ。確か、その理由は……。
「村長さんが言っていたんだけど、蜘蛛さんって、毒を持っている種類もいるって聞くんだよ。あれも、毒を持っているのかな?」
「そーね~、エドナちゃん。あの蜘蛛さんから、危険な香りがするわ~」
「チーお姉ちゃん、その危険な香りが毒よ。あの蜘蛛は大きさ的に魔物ね。あの蜘蛛の魔物には、毒を持っている。毒の種類によっては戦いにくい相手よ」
「テメェーらが先走らないでよかったよ。カチュア、あいつらに斬撃攻撃をしてはいけないぜ。あいつら、確か、サクラングモっていって、足の部分がとても、切れやすくなっているんだ。だけど、切れた足は、矢の飛んで行くんだ。しかも、サクラング
モには、毒をもっているんだ」
そうでしたわ。魔物の体は頑丈で、上級魔物であれば、あのカチュアさんのバカ力でさえ受け止められてしまいますわ。だけど、サクラングモの装甲は、硬いですが、足が取れすくなっています。その理由は、先ほど、マリンさんが言った通り、取れた瞬間に、物凄い速さで、離れた足が飛んで行くんです。
「はうう。じゃあ、どうすんですか?」
わたくしはパッと、その対処方法を思い出しましたわ。
「確か、魔術に滅法、弱かったはずですわ。ただ、殺傷で攻撃する類の魔術でなく、火の魔術などで、体ごと燃やすんです」
「世は斬らなければいいんだ」
「はうう。それじゃあ、あたしの風の魔術じゃダメってことなんですね」
「エドナの風の魔術は斬撃と殆ど変わらないから、危険だ。逆に、妾の闇の魔術なら有効だ。それと、カチュアの蒼い炎だ。世は斬らなければいいんだ」
「それなら~。わたしが、彼らの攻撃を受け止めるから、その間に、マリンちゃん達は魔術で援護をお願いするわ~」
「なるべく、足を斬り落とすなよ。いや、確か、胴体も斬っちゃいけなかったはずだから、気を付けろよ」
「分かったわ~」
「私も前に出るよ」
「私も」
カチュアさん、サリナさん、ロゼッタさんで、サクラングモを引き付けていますわ。
カチュアさんとロゼッタさんは、なるべく、サクラングモの体を斬り付けないように、それぞれ、大剣、槍で、サクラングモの攻撃を受け止めていますわ。サリナさんは、魔術で構成した武器を使って、応戦していますわ。
その間に、わたくしも、魔術の詠唱を済ませないとですわ。
「エドナ。あんたの風の魔術は、確か、壁を作る魔術があったはずだよね?」
「確かに、使えるんだよ。でも……」
「彼女達を信用していないことはないですが、万一の時は、自分の身を守る者、己の力の身。いつでも、自分を守れる手段を用意した方がいいよ」
「分かったんだよ」
アイラさん。先ほどまで、悲鳴を上げていたのに、落ち着きましたわね。でも、足が震えていますわ。やはり、虫が苦手なのですね。
「準備は整えたぜ」
「わたくしもです」
「行くぜ、闇を!」「凍てつけ、氷を!」
わたくし達の魔術の詠唱が終えたら、サクラングモを引き付けたカチュアさん達は素早く、その場を離れていきましたわ。
カチーーーン!!!
わたくしの氷系の魔術で、サクラングモ三体同時に凍らせましたわ。
ボーーーーーーー!!!
続けて、マリンさんの、黒炎が、サクラングモ達に襲い掛かりましたわ。この黒炎は、一見、火の魔術に見えますが、火ではなく、闇魔術に分類されるためでしょうか、わたくしの氷の魔術に接触しても、解けていないのです。
サクラングモ達は、黒炎に触れたら、苦しみながらもがいていました。闇の魔術は精神攻撃の関係上、このように、呼吸が出来なくなる程、苦しみを味わってしまうのです。惨いのです。でも、普通の火でも、火傷をしたりと、痛みを与える点と、他者を傷つけることには変わりはないのです。
そして、やがて、サクラングモ達は、ピクリとも動かなくなりました。
どうやら、倒すことができたようですわ。
「ふう。何とか、倒したな」
「休みたいところだけど、ここは、危険だ。さっさと、この場から離れよう」
休む暇もなく、わたくし達は再度出発しましたわ。
しかし、わたくしは、魔物のことは、あまり詳しくありませんが、サクラングモだけは知っていました。他にも危険な魔物が沢山いる中で、このサクラングモの攻撃方法は有名の話なんです。さらに、その対処方法も。
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