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本編
464 反撃開始だけど……ただの蹂躙になりそう
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召喚魔法陣からズモッと巨大なワシタカくんの顔面が出現する。
そして、ひと鳴き。
「──ギュアアアアアアアアアアアアアアアア!」
キーン、と今だに響いていた音による攻撃。
これまず一瞬でかき消えた。
「──!?」
一気に攻めようとしていた盗賊たちの動きが止まる。
そこへ、さらに全身まで姿を現したワシタカくんがひと羽ばたき。
ブワッ!
突風が巻き起こって、森の奥から放たれていた矢を落としてくれた。
どうやら、守ってくれた様である。
「ギュアッ!」
さらにもうひと羽ばたき。
今度は、森の木々が風圧にやられてバキバキバキとへし折れた。
相変わらずとんでもないな。
最近移動とかばっかりで登用していたけど、やはり空の王である。
「ギュアッ!」
「うむ、任せた」
ワシタカくんはロイ様と一言喋ったあと、ポチを頭に乗せて上空へ向かった。
「なんて言ってたの?」
「空は1分でケリをつけて来るであります……って言ってたし」
「なるほど……」
ワシタカくんは言葉通り。
上空を旋回していたワイバーンライダーを次々蹴散らしていく。
相手がワイバーンライダーだったら、こっちはロック鳥ライダー。
どっちが格上かと言われたら、そりゃポチとワシタカくんだ。
ワイバーンよりも倍の体格と機動力を持つロック鳥。
その上に、遠距離攻撃に絶対的な信頼のあるコボルト。
ワイバーンライダーは「こんな奴にぐぬぬ!」って思ってそうだ。
「さて、地上波我らが任されよう──王室諸君、反撃である」
『承諾』
ロイ様から再出現し、なんとも威風堂々とした面持ちのキングス。
キングさんの様な猟奇的な笑顔感はまだ薄い。
だが、なんとも底が知れない威圧感はばっちりだった。
顔でかいしな、スライムキング種って。
「ワシタカが空を1分でケリをつけると言うのならば、我らは30秒だ」
『諾領』
「見せつけてやれ、王家の威信を。植え付けてやれ、権威の恐怖を!」
『委細承知!』
ロイ様に鼓舞されたキングスたちは、一気に分裂した。
キングさんがミニキング軍勢になった時と同じ様に。
分裂して、小さいサイズのスライム軍勢と化して、ズドドドと森へ切り込んでいく。
「うおおお……なんかすげぇ……」
「王の中の王に、皆図鑑の中で鍛えられたからな、今こそ発揮である」
「そ、そうなんだ」
キングさんより教えられた戦術らしい。
ロイ様は語る。
「クリティカル発動率はグループメンバーとサモンモンスターに有効。全ての攻撃が確立で2倍のダメージ量になるのならば、手数が多い方が有利。多ければ、多いほど、期待値は高まるだろう?」
「そうだね」
それを加味した上での、新たなる秘技と言えた。
キング種を召喚できるスライムロイヤルならではの戦術。
なんとも、得るべくして得たって特殊能力に思えた。
まったく。
図鑑の中、マジでどうなってんだ……?
すげぇ気になるんだけど……?
