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第一章
35能力
しおりを挟む生徒会の仕事はそれずれ分担されていた。
得意分野が異なるので効率よく動けるように私は意見箱を作った。
他にも部活の予算についてだ。
前世でも感じたが運動部や功績のある部は優遇されていたが、その一方で優遇されている部の部費の使い道がまずい方向に進んでいたのだけど。
「数字が変だし、何に使っているか明確にした方が良くないですか」
「何所ですか?」
「ここです」
提出された書類と報告書を見るとおかしいと思う。
「この店の店長はこんな癖のある字をかかないし…少し滲んでいる。まるで上から書き足したみたいに」
「書き足した?」
「えっと…ちょっと待っててください」
私が持ち込んでいる飲み物を噛みにふりかける。
「レティー!」
「待ってください」
私が持ち歩いている飲み物はハーブていーなのだけど、特別な薬草を使っている。
「字が…」
「やっぱり誰かが上から書いているわ」
前世では炙り出しとかもよくやったんだよね。
だから字を見れば違和感に気づくし、このお店の店長さんとは知り合いだから字の癖にも気づいた。
「これは数字を改ざんしてる」
「なんて事ですの!この私を騙すとは万死に値しますわ」
「落ち着けグレスティア」
怖い怖い!
完璧な令嬢で普段から表情が変わらないのに感情を隠すことなく驚いている。
「しかし、一度見ただけ気づくとは」
「領地では詐欺師も多かったので」
前世の記憶があるからじゃない。
私は領地でお母様とお祖母様に教えられたのだ。
「待ってくれ、君は文字を見ただけで他人の癖を見抜けるのか?例えは正しい筆跡とそれを真似た筆跡を」
「えっ…はい」
ルクシオン様とアンネローゼ様に大量の書類を見せられる。
「この書類を見てくださいますか?」
「はい」
ちゃんと処理をされている書類のようだったけど、おかしい。
特に数字の部分は全て上からか修正している。
「全部だ」
「やはりそうか。最近運動部の金回りがおかしいと思ったが」
「不正ですわ」
ここに置かれている書類の全ては部費の横領だけではない。
「生徒だけの問題ではないな」
「ええ、生徒以外にも関わっています」
その日私達は書類から不正を行った人間を炙り出す事になった。
後から知ったけど、不正を行った生徒は処分を受けた。
そして唆したのは生徒の親だと解り、降格された者や、爵位を奪われる形になった。
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