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レベルアップ!
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「……」
もう夜を通り越して朝なんだけど。それも、もうすぐ日が真上に来る。
一度目が終わってからは、たまに血を補給しながらほとんど休みなく模擬戦を続けている。レベルはまものを倒さなくても、経験をすれば上がる。
だから、格上のガイオスと模擬戦したことでずいぶんレベルが上がったんじゃないかな。
「朝か……」
「朝、ですね」
ガイオスが眩しそうに空を見上げる。気づいていなかったんですか。
「さて、終わりにするか……」
ガイオスが大きく伸びをして、一つ魔法を唱える。
「エグスプロージョン!」
「……ガイオスもですか!」
なんでこうもエグスプロージョンが好きなんですかね。ここでエグスプロージョン放つ意味ってあります?しかも、ガイオスの放つエグスプロージョンなんてどんだけ被害が出るか、わかったもんじゃない。
「ガイオスが一番面倒なことをしてんじゃあ……ないですよ!」
こんなときは、防御魔法と水属性の魔法に限る。
「ガード、フリージング」
エグスプロージョンがまともにあたったらかすり傷どこでは済まない。
「ったく……」
処理するのがガイオスの魔法って、どうなんだろう……。
エグスプロージョンの業火はオレの放ったフリージングで相殺された。相殺、か。オレもまだまだだね。ステータスで勝っていても、使っている数が違うものな。
「ふぅ」
「なにスッキリしたって顔してんですか」
「ははは……。よし、集合!」
「「「「はい!」」」」
うわ、長時間の訓練で完全に師弟関係が成り立っちゃってるよ。
「お前たち、どれくらいレベルが上がった」
「八十から九一です!」
シャーロットは十一も上がっていた。レベルは高くなれば高くなるほど上がりにくくなるから、今回のでどんだけ経験したんだって話だ。
「ボクは七十九から、九十三です……!」
トリルが嬉しそうに答えた。シャーロットより低かったのに抜いてるよ。いい経験ができたってことかな。
「……八十一から九十ニ、です」
ジュンもいい具合でレベルアップしているようだ。後衛って経験が少ないっていう傾向があるんだけど、そんなに前衛と後衛で得た経験に差がないな。
「私は、七十九から八十九です」
三人より上がっていないのは一時離脱していたときがあるからだろう。ただ、大量に回復魔法を使ったから、一度で回復できる量が増えたことだろう。
レベルといえば、勇者たちはどれくらいになったかな。一度目の旅で一から平均して二十六まで上がっていた。
そこからまた上がっているだろう。もう六十は行っただろうか。まぁ、それじゃあこの四人にすら負けてしまうような強さだけど。
クラディア討伐に関しては、六十なんて敵にすらならない。クラス全員の三十四人が集まったところでその状況は変わらないだろう。
そう考えると、勇者たちの道は長いよな。こちらに来て約一年。もうすぐ二年が経とうとしている。
クラディア討伐ができるのはいつになるやら。それ以前に魔族が住む地域まで来ることができるのだろうか。
きっと勇者たちは大人になってしまうんだろうな。十年やそこらじゃ帰ることができないだろう。
この世界と地球の時間軸が違うことはオレのレイがあるから確実だ。
……てことは、こっちで数年経ってもあっちならそんなに経っていないということはないだろうか。
三千五百年=十四年なら、二百五十年こっちで経つと、あっちでは一年経つことになる。
それなら、まだあっちでは数日しか経っていないのではないだろうか……。
「むぅ……」
ただ、この考えはまだ確定じゃないから話さないでおこう。
「マオ様、マオ様」
「……ん?トリルじゃない。どうかした?」
「あの、フィーリア様が……」
言いづらそうにしているな。フィーリアがどうかしたのか?
