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11.王太子妃の狂気②
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「どうしたんだ、マリー?何がおかしい」
王太子は妻の異変を感じ労わるように声を掛けてくるが、私の笑い声は止まらない。
「あっはははは!だって王太子様も宰相も重鎮達もおかしなことを言うから、クックック」
「いったい何がおかしいというんだ?」
私は彼らが知らない事実を親切にも教えてあげることにした。別に今までも隠していたわけではない、ただ言う必要もないと思って黙っていただけだ。
「だって子供が生まれる可能性なんて有り得ないのに。ふふふ、私が子を身籠る可能性はないのよ。一年前に強力な避妊薬を服用したせいで、身体がボロボロになりもう子は持てないと診断を受けております。だから子供なんて、ふふふ、どう頑張っても出来ないわ。あっはははは~♪」
私は話しながらも笑いを止めることなんて出来なかった。私の話を聞き、驚愕の表情をする人々に胸がすく思いだった。特に、驚いている王太子と宰相の顔は最高だった。いつも優しい王太子と冷静な宰相、この二人のこんな表情は見たことはない。
「どういうことだ!避妊薬なんてなぜ飲んだ!」
王太子は顔を真っ赤にして、叫ぶように聞いてきた。その声は悲痛そのものだったが、私には彼が何を悲しんでいるのか分からない…。
「私は立派な王太子妃として生きているの。
夫の癒しを邪魔せず、公務を完璧にこなす。
そして早急に夫の癒しを側妃に迎えて世継ぎを誕生させる。王太子様だって、愛していない王太子妃が産んだ子より、愛する側妃が産んだ子のほうが愛せるでしょう?子供は両親に愛されたほうが幸せだもの。だから私は薬を飲んだのよ、ふふふ。
これですべて完璧な王太子妃になれたわ。あはははは♪」
周りは私を見て口々に何か叫んでいるが、何も聞こえない。自分の笑い声しか聞こえないし聞きたくない。
---わ・た・し、完璧でしょう…?
最高の気分だわ、だってみんなが望む王太子妃になれているでしょう?
みんな満足してるわよね、
あっははははは、ふっふふふふふ………。
みんなが笑い続ける私を見ている。
宰相は動揺し『マリアンヌ!』と叫んでいるように聞こえるが、これは現実かしら?だって宰相は王太子妃である私を呼び捨てにしてはいけないはずよ。だから私は宰相に親切に教えてあげた。
「私に父はいないのよ、あはははっ」
王太子は私の両肩を痛いほど強く掴んで『マリーしっかりしてくれ!』と揺さぶってくる。
---肩が痛いわ、やめて欲しい。
いつも私に優しく嘘を吐いているのだから、今日も同じにしてれば良いのに。そうしたら私もいつも通り演じ返してあげる。
「王太子様、今日はどうされたのですか?」
ねえ、立派な王太子妃でしょう?
これをあなた達は望んでいたのよね?
クックック、あははははーー。
私、王太子を幸せにしてあげたわ…きっと。
私は今、最高の気分だ。自分が壊れているのか演じているのかよく分からないけど、このままでいたいのだけは確かだ。
王太子は妻の異変を感じ労わるように声を掛けてくるが、私の笑い声は止まらない。
「あっはははは!だって王太子様も宰相も重鎮達もおかしなことを言うから、クックック」
「いったい何がおかしいというんだ?」
私は彼らが知らない事実を親切にも教えてあげることにした。別に今までも隠していたわけではない、ただ言う必要もないと思って黙っていただけだ。
「だって子供が生まれる可能性なんて有り得ないのに。ふふふ、私が子を身籠る可能性はないのよ。一年前に強力な避妊薬を服用したせいで、身体がボロボロになりもう子は持てないと診断を受けております。だから子供なんて、ふふふ、どう頑張っても出来ないわ。あっはははは~♪」
私は話しながらも笑いを止めることなんて出来なかった。私の話を聞き、驚愕の表情をする人々に胸がすく思いだった。特に、驚いている王太子と宰相の顔は最高だった。いつも優しい王太子と冷静な宰相、この二人のこんな表情は見たことはない。
「どういうことだ!避妊薬なんてなぜ飲んだ!」
王太子は顔を真っ赤にして、叫ぶように聞いてきた。その声は悲痛そのものだったが、私には彼が何を悲しんでいるのか分からない…。
「私は立派な王太子妃として生きているの。
夫の癒しを邪魔せず、公務を完璧にこなす。
そして早急に夫の癒しを側妃に迎えて世継ぎを誕生させる。王太子様だって、愛していない王太子妃が産んだ子より、愛する側妃が産んだ子のほうが愛せるでしょう?子供は両親に愛されたほうが幸せだもの。だから私は薬を飲んだのよ、ふふふ。
これですべて完璧な王太子妃になれたわ。あはははは♪」
周りは私を見て口々に何か叫んでいるが、何も聞こえない。自分の笑い声しか聞こえないし聞きたくない。
---わ・た・し、完璧でしょう…?
最高の気分だわ、だってみんなが望む王太子妃になれているでしょう?
みんな満足してるわよね、
あっははははは、ふっふふふふふ………。
みんなが笑い続ける私を見ている。
宰相は動揺し『マリアンヌ!』と叫んでいるように聞こえるが、これは現実かしら?だって宰相は王太子妃である私を呼び捨てにしてはいけないはずよ。だから私は宰相に親切に教えてあげた。
「私に父はいないのよ、あはははっ」
王太子は私の両肩を痛いほど強く掴んで『マリーしっかりしてくれ!』と揺さぶってくる。
---肩が痛いわ、やめて欲しい。
いつも私に優しく嘘を吐いているのだから、今日も同じにしてれば良いのに。そうしたら私もいつも通り演じ返してあげる。
「王太子様、今日はどうされたのですか?」
ねえ、立派な王太子妃でしょう?
これをあなた達は望んでいたのよね?
クックック、あははははーー。
私、王太子を幸せにしてあげたわ…きっと。
私は今、最高の気分だ。自分が壊れているのか演じているのかよく分からないけど、このままでいたいのだけは確かだ。
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