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後編
しおりを挟む階級は違っていても、心は通い合う部分が大きくて。
「ではドゥエフェル様。このたびはありがとうございました。これからどうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私はすぐに彼を好きになった。
――だがやはり継母はまた邪魔をしてくる。
彼女はすぐにドゥエフェルに接近。私の日頃の悪行、もちろん作り話なのだが、そんなものを彼に吹き込もうとした。ただ、ドゥエフェルはそれを信じることはなくて。むしろ彼は継母を疑っていた。そしてそれらの話が嘘だと分かると、継母に二度と城へ近づかないようにと命令を下す。
「ドゥエフェル様……信じてくださるのですか?」
「ええ、もちろんです」
「……ありがとう、ありがとうございます。これまでずっと……あの人に婚約を壊されてきた、ので……嬉しい、です」
そうして私とドゥエフェルは結ばれたのだった。
◆
あれから数年。
私はドゥエフェルの妻となり、王城にて穏やかに暮らしている。
そうそう、そういえば。
あの後継母の前夫との子である私からすれば義妹である娘が結婚したそうなのだが、向こうの親との同居という形だったそう。で、その結婚相手の両親は彼女のことを大層嫌っているそうで。義妹は今、夫の両親より徹底的に虐められているそうだ。お前は無能な奴隷、などと暴言を吐かれることもあるそうで、散々こき使われているらしい。
義妹は人として扱われていないようだ。
そして継母はというと、陰で私にあれこれ嫌がらせをしていたことを知った私の父――夫から離婚を言いわたされたそうで、行き場を失うこととなってしまったそうだ。
継母も、義妹も、幸せを掴むことはできなかった。
◆終わり◆
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