「ねえ、近場にジャードはいないの?」
イグニールが尋ねると、ロイ様が答える。
「うむ」
「だったら私もスキル使っちゃうわね?」
詠唱したイグニールの杖から巨大な火球が出現した。
太陽みたいなその火球は、月に変わってこの場を明るく照らす。
「すごーい! イグニール! それ、火柱と違うし?」
「うん、すげぇ……なにそれ新しいスキル?」
「ううん、ただの火球よ」
驚く俺とジュノーの言葉に、首を横に振るイグニール。
どうやら火属性魔法スキルの一番弱くて手頃な奴だそうだ。
「っていうか、昼間の火柱も、そこまで強いスキルじゃないわね」
「……まじか」
なにそれ怖い。
杖の魔力が尋常じゃなく。
さらにレベルアップとともに属性強化の値も上昇。
おかげで普通に魔法スキルがとんでもない威力になっているそうだ。
つまり、これは大火球ではない、ただの火球だ、みたいな状況。
「明かりの代わりにもなるでしょ?」
「う、うん……」
明かりの代わりというか、普通に太陽だよな。
「──ぎゃあああ! アチい、アチい!?」
「──な、なんだこのスライム!? ぐわっ!?」
「──ど、どうなってんだ! たかがAランクパーティーだろ!?」
空をゆっくり移動する火球は、盗賊たち熱する。
相当な熱量を持っているのか、当たってないのに熱がってダメージを受けていた。
「ちなみに、ぶつかったら爆発するんだっけ、あれ?」
「うん。するわよ」
「あ、危なくない? 大丈夫?」
「コフリータがいれば、勝手に動かしてくれるし爆発の衝撃も方向性持つから平気」
「そ、そうなんだ?」
「あと、イフリータを呼び出してたら、あれが勝手に周りにいる敵焼いてくれるわよ」
「お、おおう」
なにそれ怖い。
怖い!
「しかも、消費魔力は弱い火球と同じだから……割とコスパよくいっぱい作れるのよね」
ボボボボボボッ。
上空に巨大な火球が10個以上生成された。
それが大群となって盗賊たちに向かっていく。
「──うわああああああああ!?」
「──火球がたくさん来るぞ! 備えろ!」
阿鼻叫喚だ。
「うわぁ……これはひどい……」
「まさか形見の杖がここまで強くなるなんて、私も驚いてる。トウジ、ありがとね?」
「いや、良いよ。ちなみにステータスとかって、どうなってる?」
一応イグニールにも全ステ%で揃えてはいないまでも、装備はINT%をかなりつけてあげている。
俺よりも絶対強くなるだろうってことで、特に聞いてこなかったが……この威力は気になるところだった。
「他は微妙だけど、INTは……6万くらいね?」
「ろっ──!?」
「私もともとINTはかなり多かったの。それがトウジの装備でエゲツない強化されてるから」
俺なんか全ステータス1万そこそこだってのに……。
やっぱりこの世界の人は強いな。
そして、ひと鳴き。
「──ギュアアアアアアアアアアアアアアアア!」
キーン、と今だに響いていた音による攻撃。
これまず一瞬でかき消えた。
「──!?」
一気に攻めようとしていた盗賊たちの動きが止まる。
そこへ、さらに全身まで姿を現したワシタカくんがひと羽ばたき。
ブワッ!
突風が巻き起こって、森の奥から放たれていた矢を落としてくれた。
どうやら、守ってくれた様である。
「ギュアッ!」
さらにもうひと羽ばたき。
今度は、森の木々が風圧にやられてバキバキバキとへし折れた。
相変わらずとんでもないな。
最近移動とかばっかりで登用していたけど、やはり空の王である。
「ギュアッ!」
「うむ、任せた」
ワシタカくんはロイ様と一言喋ったあと、ポチを頭に乗せて上空へ向かった。
「なんて言ってたの?」
「空は1分でケリをつけて来るであります……って言ってたし」
「なるほど……」
ワシタカくんは言葉通り。
上空を旋回していたワイバーンライダーを次々蹴散らしていく。
相手がワイバーンライダーだったら、こっちはロック鳥ライダー。
どっちが格上かと言われたら、そりゃポチとワシタカくんだ。
ワイバーンよりも倍の体格と機動力を持つロック鳥。
その上に、遠距離攻撃に絶対的な信頼のあるコボルト。
ワイバーンライダーは「こんな奴にぐぬぬ!」って思ってそうだ。
「さて、地上波我らが任されよう──王室諸君、反撃である」
『承諾』
ロイ様から再出現し、なんとも威風堂々とした面持ちのキングス。
キングさんの様な猟奇的な笑顔感はまだ薄い。
だが、なんとも底が知れない威圧感はばっちりだった。
顔でかいしな、スライムキング種って。
「ワシタカが空を1分でケリをつけると言うのならば、我らは30秒だ」
『諾領』
「見せつけてやれ、王家の威信を。植え付けてやれ、権威の恐怖を!」
『委細承知!』
ロイ様に鼓舞されたキングスたちは、一気に分裂した。
キングさんがミニキング軍勢になった時と同じ様に。
分裂して、小さいサイズのスライム軍勢と化して、ズドドドと森へ切り込んでいく。
「うおおお……なんかすげぇ……」
「王の中の王に、皆図鑑の中で鍛えられたからな、今こそ発揮である」
「そ、そうなんだ」
キングさんより教えられた戦術らしい。
ロイ様は語る。
「クリティカル発動率はグループメンバーとサモンモンスターに有効。全ての攻撃が確立で2倍のダメージ量になるのならば、手数が多い方が有利。多ければ、多いほど、期待値は高まるだろう?」
「そうだね」
それを加味した上での、新たなる秘技と言えた。
キング種を召喚できるスライムロイヤルならではの戦術。
なんとも、得るべくして得たって特殊能力に思えた。
まったく。
図鑑の中、マジでどうなってんだ……?
