ダンジョン・トラベラー~最弱探索師の下克上~

 ダンジョン。
 突如世界中に現れたそれは、人々に様々な恩恵をもたらした。
 だが、その影では多くの命が、夢破れて散って逝った。
 それでも彼らは危険を省みず、挑戦するのだ。

 『探索師』として。


 探索師を目指す青年・一輝は、自身の目標と目的のために日夜ダンジョンへと足を運んでいた。
 しかし、彼がダンジョンから与えられた能力は『調理』。携帯食料などが豊富な現代においては、なんの役にもたたないものであった。
 戦闘にもダンジョンアタックにも役立たない一輝は、ダンジョンでも最弱のE級モンスターにさえやられてしまう始末。
 そんな一輝を心配する者も少なからずはいた。

 ある日の事。
 いつものようにダンジョンでモンスターに追い回されていた一輝は、帰り道で謎の横穴を見つけてしまう。
 何度地図と見比べてもそのような横穴の記載はなく、すなわち未踏の通路を発見してしまったのだ。
 前人未踏。
 その抗いきれない甘美な響きにつられた一輝は、横穴へと足を踏み入れてしまう。
 だか、そこに待っていたのは金銀の財宝などではなく、一流探索師が束になっても敵わないと言われる、S級モンスターであった。
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