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いざ行かん!ドラゴンの国へ 3
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ザザーン
ザザーン
私達一行と、他のお客さんたちを乗せた漁船は『アトラント』の国を目指して大海原を進んでいた。
「おえぇぇーっ!」
漁船のあちこちでは多くのお客さん達が甲板に張り巡らされた柵から顔を出して海に向かって吐いている。そのメンバーに乗り物に割と弱いミラージュも加わっているのは言うまでもない。そして一方、ケロリとしているのは私とサミュエル皇子、そしてナージャさんだった。
「はーっ、はーっ、し、死んでしまいそうですわ…」
ミラージュは真っ青な顔で呻きながら言った。
「ま、全く…こんな小型の漁船で海を渡るなんて…あ、ありえませんわ…」
「大丈夫、ミラージュ?」
私はミラージュの背中をさすりながら尋ねる。こういう場合は流石の私もお手上げだ。
「だ、大丈夫…と言いたいところではありますが…げ、限界のようですわ…うぷっ!」
「キャアアアッ!ミラージュッ!」
…自主規制中…
「はーっはーっ」
ある程度スッキリしたのかミラージュは恨めしそうに舵を握りしめて鼻歌を歌っているジャスパーさんを見ると呟いた。
「ま、全く…あの脳筋男め…ちゃんと観光業を成り立たせたいなら、こんな今にも沈みそうなボロ船を使うなと陸に上がったら文句を言ってやるわ…!」
ミラージュは恨めしそうにジャスパーさんを見た。そう言えばサミュエル王子とナージャさんはどうしているのだろう?キョロキョロ辺りを見渡すと2人は甲板の上に転がってスヤスヤと眠っている…うん?眠ってる?いやいや、よく見ると2人も顔が真っ青になって倒れている。大変!船酔いを起こしているのだ。
よく見ると私とジャスパーさん意外、全員船酔いを起こしてぶっ倒れている。
確かにいつの間にか真っすぐ立っていられないほどに船が大きく揺れている。
すると、背後で悲鳴が起こった。振り向くと悲鳴の主は主はジャスパーさんだったのだ。
「うああああっ!なんって事だ!」
「何ですかっ?!一体何があったんです?!」
急いでジャスパーさんの元へ駆けつけた。
「大変だっ!大変だっ!」
ジャスパーさんが頭を抱えてうずくまっている。
「ちょ、ちょっと何してるんですかっ!どうして舵から手を離してるんですか?!」
するとジャスパーさんが恐ろしいことを言った。
「お、俺としたことが…燃料を満タンにしておくのを忘れてしまった!」
「え?えええっ?!ね、燃料切れっ?!」
「それだけじゃないっ!『魔のデルタ地帯』に引きずり込まれてしまった!」
ジャスパーさんは顎が外れるのではないかと思われるくらいの大口を開けて説明する。全く暑苦しいったらありゃしない。
「何なんですか?その『魔のデルタ地帯』って言うのは?」
「ああ、その『魔のデルタ地帯』っていうのはだな…」
ジャスパーさんが言いかけた時、突然船が大きく動き始めた。
「え?!」
驚いて海を見ると何や遠くの方で大きな渦が発生しているのが見えた。
「えっ?!」
そして船はその渦に巻き込まれて、ぐんぐん引き寄せられている。
「そう!これだ!これが『魔のデルタ地帯』なのだーっ!」
背後でジャスパーさんの絶叫が響き渡った―。
ザザーン
私達一行と、他のお客さんたちを乗せた漁船は『アトラント』の国を目指して大海原を進んでいた。
「おえぇぇーっ!」
漁船のあちこちでは多くのお客さん達が甲板に張り巡らされた柵から顔を出して海に向かって吐いている。そのメンバーに乗り物に割と弱いミラージュも加わっているのは言うまでもない。そして一方、ケロリとしているのは私とサミュエル皇子、そしてナージャさんだった。
「はーっ、はーっ、し、死んでしまいそうですわ…」
ミラージュは真っ青な顔で呻きながら言った。
「ま、全く…こんな小型の漁船で海を渡るなんて…あ、ありえませんわ…」
「大丈夫、ミラージュ?」
私はミラージュの背中をさすりながら尋ねる。こういう場合は流石の私もお手上げだ。
「だ、大丈夫…と言いたいところではありますが…げ、限界のようですわ…うぷっ!」
「キャアアアッ!ミラージュッ!」
…自主規制中…
「はーっはーっ」
ある程度スッキリしたのかミラージュは恨めしそうに舵を握りしめて鼻歌を歌っているジャスパーさんを見ると呟いた。
「ま、全く…あの脳筋男め…ちゃんと観光業を成り立たせたいなら、こんな今にも沈みそうなボロ船を使うなと陸に上がったら文句を言ってやるわ…!」
ミラージュは恨めしそうにジャスパーさんを見た。そう言えばサミュエル王子とナージャさんはどうしているのだろう?キョロキョロ辺りを見渡すと2人は甲板の上に転がってスヤスヤと眠っている…うん?眠ってる?いやいや、よく見ると2人も顔が真っ青になって倒れている。大変!船酔いを起こしているのだ。
よく見ると私とジャスパーさん意外、全員船酔いを起こしてぶっ倒れている。
確かにいつの間にか真っすぐ立っていられないほどに船が大きく揺れている。
すると、背後で悲鳴が起こった。振り向くと悲鳴の主は主はジャスパーさんだったのだ。
「うああああっ!なんって事だ!」
「何ですかっ?!一体何があったんです?!」
急いでジャスパーさんの元へ駆けつけた。
「大変だっ!大変だっ!」
ジャスパーさんが頭を抱えてうずくまっている。
「ちょ、ちょっと何してるんですかっ!どうして舵から手を離してるんですか?!」
するとジャスパーさんが恐ろしいことを言った。
「お、俺としたことが…燃料を満タンにしておくのを忘れてしまった!」
「え?えええっ?!ね、燃料切れっ?!」
「それだけじゃないっ!『魔のデルタ地帯』に引きずり込まれてしまった!」
ジャスパーさんは顎が外れるのではないかと思われるくらいの大口を開けて説明する。全く暑苦しいったらありゃしない。
「何なんですか?その『魔のデルタ地帯』って言うのは?」
「ああ、その『魔のデルタ地帯』っていうのはだな…」
ジャスパーさんが言いかけた時、突然船が大きく動き始めた。
「え?!」
驚いて海を見ると何や遠くの方で大きな渦が発生しているのが見えた。
「えっ?!」
そして船はその渦に巻き込まれて、ぐんぐん引き寄せられている。
「そう!これだ!これが『魔のデルタ地帯』なのだーっ!」
背後でジャスパーさんの絶叫が響き渡った―。
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