美獣と眠る

光月海愛(こうつきみあ)

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玩具

キス

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  えーーー?!

「ち、違います!!  」


 なんでそうなるの?

 既に顔が熱くなっていたけれど、


「あんまり時間ないけど 、ここでやっちゃう?」

「だから違うって……!」

 更に体温は上がり、きっと私を捕まえていた金髪男からは、頭からのぼる湯気でも見えていたんじゃないのかと思った。

「皆に見られてするのも、たまにはいいかもな」

 美徳先輩のその一言で、他の仲間が視聴覚室の鍵を閉め始めた。

 う、嘘。

「や、ちょっ……?!」

 熱かった体が一気に冷えていくのを感じた。

 同時に、薄くて、それでいて、口角が上がったセクシーな先輩の唇が近づく。


「……!」

 あっさりと、冷たくて、無味無臭なキスをされてしまった。



 ファーストキスは、確かに好きな人。喜ばしいことのはずなのに、

「お前、もしかして、キスも初めて?  歯、ガッチガッチなんだけど?」

 唇を離した先輩の目からは、私を好き、とか、
気に入ってる、とか、そんな感情は微塵も読み取れなくて……。


「じゃ、ここもガッチガッチか?」

「きゃっ!」

 皆の前で、平気でキスも胸を掴む事もできるこの人が、本当に獣みたいに見えてきて……ーー。



「……ほら、早く、ヨシ反応する言葉言っちゃえよ、じゃなきゃ、公開せっくすになっちまうぞ」

 私を押さえたまま、金髪男が、耳元で囁く。
 その言葉を鵜呑みにしてしまった。

 ほんとうに、あの言葉を言ったら、先輩はドMになるんだろうか?、と。


「なに? 俺が喜ぶ? 何の話だ?」

 セーラー服のスカーフに手をかける美徳先輩の動きをストップさせたくて、とうとう、


「こ、この、ろくでなしっ! 」


 好きな人に向ける言葉とは思えないことを叫んだ。







 







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