装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

文字の大きさ
261 / 650
本編

562 海の支配者(笑)


 今の俺の大きさは、小人の秘薬のペナルティで17メートル。
 そしてステータス1万越えがクイック全力で海面を駆け抜ける。

『ほう、やはり冒険者、貴様も中々強そうじゃないか』

「うっせー! いいから津波止めろー!」

 もはや敬語は使わない。
 くそ、これ24時間続くんだぞ、どーすんだよ!
 このまま24時間帰れないとか……遊べねぇ。

 エルカリノ倒したら、再び海で水着鑑賞とか。
 ポチと一緒に日向ぼっことか。
 コレクトと一緒にリゾート探検とか。

 あとおっさんに言われていた極彩マンボウの買い付けとか。
 色々とやることあんだぞ、ちくしょー!
 せっかく学院以来で忘れていた青春を堪能できると思ったのに。
 お前のせいで、お前のせいで!

 三十路のおっさんの、心の底からの怒りである。
 とても三十路とは思えない、とかそう言うツッコミは無しでよろしく。
 よろしく頼むぞー!

「くそがー! ああああああああー!」

 悔やまれるが、このくらいの大きさにならなければ津波には飲まれる。
 ペナルティを受けたくないが、どうしようもないから、仕方なかった。

 ──ズオオオオオオオオ!

 ちょ、津波思った以上に大きいんですけど。
 こんな高さだなんて聞いてないんですけど。

「おおおおおお!?」

 目の前に存在する高波。
 その大きさに驚いていると、キングさんの声がする。

「主よ、その靴を履いている限り、のまれることはない!」

「は、はい! うおおおおおおおお!」

 キングさんの言葉で我に返って、俺は波の中に飛び込んだ。
 そしてすぐに浮上して上に立つ。
 これぞ本当の波乗りだな。

「ワルプ! 全力で海流操作! マジで全力で!」

「──ォォォォオオオオオオオオオオオオオ!!」

 俺の声に合わせて、ワルプも全力で波を消しにかかる。
 しかし、ゴゴゴゴゴと揺れ続ける衝撃の発生地点。
 ポセイドンめ、マジでどうしてくれるんだ。

「発生源止めろって!」

『ハァ? なんで貴様の言うことを聞かねばならん、止めてみろ』

 こいつ!!

『陸がどうなろうと我は海に生きるから知ったこっちゃないわ!』

 てめー!!

 誰彼構わず喧嘩を売るなんて、ぶっちゃけ傍迷惑なやつだと思っていた。
 それでもシーモンクがいい人っぽい雰囲気だから何も言わなかったのだ。
 返せよ俺の気持ち。
 つーか、シーモンクどこだよ、お前も焚きつけた本人だから責任とれよ。

「……ちーん」

 シーモンクはすでに高波に飲まれて無残に海に浮いていた。
 死んではいないと思うけど、これぞ因果応報だな。
 口は災いの元だってことを身を以て知った方がいい。
 あ、すでに海賊に捕まってるのにこの状況だから、意味ないか。

「フン、自分の技すら制御できんとは、雑魚の証明だろう」

『なんだと!?』

 集約された振動攻撃をその身に受け、平然としながらキングさんは言う。

「もう一度行ってやる、貴様の大技はスマートではない。故に雑魚」

「キングさん! もっと言ってやってください!」

「ふむ……? 我は言葉よりも拳で語るタイプだが……?」

「いいから!」

 つーかキングさんはどっちかっていうと拳でも口でも語るタイプだ。
 一撃一撃ごとに説教込めてぶん殴る姿を見ているから、確定である。

「正直言って、我より弱い海の支配者(笑)」

『──!』

「自分の技も制御できない海の支配者(笑)」

『──!!』

「敗北を素直に認められん海の支配者(笑)」

『──!?』

「そのくせ飯は大食らいの海の支配者(笑)」

『──?!』

 矢継ぎ早にキングさんの口から出てくる言葉。
 すごい、口でも完全に無双していた。
 これを受けたポセイドンは、プルプルと震え出す。
 そして額に青筋を浮かばせると、叫んだ。

『貴様たち──今ここで海の藻屑にしてやるぞ!!』

「ふん、ならばやってみよ、海の支配者(笑)」

「そうだそうだ!」

 つーか、とっくに津波で周りがやばいんだよ。
 巨大化した特大ワルプが頑張って抑えているが、そろそろ堪えきれなくなりそうだった。
 近づいて、直接体に触れて、スタンと暗黒を決めたいのだが、ポセイドンを渦巻く海流。

 これによってどうにもならない状況だった。
 そもそもこいつを止めても津波は止まらん。
 キングさんにボコボコにしてもらって、相手を俺は津波を止めないと!

「主よ、我にも秘薬を二つ渡せ、格の違いを見せつける」

「はい!」

 そして一気に巨大化するグレイトキングさん。
 海面にそびえるその姿は、ポセイドンと肩を並べるほどだった。

『ほう、結局主人の力を借りて我と戦うのか? スライムの王め』

「一つ言っておこうポセイドン(笑)」

『貴様、これ以上語尾にかっこ笑とつけるな』

 憤慨するポセイドンを無視して、キングさんは言う。

「我らが従魔は常に主と一つ。足りない部分を補う存在」

 キングさん……。

「我が約束したのは、絶対的で圧倒的な勝利の二文字だ」

『我と張り合う程の強者のくせに、安い言葉を並べるな』

「安いだと……?」

 キングさんはポセイドンにグッと顔を寄せて睨みを効かせると言った。

「──その言葉を知らんうちは、貴様は常に敗者である!」

 そして俺のクイックの効果もあって、一気にポセイドンを殴りつける。
 今まで空気を読んで使わなかったワルプの特殊能力が発動。

『──!?』

 ポセイドンは、ただのサンドバックと化した。

「貴様は自分の友も巻き込んで、何がしたい! それでも支配者か!」

 ドゴンドゴン!
 ほら、やっぱり説教しながらぶん殴ってるよ。
 キングさんは、喋りながらぶん殴る勢だ。
 こっわ。

「驕り高ぶった性根を今! 叩き直してやる! 支配者の矜持を!」

 さすがキングさんだ。
 よくやってくれる。

 しかし……。
 怒りの説教に任せた一撃によって……。

 ゴオオオオオオオオオオ!

 さらにでかい津波ができた。
 ワルプが堪えきれずに流される。

「……顕現せよ邪竜ー」

 俺はたまらず邪竜三兄弟を呼ぶことにした。
 もうどうにでもなれー。
 ではなく、一応これにも意味はあった。
感想 9,840

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。