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第2章 65 リサーチ
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マンションへ戻ると早速彩花が分けてくれたカレーを食べることにした。
テーブルの上にレジ袋を置くと、中からカレーの入ったタッパとご飯が詰められたタッパを取り出した。
「わざわざ御飯までよこすこと無いのにな…」
言いながらも顔の筋肉がつい緩んでしまう。
本当に彩花は素敵な女性だ。
自分だって、生活が大変なのに…少しでも節約をしたいだろうに、他人に惜しみなく分け与えてくれる。
子供の頃、どれだけ彩花が俺に与えてくれた愛情が嬉しかった事か…。
タッパは電子レンジ対応のものだったので、蓋を外すと2つ一緒に温めた。
レンジで温めている間にマンションに備え付けの食器棚からスプーンと大皿を取り出しながら呟いた。
「本当にマンスリーマンションて便利だよな…家電も布団も、食器まで揃ってるんだから…」
ピピピピ…!
やがて電子レンジが止まる音が部屋に鳴り響き、早速温めたタッパをとりだした。
途端に部屋の中にカレーの美味そうな匂いが漂う。
大皿に御飯をよそい、そのわきにカレーを入れると席に付いた。
「美味そうだな…」
彩花の手料理を食べるのは15年ぶりだった。
「彩花…ありがとう。頂きます」
手を合わせて、早速カレーを口に入れる。
「…うん、美味い…」
カレーは恐らく中辛だろう。
ピリッとした辛味の中にたっぷりの野菜、それにチキンが入っている。
「子供の頃に食べさせてもらったカレーはもっと甘かった気がするな…ひょっとして俺の為にわざわざ甘口にしてくれていたのか?」
カレーを口に運びながら、色々な事を考えた。
彩花といつか2人で食事が出来る日が来るのだろうか…恋人同士にはなれるのだろうか‥?
そして気付けばあっという間にカレーを食べ終えていた。
「ご馳走さま」
使い終わった食器を洗い終えた時には20時半になろうとしていた。
「よし、シャワー浴びてくるか」
タンスにしまったスウェットの上下を取り出し、バスルームへ向かった―。
****
「ふ~…気持ちよかった…」
濡れた髪をタオルでぐしゃぐしゃと拭きながらキッチンへ向かうと冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
ビールを持ってベッドルームへ向かうと、ベッドの脇にセンターテーブルが置いてある。
テーブルの上には俺が持ち込んだノートPCが置かれていた。
「…よし、早速調べるか」
センターテーブルの前に座り、缶ビールのプルタブを開けた。
プシュッ!
すると飲み口から冷たい蒸気が出てくる。
早速口に含んで飲むと程よく冷えたビールがのど越しを通り抜けていく。
「美味い‥…」
缶ビールをPCの脇に置くと、俺は検索を開始した。
明日は駅前の繁華街の開店時刻に合わせて家を出よう。
そして彩花が好みそうな商品を買って、タッパと一緒に渡すんだ。
それで、もっと親しくなれるきっかけを作る。
その日は遅くまで若い女性が好みそうなプレゼントのリサーチを続けた――。
テーブルの上にレジ袋を置くと、中からカレーの入ったタッパとご飯が詰められたタッパを取り出した。
「わざわざ御飯までよこすこと無いのにな…」
言いながらも顔の筋肉がつい緩んでしまう。
本当に彩花は素敵な女性だ。
自分だって、生活が大変なのに…少しでも節約をしたいだろうに、他人に惜しみなく分け与えてくれる。
子供の頃、どれだけ彩花が俺に与えてくれた愛情が嬉しかった事か…。
タッパは電子レンジ対応のものだったので、蓋を外すと2つ一緒に温めた。
レンジで温めている間にマンションに備え付けの食器棚からスプーンと大皿を取り出しながら呟いた。
「本当にマンスリーマンションて便利だよな…家電も布団も、食器まで揃ってるんだから…」
ピピピピ…!
やがて電子レンジが止まる音が部屋に鳴り響き、早速温めたタッパをとりだした。
途端に部屋の中にカレーの美味そうな匂いが漂う。
大皿に御飯をよそい、そのわきにカレーを入れると席に付いた。
「美味そうだな…」
彩花の手料理を食べるのは15年ぶりだった。
「彩花…ありがとう。頂きます」
手を合わせて、早速カレーを口に入れる。
「…うん、美味い…」
カレーは恐らく中辛だろう。
ピリッとした辛味の中にたっぷりの野菜、それにチキンが入っている。
「子供の頃に食べさせてもらったカレーはもっと甘かった気がするな…ひょっとして俺の為にわざわざ甘口にしてくれていたのか?」
カレーを口に運びながら、色々な事を考えた。
彩花といつか2人で食事が出来る日が来るのだろうか…恋人同士にはなれるのだろうか‥?
そして気付けばあっという間にカレーを食べ終えていた。
「ご馳走さま」
使い終わった食器を洗い終えた時には20時半になろうとしていた。
「よし、シャワー浴びてくるか」
タンスにしまったスウェットの上下を取り出し、バスルームへ向かった―。
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「ふ~…気持ちよかった…」
濡れた髪をタオルでぐしゃぐしゃと拭きながらキッチンへ向かうと冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
ビールを持ってベッドルームへ向かうと、ベッドの脇にセンターテーブルが置いてある。
テーブルの上には俺が持ち込んだノートPCが置かれていた。
「…よし、早速調べるか」
センターテーブルの前に座り、缶ビールのプルタブを開けた。
プシュッ!
すると飲み口から冷たい蒸気が出てくる。
早速口に含んで飲むと程よく冷えたビールがのど越しを通り抜けていく。
「美味い‥…」
缶ビールをPCの脇に置くと、俺は検索を開始した。
明日は駅前の繁華街の開店時刻に合わせて家を出よう。
そして彩花が好みそうな商品を買って、タッパと一緒に渡すんだ。
それで、もっと親しくなれるきっかけを作る。
その日は遅くまで若い女性が好みそうなプレゼントのリサーチを続けた――。
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