「マオ、心配したのよ。何も言わずに帰ってこなかったから」
「あ……ごめん」
「いいの、ガイオスの手伝いをしていたんでしょう?さっきクラディアから聞いたわ」
言っていることと、行動が違うのはなぜだろう。
「痛いっ!」
「痛いんだが」
脳天にゲンコツをガイオスもオレももらってしまった。こらがまた、地味に痛いんだよ。
「ガイオスもこの子たちに休みもなく……」
「あ、あのな……フィーリアさん?」
ガイオスがフィーリア相手にあたふたしている。こういうガイオスは珍しいよな。
「後でお説教ですから」
「それはないだろう」
「ガイオス可哀そう」
「あなたもよ、マオ。ガイオスのことを止めなかったんだから」
オレも……?オレはだな、止めなかったんじゃなくて止められなかったんです。止めようと何回か試みましたよ。でも、ガイオスったら全然やめないんだもん。だんだん白熱してきて、トリルたちもやめる気なくしちゃったんだもん。
「いや、オレは止めたもんね」
「止められなかったのよね?」
「そりゃ、そうだけど」
フィーリアが怖いなー。あー、説教か……こんなことになるなら殴ってでも模擬戦止めとけばよかったよ。
この後、フィーリアにガイオスと一緒に説教された。
もう夜を通り越して朝なんだけど。それも、もうすぐ日が真上に来る。
一度目が終わってからは、たまに血を補給しながらほとんど休みなく模擬戦を続けている。レベルはまものを倒さなくても、経験をすれば上がる。
だから、格上のガイオスと模擬戦したことでずいぶんレベルが上がったんじゃないかな。
「朝か……」
「朝、ですね」
ガイオスが眩しそうに空を見上げる。気づいていなかったんですか。
「さて、終わりにするか……」
ガイオスが大きく伸びをして、一つ魔法を唱える。
「エグスプロージョン!」
「……ガイオスもですか!」
なんでこうもエグスプロージョンが好きなんですかね。ここでエグスプロージョン放つ意味ってあります?しかも、ガイオスの放つエグスプロージョンなんてどんだけ被害が出るか、わかったもんじゃない。
「ガイオスが一番面倒なことをしてんじゃあ……ないですよ!」
こんなときは、防御魔法と水属性の魔法に限る。
「ガード、フリージング」
エグスプロージョンがまともにあたったらかすり傷どこでは済まない。
「ったく……」
処理するのがガイオスの魔法って、どうなんだろう……。
エグスプロージョンの業火はオレの放ったフリージングで相殺された。相殺、か。オレもまだまだだね。ステータスで勝っていても、使っている数が違うものな。
「ふぅ」
「なにスッキリしたって顔してんですか」
「ははは……。よし、集合!」
「「「「はい!」」」」
うわ、長時間の訓練で完全に師弟関係が成り立っちゃってるよ。
「お前たち、どれくらいレベルが上がった」
「八十から九一です!」
シャーロットは十一も上がっていた。レベルは高くなれば高くなるほど上がりにくくなるから、今回のでどんだけ経験したんだって話だ。
「ボクは七十九から、九十三です……!」
トリルが嬉しそうに答えた。シャーロットより低かったのに抜いてるよ。いい経験ができたってことかな。
「……八十一から九十ニ、です」
ジュンもいい具合でレベルアップしているようだ。後衛って経験が少ないっていう傾向があるんだけど、そんなに前衛と後衛で得た経験に差がないな。
「私は、七十九から八十九です」
三人より上がっていないのは一時離脱していたときがあるからだろう。ただ、大量に回復魔法を使ったから、一度で回復できる量が増えたことだろう。
レベルといえば、勇者たちはどれくらいになったかな。一度目の旅で一から平均して二十六まで上がっていた。
そこからまた上がっているだろう。もう六十は行っただろうか。まぁ、それじゃあこの四人にすら負けてしまうような強さだけど。
クラディア討伐に関しては、六十なんて敵にすらならない。クラス全員の三十四人が集まったところでその状況は変わらないだろう。
そう考えると、勇者たちの道は長いよな。こちらに来て約一年。もうすぐ二年が経とうとしている。
クラディア討伐ができるのはいつになるやら。それ以前に魔族が住む地域まで来ることができるのだろうか。
きっと勇者たちは大人になってしまうんだろうな。十年やそこらじゃ帰ることができないだろう。
この世界と地球の時間軸が違うことはオレのレイがあるから確実だ。
……てことは、こっちで数年経ってもあっちならそんなに経っていないということはないだろうか。
三千五百年=十四年なら、二百五十年こっちで経つと、あっちでは一年経つことになる。
それなら、まだあっちでは数日しか経っていないのではないだろうか……。
「むぅ……」
ただ、この考えはまだ確定じゃないから話さないでおこう。
「マオ様、マオ様」
「……ん?トリルじゃない。どうかした?」
「あの、フィーリア様が……」
言いづらそうにしているな。フィーリアがどうかしたのか?
「マオ、心配したのよ。何も言わずに帰ってこなかったから」
「あ……ごめん」
「いいの、ガイオスの手伝いをしていたんでしょう?さっきクラディアから聞いたわ」
言っていることと、行動が違うのはなぜだろう。
「痛いっ!」
「痛いんだが」
脳天にゲンコツをガイオスもオレももらってしまった。こらがまた、地味に痛いんだよ。
「ガイオスもこの子たちに休みもなく……」
「あ、あのな……フィーリアさん?」
ガイオスがフィーリア相手にあたふたしている。こういうガイオスは珍しいよな。
「後でお説教ですから」
「それはないだろう」
「ガイオス可哀そう」
「あなたもよ、マオ。ガイオスのことを止めなかったんだから」
オレも……?オレはだな、止めなかったんじゃなくて止められなかったんです。止めようと何回か試みましたよ。でも、ガイオスったら全然やめないんだもん。だんだん白熱してきて、トリルたちもやめる気なくしちゃったんだもん。
「いや、オレは止めたもんね」
「止められなかったのよね?」
「そりゃ、そうだけど」
フィーリアが怖いなー。あー、説教か……こんなことになるなら殴ってでも模擬戦止めとけばよかったよ。
この後、フィーリアにガイオスと一緒に説教された。
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