すげぇ気になるんだけど……?
「ねえ、近場にジャードはいないの?」
イグニールが尋ねると、ロイ様が答える。
「うむ」
「だったら私もスキル使っちゃうわね?」
詠唱したイグニールの杖から巨大な火球が出現した。
太陽みたいなその火球は、月に変わってこの場を明るく照らす。
「すごーい! イグニール! それ、火柱と違うし?」
「うん、すげぇ……なにそれ新しいスキル?」
「ううん、ただの火球よ」
驚く俺とジュノーの言葉に、首を横に振るイグニール。
どうやら火属性魔法スキルの一番弱くて手頃な奴だそうだ。
「っていうか、昼間の火柱も、そこまで強いスキルじゃないわね」
「……まじか」
なにそれ怖い。
杖の魔力が尋常じゃなく。
さらにレベルアップとともに属性強化の値も上昇。
おかげで普通に魔法スキルがとんでもない威力になっているそうだ。
つまり、これは大火球ではない、ただの火球だ、みたいな状況。
「明かりの代わりにもなるでしょ?」
「う、うん……」
明かりの代わりというか、普通に太陽だよな。
「──ぎゃあああ! アチい、アチい!?」
「──な、なんだこのスライム!? ぐわっ!?」
「──ど、どうなってんだ! たかがAランクパーティーだろ!?」
空をゆっくり移動する火球は、盗賊たち熱する。
相当な熱量を持っているのか、当たってないのに熱がってダメージを受けていた。
「ちなみに、ぶつかったら爆発するんだっけ、あれ?」
「うん。するわよ」
「あ、危なくない? 大丈夫?」
「コフリータがいれば、勝手に動かしてくれるし爆発の衝撃も方向性持つから平気」
「そ、そうなんだ?」
「あと、イフリータを呼び出してたら、あれが勝手に周りにいる敵焼いてくれるわよ」
「お、おおう」
なにそれ怖い。
怖い!
「しかも、消費魔力は弱い火球と同じだから……割とコスパよくいっぱい作れるのよね」
ボボボボボボッ。
上空に巨大な火球が10個以上生成された。
それが大群となって盗賊たちに向かっていく。
「──うわああああああああ!?」
「──火球がたくさん来るぞ! 備えろ!」
阿鼻叫喚だ。
「うわぁ……これはひどい……」
「まさか形見の杖がここまで強くなるなんて、私も驚いてる。トウジ、ありがとね?」
「いや、良いよ。ちなみにステータスとかって、どうなってる?」
一応イグニールにも全ステ%で揃えてはいないまでも、装備はINT%をかなりつけてあげている。
俺よりも絶対強くなるだろうってことで、特に聞いてこなかったが……この威力は気になるところだった。
「他は微妙だけど、INTは……6万くらいね?」
「ろっ──!?」
「私もともとINTはかなり多かったの。それがトウジの装備でエゲツない強化されてるから」
俺なんか全ステータス1万そこそこだってのに……。
やっぱりこの世界の人は強いな。
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