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閑話5.本当の地獄
乱暴な手つきで扉を開けるレイナードに困りながらも話を聞くべく書類を片付ける。
「何だ、この甘すぎる計画は!」
「兄上」
「私ならもっと地獄を味合わせてやれる」
「やり過ぎると周りから反感を買います」
レイナードはミケルのやり方の甘さを指摘する。
本来ならもっと酷い目に合わせるのが当然なのだが、現在はまだ貴族籍を除籍しているわけではないので下手な行動は控えるべきだと思った。
「私の手で…」
「ええ、その内彼等からここに来ますよ」
「来るのか?」
「正確には強制的にこちらに来る予定です」
自分の手で恨みを晴らしたいと言うレイナードに対してあっさりと言ってのける。
「裁判で貴族籍から除籍されるのは確実。その後馬鹿の親は行く当てもなく借金地獄の末に売り飛ばされるでしょう。その末にここに送られ我らに縋るでしょう」
「何だと?」
「その時に直接手を下させましょう。表向きは慈悲をかけた事にして」
「ミケル…」
実に恐ろしい男だった。
聖者の振りをした極悪非道な悪党であるのだが。
「いいぞ。なんて素晴らしい案だ」
「ありがとうございます」
不機嫌だったレイナードは単純なもので直ぐに機嫌を直したのだった。
「そうか、陰で色々用意していたが…本家の醜聞で兄上とミハイルに迷惑をかけるのはよろしくないな。うんうん」
レイナードの最優先は愛する兄と甥と姪だった。
チェイス一家の事は許せないが確実に仕留め、尚且つ兄の家族に被害が出ないのが一番だった。
「裁判に関しては問題ないでしょう。ですが、直接手を下した馬鹿息子はより苦痛を与えるべきかと」
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「手を?」
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「無礼ですぞ」
「フン!」
まったく困った兄上だ。
セオ兄上が他人と親し気にすると嫉妬するのだからな。
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