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前編
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親が魔法使いだったこともあり私もまた幼い頃から魔法を使ってきた。親と共に便利屋を営み、魔法を使って、多くの人の困り事を解決してきた。そんなこともあり、客である人たちからはいつも感謝されていて。笑顔でありがとうと言ってもらえるのが嬉しくて、誰かのために魔法を使うことも大好きだった。
けれど、それを受け入れてくれない人というのも、世の中にはいて。
「あなた、魔法なんかを使うそうね?」
「はい」
「邪術を使う女なんかに我が家の息子を渡すことはできないわ」
婚約者オーリジの母親は魔法を嫌う人間だった。
魔法使いも徐々に理解されつつある世ではあるけれど。
しかしいまだ反対派も存在し。
魔法を使う者を悪く思い批判する者たちもいるのだ。
「よって、あなたと我が息子の婚約は破棄とするわ!」
オーリジの母親はそう宣言する。
「怪しい女、二度と私の息子に近づかないで。我が家にあなたみたいな穢れた血の女を入れたくないの」
私は「オーリジと話をさせてほしい」と言ってみたのだが、オーリジの母親はそれを許してはくれなかった。彼女は「そう言って、我が息子を洗脳でもするのでしょう? 魔女が、穢れた女が、考えることなんて分かっているのよ」と言って、オーリジとは絶対に話させてくれなかった。
こうして、オーリジとの関係は、オーリジと話せもしないまま終わってしまう。
悲しく。
切なく。
虚しい。
そんな終わり方だった。
けれど、それを受け入れてくれない人というのも、世の中にはいて。
「あなた、魔法なんかを使うそうね?」
「はい」
「邪術を使う女なんかに我が家の息子を渡すことはできないわ」
婚約者オーリジの母親は魔法を嫌う人間だった。
魔法使いも徐々に理解されつつある世ではあるけれど。
しかしいまだ反対派も存在し。
魔法を使う者を悪く思い批判する者たちもいるのだ。
「よって、あなたと我が息子の婚約は破棄とするわ!」
オーリジの母親はそう宣言する。
「怪しい女、二度と私の息子に近づかないで。我が家にあなたみたいな穢れた血の女を入れたくないの」
私は「オーリジと話をさせてほしい」と言ってみたのだが、オーリジの母親はそれを許してはくれなかった。彼女は「そう言って、我が息子を洗脳でもするのでしょう? 魔女が、穢れた女が、考えることなんて分かっているのよ」と言って、オーリジとは絶対に話させてくれなかった。
こうして、オーリジとの関係は、オーリジと話せもしないまま終わってしまう。
悲しく。
切なく。
虚しい。
そんな終わり方だった。
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