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本編
659 はちゃめちゃ遊戯、ダンジョンすごろく・3
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2巡目以降、つつがなくすごろくは進んでいった。
出鼻をくじかれた俺も何とか追加サイコロをゲットし、すぐに使用して追いつく。
全員が草原エリアへと突入し、サイコロを振るっていた。
「リクール、アイテムゲットマス! サイコロを振って奇数が出たら馬ゲット!」
「馬をゲットしたら、どんな利点があるのでしょう?」
「持っていると、あたりマスの多い快速馬ルートを通ることができるぞ」
「サイコロ複数分に近い効果とあたりマスという利点があるんですね」
「そうだ。とりあえず奇数ってことで、馬ゲットだ。馬ルートはここから3マス先だな」
「了解です。とりあえず保有ケテルでお酒を購入してもよろしいですか?」
「嗜好品の酒はひと瓶5000ケテルも使用するが、それでも良いのか?」
「はい、こう言う催し事に、酒は必要不可欠な存在ですので」
リクールは、そのままケテルマスでゲットしたお金を使用して酒を購入していた。
適当な嗜好品は、アイテム商会マスを通らなくても購入することができる。
だが馬鹿目、ここぞと言う時のために取っておかないと、あとでバカを見るのは自分だ。
俺はケテルはしっかりためて、利となるアイテムを購入することに全力を尽くす。
ゲームごとでは負けたくないのだ。
「あー、ええなそれ」
酒を飲んで「ぷはぁ」と肌に若干の赤みを帯始めるリクール。
それを見て、マイヤーも羨ましそうに指を咥える。
「マイヤーも買うか? だが、ケテルは大事に使った方がいいぞ?」
「うちも酒買うわー。リクールが飲んでるのを見るとうちも飲みたなってきたし」
よし、アル中コンビが酒で身を滅ぼす瞬間だ。
ケテルマスで銀貨3枚3000ケテルしかもらえない状況。
1マスちょっと分の5000ケテルを酒で消費するのはアホの極み。
「骨、ケテルマス~」
「あ~、早く誰か罰マスに止まらないですかね~?」
「次はあたしだし!」
とんとんとん、と順番が回ってくる。
まだミニゲームも何もない状況だから、進行のテンポが良い。
「でもその前にジュニア、パンケーキっていくらだし?」
「それも5000ケテルだぞ。すごろくと関係ない嗜好品は一律5000ケテルだ」
「うーん、今9000ケテルあるから……1枚と5分の4枚買える?」
「細かい単位で買えるわけないだろ、バカかよ」
「えー……」
いや、俺もジュニアの言葉に同意なんだけど。
何がどうなって、すべてのケテルをギリギリまでパンケーキに費やそうとしてんだ。
「だったら全部払うから、パンケーキにオプションつけるし」
「いや、そう言うのもやってないから。蜂蜜もホイップも全部一つ5000ケテル単位だからな?」
「ケチ! もう良い、サイコロ回すし!」
頬を膨らませてプリプリと怒るジュノーのサイコロが回転する。
そして止まって6の数字が出現した。
未だ誰も止まっていない『?』と書かれたマスである。
「ん? なんだし、このマ──」
──ブーーーーーーー!
「うひゃ!?」
ジュノーが『?』マスに止まった瞬間、照明が赤く輝きだした。
そしてマスの『?』が『罰』へと変わる。
「ば、罰マスや! ジュノーが初めての罰マス引きよったで!」
「あら、ついてるじゃないのジュノー、一体どんな罰かしら?」
「おおお~! ついに罰マスですぞ~!」
みんなの視線がジュノーへと集中する。
そして映し出す巨大な鏡にジュノーの姿が映し出された。
「え? ええっ! ええええー!?」
唐突に現れた罰マスの対象になってしまい、あたふたするジュノー。
はてさてどんな罰なのか、注目しているとジュニアが拡声器を持って叫ぶ。
「お前が最初の罰者かー。とりあえずその罰マスは俺からの罰だな!」
「な、なんだし……」
ゴクリと喉を飲むジュノー。
「とりあえずそのマスに用意した罰は4つ。サイコロを振ってそれで決めることになるぞ」
ゲームマスターの罰ルーレット
・1……罰回避
・2……2マス戻って1回休み
・3……地獄のくすぐりガーディアン
・4……ガーディアンタイキック
・5……激苦ドリンク一気飲み
・6……激辛シュークリーム一個
「さて、罰はこの四つだ!」
画面に罰が表示される。
「激苦ドリンクと激辛シュークリームはパインが裏で作ってくれてるぞ!」
えっ、パインのおっさん巻き込んでるの?
いつのまに……。
「さあ、サイコロを振るぞ? 良いな、ジュノー?」
「うぐぐぐ、1来い! 1来るし! 最悪2番でも──」
「──4! ガーディアンタイキック!」
「あああああーーーーー!!」
ジュノーのサイズに合わせた小さなガーディアンが、どこからともなく複数体出てきた。
そしてジュノーを拘束すると、シュシュシュとシャドーボクシングしたガーディアンがお尻を蹴り飛ばす。
ベシッ!
