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第7話 作戦会議
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午後3時――
今は自室でティータイムの時間だった。
開け放した窓から清々しいそよ風がレースのカーテンを揺らしている。
「良いですか?ローレンス様。今迄シェリル様とは14年もの間、許婚関係だったわけですよね?」
僕の向かい側の席に座ったトニーがテーブルの上で両手を組みながら尋ねてきた。
「勿論そうだ」
腕組みしながら頷く。
「それで?いつご結婚する予定になっていたのでしたっけ?」
「うん、一応2人が大学を卒業した年に結婚することが決まっている。まぁ、あまり乗り気では無いけどな。だけど親同士が決めたことだから仕方ない」
「成程……それでは3年後には結婚することが決定していたわけですね」
そしてトニーはテーブルの上に乗ったティータイムのチーズクッキーに手を伸ばした。
トニーの奴め……ドサクサに紛れて菓子迄食べるとは……。
しかし、度量の狭い男と思われたくはないのでグッと言葉を飲み込む。
「何故、14年間も許婚の仲だったのに、シェリル様は突然婚約破棄を言い渡したと思いますか?」
「何だって?そんなこと僕が知るはずないだろう?むしろシェリルに説明を求めたい位だ。大体月に2回の顔合わせの日だって、僕達はまともに会話すらしないんだぞ?ただ向い合せに座ってお茶を飲んだり、菓子を食べたりするだけだ。しかもシェリルは飼い犬ばかり相手にしている。仕方ないからこっちは読書して過ごしているんだ」
するとトニーは目を見開いて僕を見た。
「その話……本当ですか?それはあまりに酷すぎます。まるで倦怠期を迎えた夫婦みたいじゃないですか!」
そしてトニーはゴクゴクと紅茶を飲み干した。
「よし!分かりました!」
紅茶のカップをガチャンと乱暴に置くとトニーが大声を上げた。
「何っ?!分かったのかっ?!」
凄い!紅茶を飲んだだけで、シェリルが婚約破棄を告げてきたのか分かったのか?!
「ええ、分かりました。簡単なことですよ。聞き込みをすればいいのです」
「何?聞き込み?」
一体トニーは何を言い出すのだろう?
「そうです、変装してシェリル様のお屋敷で働く人達に尋ねるのです。何か最近変化は無かったかを。もしかすると別に好きな男性が出来た可能性もあるかも知れないじゃないですか」
「何だってっ?シェリルに好きな男がっ?!だとしたら許せんっ!こっちは気を使って個人的に女の子と2人きりでデートすらしたことがないのにか?!な…なんて酷い女なんだっ!」
流石に今の話はいただけない。
シェリルに対する怒りが倍増してしまった。
「落ち着いて下さい、ローレンス様。今のはあくまで可能性の話をしただけですから。まずは身辺調査をするのです。恐らくシェリル様本人に婚約破棄の理由を尋ねても絶対に話してくれそうにありませんからね」
「うん、確かにそうだな。僕に惚れさせる作戦よりもシェリルの弱みを握って、こちらから婚約破棄を告げるほうが確実かもしれない」
シェリルに好きな男がいるなら僕に惚れさせることは不可能だろう。
こうなったらシェリルの弱みを握って、こちらから婚約破棄を告げてやろう!
見ていろよ、シェリル。
この僕に婚約破棄を告げたことを後悔させてやるからな――!
今は自室でティータイムの時間だった。
開け放した窓から清々しいそよ風がレースのカーテンを揺らしている。
「良いですか?ローレンス様。今迄シェリル様とは14年もの間、許婚関係だったわけですよね?」
僕の向かい側の席に座ったトニーがテーブルの上で両手を組みながら尋ねてきた。
「勿論そうだ」
腕組みしながら頷く。
「それで?いつご結婚する予定になっていたのでしたっけ?」
「うん、一応2人が大学を卒業した年に結婚することが決まっている。まぁ、あまり乗り気では無いけどな。だけど親同士が決めたことだから仕方ない」
「成程……それでは3年後には結婚することが決定していたわけですね」
そしてトニーはテーブルの上に乗ったティータイムのチーズクッキーに手を伸ばした。
トニーの奴め……ドサクサに紛れて菓子迄食べるとは……。
しかし、度量の狭い男と思われたくはないのでグッと言葉を飲み込む。
「何故、14年間も許婚の仲だったのに、シェリル様は突然婚約破棄を言い渡したと思いますか?」
「何だって?そんなこと僕が知るはずないだろう?むしろシェリルに説明を求めたい位だ。大体月に2回の顔合わせの日だって、僕達はまともに会話すらしないんだぞ?ただ向い合せに座ってお茶を飲んだり、菓子を食べたりするだけだ。しかもシェリルは飼い犬ばかり相手にしている。仕方ないからこっちは読書して過ごしているんだ」
するとトニーは目を見開いて僕を見た。
「その話……本当ですか?それはあまりに酷すぎます。まるで倦怠期を迎えた夫婦みたいじゃないですか!」
そしてトニーはゴクゴクと紅茶を飲み干した。
「よし!分かりました!」
紅茶のカップをガチャンと乱暴に置くとトニーが大声を上げた。
「何っ?!分かったのかっ?!」
凄い!紅茶を飲んだだけで、シェリルが婚約破棄を告げてきたのか分かったのか?!
「ええ、分かりました。簡単なことですよ。聞き込みをすればいいのです」
「何?聞き込み?」
一体トニーは何を言い出すのだろう?
「そうです、変装してシェリル様のお屋敷で働く人達に尋ねるのです。何か最近変化は無かったかを。もしかすると別に好きな男性が出来た可能性もあるかも知れないじゃないですか」
「何だってっ?シェリルに好きな男がっ?!だとしたら許せんっ!こっちは気を使って個人的に女の子と2人きりでデートすらしたことがないのにか?!な…なんて酷い女なんだっ!」
流石に今の話はいただけない。
シェリルに対する怒りが倍増してしまった。
「落ち着いて下さい、ローレンス様。今のはあくまで可能性の話をしただけですから。まずは身辺調査をするのです。恐らくシェリル様本人に婚約破棄の理由を尋ねても絶対に話してくれそうにありませんからね」
「うん、確かにそうだな。僕に惚れさせる作戦よりもシェリルの弱みを握って、こちらから婚約破棄を告げるほうが確実かもしれない」
シェリルに好きな男がいるなら僕に惚れさせることは不可能だろう。
こうなったらシェリルの弱みを握って、こちらから婚約破棄を告げてやろう!
見ていろよ、シェリル。
この僕に婚約破棄を告げたことを後悔させてやるからな――!
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