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第2章 新生活スタート
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しおりを挟むいぇい! 今、西の森の中です!
鬱蒼として中々の薄暗さなのです。
いやぁ、ワックワックします!
「えーっと、ルカ? ルカは一体どこに向かって歩いているのかな……」
「えっとね? 兄が昨日手紙で西の森に行くなら森を左右に二等分した境目の中央付近の木を間引きして広場みたいなのを作っておけって……。城から見て不自然じゃないように大木を残して広場を作っておけって言われたの……」
西の森って簡単に言えば、L字と言うかくの字みたいなんだよね。
辺りに注意を払いながら進むと目の前にオークが現れた。
でもさすがは元第一騎士団副団長と現第四騎士団団長!
ミドリちゃんに手を掛けたら戦闘は既に終わってました。
「パパ、そのオークさんは貰うね!」
組立隊に送りつけました。
オークの皮はなんというか豚革そっくりで兄が喜びそうだったのです。
「あ、虫系は僕に任せてっ!」
以前のように土の壁に纏めて圧死させるとパパ達に引かれました。
ちょっとばかり悲しいのです……。
とりあえずこのままム・ゲンに羽だけしまいました。
何に使うのかと聞かれたけど加工してアクセサリー作ってみたいと言ったらグレン兄さんが「羽は綺麗ですものね」と納得してくれました。
「やっぱり寒いからかあまり居ないみたいだねぇ」
「ここら辺で良いのでは?」
「じゃぁ、邪魔されないように壁作るね! アース・ウォール!」
自分達を中心に壁が放射状へ移動していった。
「これで鳥とかの浮遊系と木登りする系のモンスター以外は来ないと思うの!」
俺が間引く木を掘り上げ、パパが魔法で浮かせながら横に倒し、ウィンド・カッターで木材にしたかったのでそれなりの長さにぶつ切りをして、グレン兄さんはドライで乾燥してくれました。
鬱蒼としていた森の一角は少しずつ木漏れ日が入り、ライトが必要なくなりそうです。
「ルカ、グレン。さすがに休憩にしないか? そろそろ昼だし……」
パパの言葉に俺も兄さんも頷き、それぞれがクリーンを使って体を綺麗にしていた。
まだしまっていなかった切り株をテーブルにして綺麗なクロスを被せた。
パパ達は丸太に座り込むと俺は以前作ったパンとトマトシチューを取り出した。
「あっ! それは殿下にプレゼントしたくせに食べさせてくれなかったパンじゃないか!」
どうやらパパにずっと妬まれていたようです。
食べ物の恨みってどの世界も怖いんだねぇ……。
「この味に慣れると後々家での食事が大変なんですよ。本当はランドルフの領地に行くまでは誰にも食べさせたくないんですからねっ!」
……って聞いてねぇ~っ!
既に二人は「頂きます」をして食べていた。
猫ならぬパンまっしぐら。
「こんなフワフワは初めてだ!」
「美味しいですね……」
俺は無言でシチューを食べてました。
ミリアムがいないから冷めたら嫌だもん。
きっと俺も含めて今日の夜ご飯は地獄なんだろうなぁ……。
旨味たっぷりのシチューを口に運んだ。
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