5 / 14
第2章 バカンス先で恋の予感♪お相手はなんと!!
5、侯爵令嬢マーシア、失恋旅行に行く。
しおりを挟む
クラークから婚約破棄されて一月後、マーシアはたった一人のメイドを連れて、バカンスへと出かけた。
バカンス先は、ロイデン王国最南端のサイナン岬から、南に200キロ行ったところにある小さな島国タラア王国。
50年前まで、ロイデン王国の、属領の一つだったが、今は独立国だ。
250年の歴史を持つロイデン王家よりも古い歴史を持つと言われている、タラア王家が国を治めている。
この南の島でのバカンスは、マーシアにとって、いわば失恋旅行だ。
ここで一月過ごしたらマーシアは再び家に戻り、貴族のための結婚紹介所に入会し、お見合いざんまいの生活に入る予定だ。
そして相手に気に入られて、相手が幸せな家庭を築くことができそうな人だったら、えり好みしたりせずに、その人と結婚するつもり。
たぶんマーシアの年齢からいったら、相手は結構年上になるだろう。
そして再婚で子供がいる可能性が高い。
「そうなったら私は血のつながらない子供の母親になるわけだわ。しっかりしなくちゃ。クラーク王子さまのことはきっぱり諦めよう」
マーシアはそう思ったが、頼りないけれど、ハンサムで優しいクラークの姿が何度も何度も思い浮かび、思わず涙ぐんでしまう。
だってクラークと婚約した5歳の時から、マーシアはずっと彼のことを「私の未来の旦那さま」と思ってきたのだ。
タラア島についてから、マーシアは幾度クラークの夢を見たことだろう。
「うううう……やはり私、まだクラーク様のことが忘れられないのね」
マーシアは自分でも知らない間に涙ぐんでいるのに気がついて、ハッとする。
窓から広がる景色は青い空、白い雲。
サンゴ礁の海。
あまりにも透明なために、泳ぐ魚がくっきりと見える波打ち際。
手のひらにすくえば、指をすりぬけて落ちていってしまう、真っ白な砂。
小麦色の肌に白い歯がまぶしい、素朴なタラアの住民たち。
そんな楽園のようなタラアも、マーシアの傷ついた心を簡単には癒してくれそうになかった。
よかったことは、この島では、ネット回線が使えないことだろうか?
もしネットにつながることができたら、マーシアはついついクラークの動画を見てしまったことだろう。
実は、インターネットが使えないことが、マーシアがこの島をバカンス先に選んだ、理由の一つだった。
バカンス先は、ロイデン王国最南端のサイナン岬から、南に200キロ行ったところにある小さな島国タラア王国。
50年前まで、ロイデン王国の、属領の一つだったが、今は独立国だ。
250年の歴史を持つロイデン王家よりも古い歴史を持つと言われている、タラア王家が国を治めている。
この南の島でのバカンスは、マーシアにとって、いわば失恋旅行だ。
ここで一月過ごしたらマーシアは再び家に戻り、貴族のための結婚紹介所に入会し、お見合いざんまいの生活に入る予定だ。
そして相手に気に入られて、相手が幸せな家庭を築くことができそうな人だったら、えり好みしたりせずに、その人と結婚するつもり。
たぶんマーシアの年齢からいったら、相手は結構年上になるだろう。
そして再婚で子供がいる可能性が高い。
「そうなったら私は血のつながらない子供の母親になるわけだわ。しっかりしなくちゃ。クラーク王子さまのことはきっぱり諦めよう」
マーシアはそう思ったが、頼りないけれど、ハンサムで優しいクラークの姿が何度も何度も思い浮かび、思わず涙ぐんでしまう。
だってクラークと婚約した5歳の時から、マーシアはずっと彼のことを「私の未来の旦那さま」と思ってきたのだ。
タラア島についてから、マーシアは幾度クラークの夢を見たことだろう。
「うううう……やはり私、まだクラーク様のことが忘れられないのね」
マーシアは自分でも知らない間に涙ぐんでいるのに気がついて、ハッとする。
窓から広がる景色は青い空、白い雲。
サンゴ礁の海。
あまりにも透明なために、泳ぐ魚がくっきりと見える波打ち際。
手のひらにすくえば、指をすりぬけて落ちていってしまう、真っ白な砂。
小麦色の肌に白い歯がまぶしい、素朴なタラアの住民たち。
そんな楽園のようなタラアも、マーシアの傷ついた心を簡単には癒してくれそうになかった。
よかったことは、この島では、ネット回線が使えないことだろうか?
もしネットにつながることができたら、マーシアはついついクラークの動画を見てしまったことだろう。
実は、インターネットが使えないことが、マーシアがこの島をバカンス先に選んだ、理由の一つだった。
0
あなたにおすすめの小説
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後
綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、
「真実の愛に目覚めた」
と衝撃の告白をされる。
王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。
婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。
一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。
文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。
そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。
周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

