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匂い
しおりを挟む「お風呂……なんでっ??」
ブラこそ着けてるけれど殆ど裸で、隣に寝ていた人も裸……。(下は未確認)
考えられるのは……、
「月山さん、私に何をしたんですか?」
ゲイでないと分かった以上、酔いつぶれた私に手を出したとしか考えられない。
今更ながら、かけ布団で体を隠して、隣の野獣を睨み付けてみる。
したの?
してないの?
やっぱりしたの?
最後まで?
いや、パンツはいてるから、そこまではきっと……。
それとも、脱がないでエッチとかもある?
したことないから、余計にわかんない。
「……お前、何にも覚えてないのか?」
「はい……」
心で自問自答しながら、疑いの目を向ける私を見て、月山さんはとうとう笑い出した。
「お前、二次会で酔いつぶれたあげくに、ゲロ吐いたんだよ。……俺に向かって」
「ゲ……ロ……?」
嘘でしょ?
でも、言われてみると。
確かに何だか酸っぱい臭いが、自分の髪や、ブラジャーからも漂っているような気がする。
「危ない飲み方してたから、 もしや急性アルコール中毒にでもなったのかと心配して近寄ったら、いきなり ″ ゲェェ! だ。俺まで被害被った」
なんてことだ。
被害者面して、月山さんを疑った。
「す、すみませんでした……」
「皆、冷たいんだよな。あっという間にゲロ吐いたお前からは遠ざかって。俺はこの間、自宅を訪れたから必然的に送り届けることになったんだけど……」
とことん迷惑かけてしまっていた。
「本当にすみません!」
「しまいには、玄関開ける前に汚れた服を脱ぎ出すから、ここまで隠すように運び入れることになってな。とりあえずお前のシャツと、俺のシャツとネクタイ、洗濯機に入れて回しといたから」
「……え、そうなんですか?」
「あぁ。だけど、俺も終わる前に寝てしまって」
洗濯まで。なんてイイ人……。
反して、私、最悪。
でも、ベッドで私を抱き締めるように寝てるから、へんな誤解が起きたんだよ。
もしかして、このひと、淋しい人?
そう思ったら、もう突っ込む事はできなかった。
「私あとやっときますから、月山さん、どうぞシャワー使ってください」
「いや。お前先にシャワー浴びろ」
「だって」
「俺よりお前の方が臭いから、ほら」
「……う」
確かに。すごく、臭い。
月山さんてば、良くこんな私を抱き締めて寝ること出来たな。
ある意味、寛大なのかも。
アラフォー男の優しさを感じながら、朝七時に熱いシャワーを浴びる。
今日が休みで良かった。
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