マイ・リーフ

マイ・リーフ。
それは一枚の葉の話じゃない。
彼がくれた、
たった一度の人生の記録だった。



夏休みの始まりは、ひとつの「逃避」だった。
厳格な親元を離れ、三人の高校二年生は、行き先も決めずに走り出す。
それは無軌道な冒険でありながら、同時に、限られた時間への抵抗でもあった。

せっかちで融通が利かず、どこか生き急ぐ少年・拓真。
自分を「モブキャラ」と捉える恒一。
そして、明るさの裏に迷いを抱えたもう一人の友人、陽斗。
立場も性格も異なる彼らは、互いにすれ違いながらも、確かにつながっていた。

夜ごと綴られる日記「マイ・リーフ」。
何気ない言葉の積み重ねは、やがて、取り戻せないものの重さを静かに浮かび上がらせる。

「どれだけ時間があれば足りたのか」という問いを通して、
命の儚さと、人と人が共に過ごす時間の意味を知る、高校生三人組。


何も失っていないはずの読者の手に、
なぜか大切なものの温度だけが残るだろう。
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