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第2章 76 2人でスーパーへ
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彩花と2人でスーパーへ行き、食材を見てから料理を決めようということになった。
「う~ん…。何がいいかなぁ…?」
彩花はスーパーの品物を見ながら考え込んでいる。
「彩花は何か得意料理はあるのか?」
レジかごを持った俺は彩花に尋ねてみた。
「え?得意料理…?そんな得意料理ってほどのものはないけれども…。私、誰かに料理を習ったことが無いから。全部本で覚えたものばかりなの」
そうだった。彩花は母親の交際相手から虐待を受けて、自分で養護施設に逃げ込んだんだっけ…。
「でも料理の本で覚えたって言うなら、間違いないだろう?何しろ食材は全て黄金比率で書かれているだろうからな」
「アハハハ…何それ?」
彩花は俺の話に笑っている。
何て可愛らしいんだろう。今、こうして2人でいられることが夢のように幸せだ。
世間から見れば、今の俺たちはどんなふうに映っているのだろう?
恋人同士?それとも…夫婦にみられていないだろうか…。
「…さん、ねぇ、拓哉さんってば」
不意に名前を呼ばれていることに気付き、我に返った。
「あ…。ご、ごめん。何かな?」
「え?話、聞いてなかったの?」
「そ、そうなんだ。卓也のことちょっと考えていたから」
咄嗟にごまかした。
まさか俺と彩花の今の姿が世間でどう見られているか考えていたなんて口が裂けても言えるはず無い。
「たっくんか…。うん、そうだね…。本当は私が一緒に暮らしてあげられればいいんだけど…」
まさかの発言に驚いた。
「え?彩花…もしかしてそんなこと考えていたのか?!」
「そうだよ。だって…とても他人事には思えないんだもの。でも私は親戚でも何でも無いし、かといって養子にするにも条件に当てはまらないし…」
どこか彩花は寂しそうだった。
「うん、卓也…。今の話聞いただけで、きっとすごく喜ぶよ」
「そう?でも恥ずかしいし、変な期待持たせちゃったら可愛そうだからたっくんには言わないでおいてね?」
「ああ、分かったよ…」
その後、2人で店内を色々見て回り…今夜のメニューは肉じゃがとアボガドサラダ、味噌汁にご飯と決定した。
****
「古くて狭い部屋だけど……どうぞ上がって?」
レジ袋を下げた俺に玄関から室内に入った彩花が声を掛けてきた。
「あ…う、うん…」
どうしよう、本当に入っても良いのだろうか?子供の頃は迷わず平気で部屋に上がったのに今は互いに大人で、しかも俺は目茶苦茶に彩花を意識している。
あわよくば恋人同士になりたいなんて願望を密かに抱いているのに…彩花は俺を信用していると言っている。
逆に俺のことを男として意識していないんじゃないだろうか?
それはそれで色々問題があるのだが……。
グダグダ悩んでいつまでもあがってこない俺に彩花が首を傾げた。
「どうしたの?拓哉さん」
「い、いや。何でも無いよ。それじゃ…お邪魔します」
そして、俺は15年ぶりに彩花の部屋へ足を踏み入れた――。
「う~ん…。何がいいかなぁ…?」
彩花はスーパーの品物を見ながら考え込んでいる。
「彩花は何か得意料理はあるのか?」
レジかごを持った俺は彩花に尋ねてみた。
「え?得意料理…?そんな得意料理ってほどのものはないけれども…。私、誰かに料理を習ったことが無いから。全部本で覚えたものばかりなの」
そうだった。彩花は母親の交際相手から虐待を受けて、自分で養護施設に逃げ込んだんだっけ…。
「でも料理の本で覚えたって言うなら、間違いないだろう?何しろ食材は全て黄金比率で書かれているだろうからな」
「アハハハ…何それ?」
彩花は俺の話に笑っている。
何て可愛らしいんだろう。今、こうして2人でいられることが夢のように幸せだ。
世間から見れば、今の俺たちはどんなふうに映っているのだろう?
恋人同士?それとも…夫婦にみられていないだろうか…。
「…さん、ねぇ、拓哉さんってば」
不意に名前を呼ばれていることに気付き、我に返った。
「あ…。ご、ごめん。何かな?」
「え?話、聞いてなかったの?」
「そ、そうなんだ。卓也のことちょっと考えていたから」
咄嗟にごまかした。
まさか俺と彩花の今の姿が世間でどう見られているか考えていたなんて口が裂けても言えるはず無い。
「たっくんか…。うん、そうだね…。本当は私が一緒に暮らしてあげられればいいんだけど…」
まさかの発言に驚いた。
「え?彩花…もしかしてそんなこと考えていたのか?!」
「そうだよ。だって…とても他人事には思えないんだもの。でも私は親戚でも何でも無いし、かといって養子にするにも条件に当てはまらないし…」
どこか彩花は寂しそうだった。
「うん、卓也…。今の話聞いただけで、きっとすごく喜ぶよ」
「そう?でも恥ずかしいし、変な期待持たせちゃったら可愛そうだからたっくんには言わないでおいてね?」
「ああ、分かったよ…」
その後、2人で店内を色々見て回り…今夜のメニューは肉じゃがとアボガドサラダ、味噌汁にご飯と決定した。
****
「古くて狭い部屋だけど……どうぞ上がって?」
レジ袋を下げた俺に玄関から室内に入った彩花が声を掛けてきた。
「あ…う、うん…」
どうしよう、本当に入っても良いのだろうか?子供の頃は迷わず平気で部屋に上がったのに今は互いに大人で、しかも俺は目茶苦茶に彩花を意識している。
あわよくば恋人同士になりたいなんて願望を密かに抱いているのに…彩花は俺を信用していると言っている。
逆に俺のことを男として意識していないんじゃないだろうか?
それはそれで色々問題があるのだが……。
グダグダ悩んでいつまでもあがってこない俺に彩花が首を傾げた。
「どうしたの?拓哉さん」
「い、いや。何でも無いよ。それじゃ…お邪魔します」
そして、俺は15年ぶりに彩花の部屋へ足を踏み入れた――。
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