1 / 3
1話
しおりを挟む消えてしまいたいと思った。
その日、生まれて初めて。
婚約者を妹に奪われ、二人の仲良しな様を見せつけられて、婚約破棄宣言までされてしまって――生きる希望を失ったのだ、私は。
「さようなら、世界」
衝撃の日の夜、家からそう遠くない崖へ向かった。
ここはこれまで多くの人たちをあの世へ引きずり込んだ場所。それゆえ皆からは恐れられている。が、今は怖さなど感じない。だって私はこの世界から去るためにここへ来たんだもの、怖いわけがない。この場所はきっと私を望み通りに誘ってくれる。
大丈夫、覚悟は決めている。
――そして私は飛び下りた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる