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13蛇と卵
しおりを挟むノームと食卓を囲んでいるとロープが落ちていたと思いきや。
「ん?動いているし温かい」
「アンリ…それは」
「あっ、蛇だ。小さくて可愛いな」
「いや、そうじゃなくてだな」
こんな季節に蛇がでてくるなんて珍しいな。
それにしても随分と弱っているな。
前世では普通に蛇もいたから特に気にしない。
蛇が怖くて農家やれるかってのよ。
「おーい、大丈夫か」
「いや、だから」
「そうだ。君もおいでよ」
蛇だから肉食系かな?
ネズミとかがいいのかな?
「あれ?干し肉齧ってる」
「ああ」
「ねぇ君、それ堅いでしょ?」
弱った体に干し肉はいいのかと思いながら私は果物を差し出すと目が光った。
「食べているな」
「うん、丸のみだ」
特に驚いたのは大きめのぶどうを丸飲みした。
驚きはしないけどね。
蛇なら丸飲みできると言うし、実際見て来た。
「カボチャを食べだしなたな」
「へぇ、ベジタリアンなんだ」
鳥や小動物は食べると聞いているけど、野菜も食べるんだ。
やっぱり剣と魔法の世界だから異なるのかな?
「こっちの野菜も食べる?」
「シャー!」
舌を出して頷く。
うんうん、私の言葉を理解するなんてやっぱり野生の動物はかしこいな。
一人納得をしていると背後からポンと肩を叩かれる。
「イチロー?」
何だろう。
気のせいか生暖かい表情で肩を叩かれた気が。
まぁいっか。
私は細かいことは気にしない。
「シャウ!」
「ん?玉子?」
随分と大きな卵だな。
「これくれるの?」
こくんと頷く白蛇君はじっとぶどうを見る。
「交換?」
「シャー!」
よっぽど気に入ったのか。
「じゃあ、バスケットに」
果物ならなんでもいいのかな?
ぶどうを沢山用意してお見舞い用のフルーツ使用にしてみた。
「どうぞ」
「シャー!」
「へ?」
バスケットを差し出すと玉子を渡された。
「くれるの?」
「シャー!」
「わぁ、今日の晩御飯はオムレツだ!」
「いや…それは」
まだ温かいな。
普通の卵よりも大きい。
「ダチョウのみたいだな」
温もりを感じながら卵を抱きしめると白蛇君は器用に背中にバスケットを乗せて背を向ける。
「なんか地面光ってない?」
「ああ、巣に帰るのだろう」
「でもなんか…」
地面に光の線が繋がりまるで螺旋を描くように魔法陣が出来上がる。
そしてちゃぽんと音がして白蛇君は消えてしまった。
「何これ」
「巣に戻ったんだ。彼らは魔物であり、神獣の化身だからな」
「しんじゅう…」
そんなすごいものだったの?
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でも…まさかね?
「それよりもその卵なんだが」
「うん」
「食用じゃないから食べられないぞ。たぶん…」
「え!」
食用じゃないの?
食べられると思ったのに残念だ。
「なら育てて卵を産んでもらおう!」
「魔物でなければな…だが鶏とは限らないぞ」
きっと大きな鶏だろうと思ったが、この卵が後にとんでもないものだったとはまだ気づかなかった。
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