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屋敷にて会議1
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屋敷に着くと、屋敷全体を王家の紋章の旗と、ガルマン侯爵家とヴェルディ公爵家の騎士団がこれでもか、と厳重に取り囲み、なんだか訳の分からない状態になっていた。
屋敷の門をくぐると、うわぁ、と目を覆いたくなる程の王家の紋章が入った馬車とガルマン侯爵家の家紋が入った馬車と、ヴェルディ公爵家の馬車と、ぎっしりと詰め込まれていた。
どんだけ王宮から荷物と、人を運んでいるのよ。
その上、なんだか派手にガルマン侯爵家の旗を掲げているのを見て、物凄く、
あぁぁぁぁぁ、
と深いため息と、逃げたい心境にかられた。
屋敷の中は当然大騒ぎだった。
玄関ホールからまたまた、色んな騎士団が仁王立ちし、私達を見つけた瞬間、ザザっ、と一斉に頭を下げる音と、服の摺れる音がして、自分の屋敷ではないようだった。
近くにいた召使いを捕まえて、カッフィーを呼んできと頼んだ。
カッフィーが来るまでホールにいたんだけど、騎士の方々は少しして頭をあげたけれど、逆に凄いガン見されて冷や汗がでてきた。
「お嬢様」
カッフィーのいつもの冷静な声と顔が見えてほっとした。
「お帰りなさいませ。ご主人様が執務室でお待ちですのでご案内致します」
にっこりと笑いながら、案内してくれるカッフィーの背中がとても頼もしく見えた。
「ありがとう」
「いえいえ、どこぞで勝手に種を巻きちらしたのか」
ほっとしたの一瞬。いつもの馬鹿にした声が耳に入った。
そうね、あなたはそういう人ね。
「撒いたのは私じゃないわ」
「そうでしょうか?種から芽を出しておきながら、その芽を汗だくで摘まれるご主人様を見ながら、ご本人は後から悠々とやってくるとは、本当に流石お嬢様でございます」
「私だって急いで帰ってきたけど色々あったのよ。それに、私だって芽を摘む努力はしているわ。あと、撒いたのは私じゃなくて公爵子息よ」
「ともかくその芽が、これだけ、大きく賑やかにさせて下ってありがとうございます」
ぴたっ、と足を急にとめる、満面の笑みで振り向いてきた。
怖っ!!
「な、何よ、私のせいじゃないわ!私だって巻き込まれてるんだよ」
「ええ、そうでございましょう。ご自分から本気で種を撒いた、と言われましたらつまみ出されますからね。元々、お嬢様のような肝の小さい方に出来るわけありせん」
大きく頷き、にこやかな声と共にまた背を向け歩き出した。
「わかってるならその言い方やめてよ」
「ですが、元々の根源はお嬢様でございます。あれだけご主人様が舞踏会の参加を辞めるべきだと進めているのにも関わらず、参加した結果がこれでございます。その上、誰かも分からずダンスを踊った相手が公爵子息、とはお嬢様は貴族令嬢の端くれにもなりませんよ。端くれでも知っている、ヴェルディ公爵子息、でございますよ。その上、ヴェルディ公爵子息に粗相をするなど、本来、しっかりとしていればそのようなみっともない行動をする筈がございません。領地の事を考えるのは良い事ですが、何とかの1つ覚え、のようにそれ以外のことに関して疎いからこのような事になるのです」
ぴたっ、とお父様の執務室の前でとまると、またまた、にっこり微笑みながら振り向いた。
帰す言葉がない、とはこの事だ。
「奥様は、ご夕食、客人の対応に、同じくイアン様、アルニーニ様も奥様の補助として忙殺しております。自業自得はご自分だけにお願い致します。お嬢様はご主人が浅く広く、表立って動く事を嫌っている、と理解頂いている思っておりましたが、そうではなかったのですね。とても残念な気持ちになりましたよ。そううそう、王子とヴェルディ公爵子息もお待ちでございますよ」
棘のある威圧ある微笑みで、扉を叩いた。
ひくり、と私の頬が上がった。
「2人とももう来ているの!?」
「誰だ?」
お父様の声だ。
「スティール様をお連れ致しました」
「入ってくれ」
公爵子息の声だ。
