心からの愛してる

松倖 葉

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次の日、結良は熱を出し学校を休む事にした

食事もとらず、ベットで寝ている結良は高熱にうなされていた

脳裏に浮かぶのは赤い血。そして向けられる感情

「ふ…っ…」

ギュッと布団を握りしめる

もう嫌だ。何も考えたくない。このまま逃げ出したい。そんな考えばかりが胸に込み上げる

そんな時、玄関からチャイムがなる音がする。結良はビクッとなり、布団に潜りこんだ

何度か鳴ったチャイムの音がなくなり、ホッと息をついた結良

「…結良?」

結良は恐る恐る布団から顔を出す

「…会、長?」

どうしてここに竜元がいるのか。いつの間に部屋に入って来たのか。疑問ばかりで結良は困惑する

「…泣いていたのか?」

竜元は苦し気に顔を歪め、ベットに腰をおろす

「…え?」

竜元は優しく結良の頬に触れ、涙を拭った

「何があった?リビングにあった救急箱と関係があるのか?」

「え…あ、違っ!」

知られたくない!そう思った結良は勢い良く起き上がった

そして竜元の視線は、自然と手当てされた手に向かう

「…誰だ?」

静かに言った竜元。だが、その声は硬く怒りに染まっていた

「誰がやった?心当たりはあるのか?」

「違っ!違う!僕が…じ、自分で!」

結良自身も、向けられた悪意を受け止める事が出来ないのだ。この現実を認めたくなかった結良は強く否定する。自分が誤って怪我をしたのだと

竜元はそんな結良の様子を、悲痛な表情で見つめた

「…結良、」

「違う!違う!」

何度も頭をふり、耳を塞ぐ

「よせ、熱があるんだ、」

「違う…!違う!」

竜元が止めさせようとするが、結良は止めようとはしない

「結良!」

竜元は結良を強く抱き締める。痛い位に強く、強く

「結良、やめるんだ。お前は何も悪くない」

「ぼ、僕は…」

結良の目から、涙が溢れた。止まることなく溢れる涙は、結良の今の心を表すかのように

「俺が悪かった。もう何も言わなくていい」

「あ…あ…っ…」

結良は竜元の背中に腕を回し、何度も何度も強く抱き締めた

「結良…大丈夫だ。俺が側にいるから…」

結良の頭にキスを落とし、竜元は誓いをたてるように言った
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