「痛ぁーーーーーーっ!!」
「はいお疲れ様。この後も引き続き頑張ってね」
それだけ言って、サイコロが俺の番へと回ってきた。
お尻を抑えて転げ回るジュノー。
「い、痛そうやんな……?」
「対象が小さいから、そこまで痛さは伝わってこないけど……」
その様子を見ていたマイヤーとイグニールの感想にジュニアが答える。
「それぞれのステータスに合わせて痛みを伴う装備を身につけさせてるから、痛いぞ」
「うわぁー、ですぞ……」
その発言に、密かに罰を楽しみにしていた骨も引いていた。
このジュニア、ガチである。ガチの罰である。
……お、恐ろしい。
一応救済措置が準備されているが、それでも恐ろしかった。
「ほらトウジ、早くサイコロを振れよ。俺が勝手にやるぞ?」
「こ、心の準備をさせてくれ!」
俺の先にも『?』マスがいくつか存在する。
可能なことならば、その『?』マスにぶつからないようにしたかった。
だが、非常なことに俺の出た目はちょうど『?』マスへとドンピシャ。
「はーい、お進みくださーい」
「う、あ……」
こ、怖すぎる。
みんなが固唾を飲んで俺の足取りを見守る中、『?』マスが切り替わる。
だが、赤ではなく、今度はピンク色に照明が切り替わった。
「おお?」
「はい、そこはパーティーマス! ある意味でご褒美要素だ!」
「おお!」
ご褒美! やったぜおい!
「今からサイコロで決まった相手とスティックゲームをしてもらうぞ!」
「スティックゲーム?」
「うん、チョコを塗った棒状のスナック菓子を一緒に食べてもらう」
そ、それはまさにポ○キーゲームというやつではないか!?
キタコレ、キタコレ、キタコレー!
「それチューしてしまうことにならへん? 大丈夫なん?」
「まあ、恥ずかしいかもだけど、最悪ギリギリで……」
「少しでもスティックが残ったらお互い1回休みだから、ある意味罰マスでもあるぞ」
やや顔を赤くする女性陣の退路を塞ぐように言うジュニア。
これは、一回休みになりたくなかったら最後までやるっきゃないね。
うん、ゲームとか事故みたいなもんだから、ノーカンだよノーカン。
「さて、サイコロ振ってくださーい」
「よっしゃーーーーー!」
みんなが見守る中、俺はサイコロを転がした。
コロコロ、コロン。
「トウジのお相手はリクール!」
「ぐああああああああああああああああああ!!」
そうだった、突然のキスゲームに胸が高鳴っていて忘れていた。
俺の相手の対象はゲームに参加する全員、つまりリクールもいる。
慈悲はないのか、神様! くそがああ!
=====
できるだけ話数は取らないつもりです。
出鼻をくじかれた俺も何とか追加サイコロをゲットし、すぐに使用して追いつく。
全員が草原エリアへと突入し、サイコロを振るっていた。
「リクール、アイテムゲットマス! サイコロを振って奇数が出たら馬ゲット!」
「馬をゲットしたら、どんな利点があるのでしょう?」
「持っていると、あたりマスの多い快速馬ルートを通ることができるぞ」
「サイコロ複数分に近い効果とあたりマスという利点があるんですね」
「そうだ。とりあえず奇数ってことで、馬ゲットだ。馬ルートはここから3マス先だな」
「了解です。とりあえず保有ケテルでお酒を購入してもよろしいですか?」
「嗜好品の酒はひと瓶5000ケテルも使用するが、それでも良いのか?」
「はい、こう言う催し事に、酒は必要不可欠な存在ですので」
リクールは、そのままケテルマスでゲットしたお金を使用して酒を購入していた。
適当な嗜好品は、アイテム商会マスを通らなくても購入することができる。
だが馬鹿目、ここぞと言う時のために取っておかないと、あとでバカを見るのは自分だ。
俺はケテルはしっかりためて、利となるアイテムを購入することに全力を尽くす。
ゲームごとでは負けたくないのだ。
「あー、ええなそれ」
酒を飲んで「ぷはぁ」と肌に若干の赤みを帯始めるリクール。
それを見て、マイヤーも羨ましそうに指を咥える。
「マイヤーも買うか? だが、ケテルは大事に使った方がいいぞ?」
「うちも酒買うわー。リクールが飲んでるのを見るとうちも飲みたなってきたし」
よし、アル中コンビが酒で身を滅ぼす瞬間だ。
ケテルマスで銀貨3枚3000ケテルしかもらえない状況。
1マスちょっと分の5000ケテルを酒で消費するのはアホの極み。
「骨、ケテルマス~」
「あ~、早く誰か罰マスに止まらないですかね~?」
「次はあたしだし!」
とんとんとん、と順番が回ってくる。
まだミニゲームも何もない状況だから、進行のテンポが良い。
「でもその前にジュニア、パンケーキっていくらだし?」
「それも5000ケテルだぞ。すごろくと関係ない嗜好品は一律5000ケテルだ」
「うーん、今9000ケテルあるから……1枚と5分の4枚買える?」
「細かい単位で買えるわけないだろ、バカかよ」
「えー……」
いや、俺もジュニアの言葉に同意なんだけど。
何がどうなって、すべてのケテルをギリギリまでパンケーキに費やそうとしてんだ。
「だったら全部払うから、パンケーキにオプションつけるし」
「いや、そう言うのもやってないから。蜂蜜もホイップも全部一つ5000ケテル単位だからな?」
「ケチ! もう良い、サイコロ回すし!」
頬を膨らませてプリプリと怒るジュノーのサイコロが回転する。
そして止まって6の数字が出現した。
未だ誰も止まっていない『?』と書かれたマスである。
「ん? なんだし、このマ──」
──ブーーーーーーー!
「うひゃ!?」
ジュノーが『?』マスに止まった瞬間、照明が赤く輝きだした。
そしてマスの『?』が『罰』へと変わる。
「ば、罰マスや! ジュノーが初めての罰マス引きよったで!」
「あら、ついてるじゃないのジュノー、一体どんな罰かしら?」
「おおお~! ついに罰マスですぞ~!」
みんなの視線がジュノーへと集中する。
そして映し出す巨大な鏡にジュノーの姿が映し出された。
「え? ええっ! ええええー!?」
唐突に現れた罰マスの対象になってしまい、あたふたするジュノー。
はてさてどんな罰なのか、注目しているとジュニアが拡声器を持って叫ぶ。
「お前が最初の罰者かー。とりあえずその罰マスは俺からの罰だな!」
「な、なんだし……」
ゴクリと喉を飲むジュノー。
「とりあえずそのマスに用意した罰は4つ。サイコロを振ってそれで決めることになるぞ」
ゲームマスターの罰ルーレット
・1……罰回避
・2……2マス戻って1回休み
・3……地獄のくすぐりガーディアン
・4……ガーディアンタイキック
・5……激苦ドリンク一気飲み
・6……激辛シュークリーム一個
「さて、罰はこの四つだ!」
画面に罰が表示される。
「激苦ドリンクと激辛シュークリームはパインが裏で作ってくれてるぞ!」
えっ、パインのおっさん巻き込んでるの?
いつのまに……。
「さあ、サイコロを振るぞ? 良いな、ジュノー?」
「うぐぐぐ、1来い! 1来るし! 最悪2番でも──」
「──4! ガーディアンタイキック!」
「あああああーーーーー!!」
ジュノーのサイズに合わせた小さなガーディアンが、どこからともなく複数体出てきた。
そしてジュノーを拘束すると、シュシュシュとシャドーボクシングしたガーディアンがお尻を蹴り飛ばす。
ベシッ!
「痛ぁーーーーーーっ!!」
「はいお疲れ様。この後も引き続き頑張ってね」
それだけ言って、サイコロが俺の番へと回ってきた。
お尻を抑えて転げ回るジュノー。
「い、痛そうやんな……?」
「対象が小さいから、そこまで痛さは伝わってこないけど……」
その様子を見ていたマイヤーとイグニールの感想にジュニアが答える。
「それぞれのステータスに合わせて痛みを伴う装備を身につけさせてるから、痛いぞ」
「うわぁー、ですぞ……」
その発言に、密かに罰を楽しみにしていた骨も引いていた。
このジュニア、ガチである。ガチの罰である。
……お、恐ろしい。
一応救済措置が準備されているが、それでも恐ろしかった。
「ほらトウジ、早くサイコロを振れよ。俺が勝手にやるぞ?」
「こ、心の準備をさせてくれ!」
俺の先にも『?』マスがいくつか存在する。
可能なことならば、その『?』マスにぶつからないようにしたかった。
だが、非常なことに俺の出た目はちょうど『?』マスへとドンピシャ。
「はーい、お進みくださーい」
「う、あ……」
こ、怖すぎる。
みんなが固唾を飲んで俺の足取りを見守る中、『?』マスが切り替わる。
だが、赤ではなく、今度はピンク色に照明が切り替わった。
「おお?」
「はい、そこはパーティーマス! ある意味でご褒美要素だ!」
「おお!」
ご褒美! やったぜおい!
「今からサイコロで決まった相手とスティックゲームをしてもらうぞ!」
「スティックゲーム?」
「うん、チョコを塗った棒状のスナック菓子を一緒に食べてもらう」
そ、それはまさにポ○キーゲームというやつではないか!?
キタコレ、キタコレ、キタコレー!
「それチューしてしまうことにならへん? 大丈夫なん?」
「まあ、恥ずかしいかもだけど、最悪ギリギリで……」
「少しでもスティックが残ったらお互い1回休みだから、ある意味罰マスでもあるぞ」
やや顔を赤くする女性陣の退路を塞ぐように言うジュニア。
これは、一回休みになりたくなかったら最後までやるっきゃないね。
うん、ゲームとか事故みたいなもんだから、ノーカンだよノーカン。
「さて、サイコロ振ってくださーい」
「よっしゃーーーーー!」
みんなが見守る中、俺はサイコロを転がした。
コロコロ、コロン。
「トウジのお相手はリクール!」
「ぐああああああああああああああああああ!!」
そうだった、突然のキスゲームに胸が高鳴っていて忘れていた。
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