「これ以上の種は結構ですよ」
扉をゆっくりと開けながらカッフィーが小さい声ながらも、本気で嫌がっていた。
私だって種撒きたくないよぉ。
屋敷の門をくぐると、うわぁ、と目を覆いたくなる程の王家の紋章が入った馬車とガルマン侯爵家の家紋が入った馬車と、ヴェルディ公爵家の馬車と、ぎっしりと詰め込まれていた。
どんだけ王宮から荷物と、人を運んでいるのよ。
その上、なんだか派手にガルマン侯爵家の旗を掲げているのを見て、物凄く、
あぁぁぁぁぁ、
と深いため息と、逃げたい心境にかられた。
屋敷の中は当然大騒ぎだった。
玄関ホールからまたまた、色んな騎士団が仁王立ちし、私達を見つけた瞬間、ザザっ、と一斉に頭を下げる音と、服の摺れる音がして、自分の屋敷ではないようだった。
近くにいた召使いを捕まえて、カッフィーを呼んできと頼んだ。
カッフィーが来るまでホールにいたんだけど、騎士の方々は少しして頭をあげたけれど、逆に凄いガン見されて冷や汗がでてきた。
「お嬢様」
カッフィーのいつもの冷静な声と顔が見えてほっとした。
「お帰りなさいませ。ご主人様が執務室でお待ちですのでご案内致します」
にっこりと笑いながら、案内してくれるカッフィーの背中がとても頼もしく見えた。
「ありがとう」
「いえいえ、どこぞで勝手に種を巻きちらしたのか」
ほっとしたの一瞬。いつもの馬鹿にした声が耳に入った。
そうね、あなたはそういう人ね。
「撒いたのは私じゃないわ」
「そうでしょうか?種から芽を出しておきながら、その芽を汗だくで摘まれるご主人様を見ながら、ご本人は後から悠々とやってくるとは、本当に流石お嬢様でございます」
「私だって急いで帰ってきたけど色々あったのよ。それに、私だって芽を摘む努力はしているわ。あと、撒いたのは私じゃなくて公爵子息よ」
「ともかくその芽が、これだけ、大きく賑やかにさせて下ってありがとうございます」
ぴたっ、と足を急にとめる、満面の笑みで振り向いてきた。
怖っ!!
「な、何よ、私のせいじゃないわ!私だって巻き込まれてるんだよ」
「ええ、そうでございましょう。ご自分から本気で種を撒いた、と言われましたらつまみ出されますからね。元々、お嬢様のような肝の小さい方に出来るわけありせん」
大きく頷き、にこやかな声と共にまた背を向け歩き出した。
「わかってるならその言い方やめてよ」
「ですが、元々の根源はお嬢様でございます。あれだけご主人様が舞踏会の参加を辞めるべきだと進めているのにも関わらず、参加した結果がこれでございます。その上、誰かも分からずダンスを踊った相手が公爵子息、とはお嬢様は貴族令嬢の端くれにもなりませんよ。端くれでも知っている、ヴェルディ公爵子息、でございますよ。その上、ヴェルディ公爵子息に粗相をするなど、本来、しっかりとしていればそのようなみっともない行動をする筈がございません。領地の事を考えるのは良い事ですが、何とかの1つ覚え、のようにそれ以外のことに関して疎いからこのような事になるのです」
ぴたっ、とお父様の執務室の前でとまると、またまた、にっこり微笑みながら振り向いた。
帰す言葉がない、とはこの事だ。
「奥様は、ご夕食、客人の対応に、同じくイアン様、アルニーニ様も奥様の補助として忙殺しております。自業自得はご自分だけにお願い致します。お嬢様はご主人が浅く広く、表立って動く事を嫌っている、と理解頂いている思っておりましたが、そうではなかったのですね。とても残念な気持ちになりましたよ。そううそう、王子とヴェルディ公爵子息もお待ちでございますよ」
棘のある威圧ある微笑みで、扉を叩いた。
ひくり、と私の頬が上がった。
「2人とももう来ているの!?」
「誰だ?」
お父様の声だ。
「スティール様をお連れ致しました」
「入ってくれ」
公爵子息の声だ。
「これ以上の種は結構ですよ」
扉をゆっくりと開けながらカッフィーが小さい声ながらも、本気で嫌がっていた。
私だって種撒きたくないよぉ。
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