装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

641 地震? ダンジョン? うわわわわ!

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 ──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 唐突にぐらぐらと地震が巻き起こった。

「うわわわ!」

 グラグラと揺れ動く中、ケープが言う。

「……不味いよ、見つかっちゃったかもしれない」

「見つかった? 誰に?」

「奴にだよ! 奴!」

 だから誰だよ、と思ったのだが、ケープが恐れるのは一人しかいない。
 ケープを打ち負かしたダンジョンのことである。

「だけど、地震とそのダンジョンの関わりってあるもんなのか?」

「僕のことを仕留めにきたのかも……」

 ないない。
 土地柄、ダンジョンが二つも拡大することは不可能だ。
 仮にできたとしてもまだまだ時間がかかる。
 成長は片っぽだけではないので、差が埋まることはないのだ。

 一度敗北した時点で、もうどうにもならないのは確定事項。
 だからこそ、俺は契約の話を持ち込んだのだからね。

「大丈夫だろ、ただの地震だと思うぞ」

 それに、ダンジョンコアの力で地面が揺れ動く。
 そんなことはあるのだろうか?

 八大迷宮にすら張れば、地面ひっくり返す奴もいる。
 しかし、それはあくまで広大なダンジョン内での話。
 一応ここのダンジョンはケープの領域ということで。
 他のダンジョンが干渉して地震を起こすことは不可能なのである。

「でも、もしかしたら……万が一……可能性の範囲内でさあ!」

「大げさだなあ……」

 一度敗北を喫しているので、怯える声を発するケープ。
 すっかり負け癖の様なものがついているようだった。

「まあ、そのダンジョンコアが来たとしでも大丈夫だよ」

 彼を安心させる様に告げる。

「俺は八大迷宮の一つに参ったを言わせるダンジョンのプロだぞ?」

「八大迷宮……えっ本当?」

「うん本当。持久戦なら負けることは無いと思ってくれて良い」

 八大迷宮の無限ガーディアン戦法にも勝利した実績は大きのである。
 もし仮に、近場のダンジョンが大きく拡大してケープのダンジョンを飲み込んでいた場合。
 俺ケープにリソースとなる資源を渡して持ちこたえてもらい、俺はコアを破壊しに行くぞ。

「で、でももし地中に伸びるアレを手に入れてたら……!」

「あんまりそう言うことは口に出して言うもんじゃ無い」

 フラグになってしまうからな。

「どっちにしろ地震はまずいから、さっさとダンジョンから出るぞ」

 地盤が崩壊して、生き埋めになってもこまるのだ。
 一先ずケープのコアは骨にしっかり持ってもらい上を目指す。
 何が起こってるのかわからないが、避難優先なのだ。

 いついかなる時も、避難優先。
 どうにもならない時に噛み付く。
 それがちょうど良いと思う。

 ──ゴゴゴゴゴゴゴゴ。

 その間も、地響きの轟音は洞窟の中に響き渡る。
 恐れるケープに声をかけながら最奥地から出たところで……ゴバッ、と隣の壁が唐突に弾け飛んだ。
 ポチたちを庇うためにとっさに前にである。
 このメンツの中で一番VITが高いのは俺だからだ。

「いだだだだ!」

「トウジ、大丈夫!?」

「うん、一応大丈夫」

 飛び散る瓦礫を小盾で受け止めながら視線を向ける。
 すると、壁に外から何かに貫かれた様な横穴ができていた。

「穴……?」

 なんだと思ってのぞいてみると、横穴の先には大きな空間が広がっていた。

「トウジ、これダンジョンだし」

 俺のフードから一緒に覗き込んだジュノーが言う。

「たぶん、ケープの作った洞窟ダンジョンを丸ごと自分のダンジョン内に収めたと思うし」

「マジか……」

 弱ったケープはまだ階層を作れずに、洞窟をダンジョンと化していた。
 そんな状況でこの横穴の先の大きな空間は不自然すぎる。
 ジュノーの言う通り、ダンジョンだ。
 そしてケープの立てたフラグの通り、仕留めに来たのかもしれない。

「ほ、ほほほ、ほら! やっぱり奴だ! あいつが僕にとどめを刺しに来たんだよ!」

 下に広がる巨大空間には大量のガーディアンが犇いている。
 その様子を見てさらにパニックを起こすケープ。
 なんとも、フラグ回収の早いこと早いこと。

 だが、

「問題ない。だから落ち着け、安心しろケープ」

 ことダンジョンに関しては、俺の目からすれば全部素材資源にしか見えない。
 八大迷宮でもなんでもないダンジョンなんて、ただのボーナスステージだ。







=====
頭痛。
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