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370話
しおりを挟むそれから何ヶ月がたった。
私は小さな家を建ててもらい、一人暮らしを始めた。
仕事は図書館の手伝いを、そのまま続けさせてもらっている。
自炊も始めた。(レインに会わないため。)
そして~聞きたかった。聞きたくなかった。報告を遠野さんから聞いた。
レインが結婚したと。
「良かったですね。」と笑顔を見せて家に帰った。
私が待ち望んだ事なのに。
なぜか涙が出てきた。
嬉し涙?それとも後悔の涙?
目からたくさん流れてきた。
止まれ。止まれ。止まって…。
いつの間にか声を出して泣いていた。
少し落ち着いて考えた。
何度か二人を見かけた。
レインが愛おしそうに恋人を見ていた。
本当なら~あそこにいるのは私。
レインに抱き締められるのは私。
~されるのも私。
はは。私、馬鹿だなぁ~。
今さら気がつくなんて…。
心の中では、レインは他の女性を好きにならない。
私の事を忘れても、思い出して探してくれると。
レインが私の事をあんなに愛してくれているから、私から離れないと。
私…調子にのっていたんだ。
それに今になって~レインの事が好きだと気がついたなんて。
当たり前だと思っていた事が、当たり前じゃなかったんだ。
レインの優しさに甘えていただけだった。
ベッドに入り「ごめんね。ごめんね。レイン。幸せになってね。馬鹿な私を許して。」と眠ってしまった。
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