徒然草

春秋花壇

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徒然草 第五十七段

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徒然草 第五十七段
原文

人の語り出でたる歌物語の、歌のわろきこそ、本意なけれ。少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ。すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし。

現代語訳

誰かが短歌のことを話し出して、取り上げた短歌がつまらなかったら、白けてしまう。しっかり短歌を読み解ける人ならば、そんな短歌は「良い歌だ」と勘違いして取り上げたりはしない。どんなことででも、よく分かりもしない世界の持論をこねくり回しているのを聞くと、気の毒な気がするし、良い気がしない。

解釈

この段落では、歌やその他の分野における浅学な知識で語る人の愚かさを批判しています。

「歌のわろきこそ、本意なけれ」: 歌そのものが悪いのではなく、語っている人の知識や理解不足が問題であるという意味です。
「少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ」: ある程度その分野の知識があれば、悪い歌だと分かって語り出すことはないという意味です。
「すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし」: よく知らない分野について饒舌に語る人は、聞く側の耳障りになるという意味です。
人生への示唆

この段落は、自分の専門分野以外のことについて軽々しく語るべきではないという教訓として解釈することができます。また、物事を深く理解するためには、継続的な学習と努力が必要であることを示唆しているとも考えられます。

徒然草におけるこの段落の位置づけ

徒然草は、吉田兼好が自身の経験や思索に基づいて書き綴った随筆です。この五十八段は、そのような兼好の思索の一例として位置づけられることができます。

その他

この段落は、現代社会においても依然として通用する教訓であると言えるでしょう。
インターネットの発達により、誰でも容易に情報を発信できるようになった現代においては、この段落の重要性はさらに高まっていると言えるかもしれません。
ご参考になりましたでしょうか?

徒然草について他に何か知りたいことがあれば、遠慮なく聞いてください。

ソース
tsurezuregusa.com/057dan/
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