14 / 45
14
しおりを挟む
次の日、結良は熱を出し学校を休む事にした
食事もとらず、ベットで寝ている結良は高熱にうなされていた
脳裏に浮かぶのは赤い血。そして向けられる感情
「ふ…っ…」
ギュッと布団を握りしめる
もう嫌だ。何も考えたくない。このまま逃げ出したい。そんな考えばかりが胸に込み上げる
そんな時、玄関からチャイムがなる音がする。結良はビクッとなり、布団に潜りこんだ
何度か鳴ったチャイムの音がなくなり、ホッと息をついた結良
「…結良?」
結良は恐る恐る布団から顔を出す
「…会、長?」
どうしてここに竜元がいるのか。いつの間に部屋に入って来たのか。疑問ばかりで結良は困惑する
「…泣いていたのか?」
竜元は苦し気に顔を歪め、ベットに腰をおろす
「…え?」
竜元は優しく結良の頬に触れ、涙を拭った
「何があった?リビングにあった救急箱と関係があるのか?」
「え…あ、違っ!」
知られたくない!そう思った結良は勢い良く起き上がった
そして竜元の視線は、自然と手当てされた手に向かう
「…誰だ?」
静かに言った竜元。だが、その声は硬く怒りに染まっていた
「誰がやった?心当たりはあるのか?」
「違っ!違う!僕が…じ、自分で!」
結良自身も、向けられた悪意を受け止める事が出来ないのだ。この現実を認めたくなかった結良は強く否定する。自分が誤って怪我をしたのだと
竜元はそんな結良の様子を、悲痛な表情で見つめた
「…結良、」
「違う!違う!」
何度も頭をふり、耳を塞ぐ
「よせ、熱があるんだ、」
「違う…!違う!」
竜元が止めさせようとするが、結良は止めようとはしない
「結良!」
竜元は結良を強く抱き締める。痛い位に強く、強く
「結良、やめるんだ。お前は何も悪くない」
「ぼ、僕は…」
結良の目から、涙が溢れた。止まることなく溢れる涙は、結良の今の心を表すかのように
「俺が悪かった。もう何も言わなくていい」
「あ…あ…っ…」
結良は竜元の背中に腕を回し、何度も何度も強く抱き締めた
「結良…大丈夫だ。俺が側にいるから…」
結良の頭にキスを落とし、竜元は誓いをたてるように言った
食事もとらず、ベットで寝ている結良は高熱にうなされていた
脳裏に浮かぶのは赤い血。そして向けられる感情
「ふ…っ…」
ギュッと布団を握りしめる
もう嫌だ。何も考えたくない。このまま逃げ出したい。そんな考えばかりが胸に込み上げる
そんな時、玄関からチャイムがなる音がする。結良はビクッとなり、布団に潜りこんだ
何度か鳴ったチャイムの音がなくなり、ホッと息をついた結良
「…結良?」
結良は恐る恐る布団から顔を出す
「…会、長?」
どうしてここに竜元がいるのか。いつの間に部屋に入って来たのか。疑問ばかりで結良は困惑する
「…泣いていたのか?」
竜元は苦し気に顔を歪め、ベットに腰をおろす
「…え?」
竜元は優しく結良の頬に触れ、涙を拭った
「何があった?リビングにあった救急箱と関係があるのか?」
「え…あ、違っ!」
知られたくない!そう思った結良は勢い良く起き上がった
そして竜元の視線は、自然と手当てされた手に向かう
「…誰だ?」
静かに言った竜元。だが、その声は硬く怒りに染まっていた
「誰がやった?心当たりはあるのか?」
「違っ!違う!僕が…じ、自分で!」
結良自身も、向けられた悪意を受け止める事が出来ないのだ。この現実を認めたくなかった結良は強く否定する。自分が誤って怪我をしたのだと
竜元はそんな結良の様子を、悲痛な表情で見つめた
「…結良、」
「違う!違う!」
何度も頭をふり、耳を塞ぐ
「よせ、熱があるんだ、」
「違う…!違う!」
竜元が止めさせようとするが、結良は止めようとはしない
「結良!」
竜元は結良を強く抱き締める。痛い位に強く、強く
「結良、やめるんだ。お前は何も悪くない」
「ぼ、僕は…」
結良の目から、涙が溢れた。止まることなく溢れる涙は、結良の今の心を表すかのように
「俺が悪かった。もう何も言わなくていい」
「あ…あ…っ…」
結良は竜元の背中に腕を回し、何度も何度も強く抱き締めた
「結良…大丈夫だ。俺が側にいるから…」
結良の頭にキスを落とし、竜元は誓いをたてるように言った
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1,321
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる