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第21話 第三王子は緊急会議を開く
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驚愕の『エリスのクッキー800人分 マジで爆買い事件簿!?』を執筆中の『シュウ』です。
僕たち3人はお店を出た後、寮に戻ってきました。レイニーにあとで僕の部屋へ来るように伝え、エリス達と別れた。
僕は自室で今日の出来事を思い出していた。エリスは一体何者なのか?……
思い悩んでいると、急にレイニーが入ってきた! ――ノックはどうした?なぜノックをしない?
レイニーに椅子に座ってもらい僕は椅子から立ち上がり、
「これより第一回 ロッシュウ緊急会議を開催いたします」
僕は声高らかに会議の開催を宣言した! そして、再び椅子に座った。
「議長を務めせていただきます。ロッシュウ・ニオ・アルパトスです。よろしくお願いします」
「お集まり頂きました皆様には感謝申し上げます。さて、本日の議題は『エリスと一緒に里帰り』です。皆様の忌憚《きたん》のないご意見をお聞かせ下さい」
――僕とレイニーの二人だけの会議が始まった……
「まずは、エリスのご実家のお土産は何にするか?ですが、レイニーさんは何かご提案はございますでしょうか?」
「エリス様の買い物ぶりには驚きましたが、ご実家が大富豪となれば普通の物ではこちらが恥をかきます。ここは思い切ってお城というのは如何でしょうか?」
レイニーは真顔で答えた。
「すみません。お城をお土産に持ち歩くこともお城を買うお金も当方にはございません!」
「牛を三頭と馬を三頭ほどお土産として持参されるのはどうでしょうか?」
「忌憚《きたん》のないご意見をとお聞きしましたが、あまりにもぶっ飛んだご提案はご遠慮ください」
「では、ロッシュウ様自身がお土産になればよろしいのでは?」
「急に、な、何言ってんの! エリスの親御さんに失礼でしょ!」
レイニーの斜め上の発言に僕は動揺してしまった……
「はぁ~、レイニー。真面目に考えよう」
「そうですね。ではケーキでいかがでしょうか?」
レイニーは満面の笑みでケーキを提案してきた。
「ケーキだと日持ちしないぞ? サスペイン王国に着くころには腐ってしまうぞ」
「では、腐る前に私が責任もって処分されていただきます!」
「お前がケーキを食べたいだけじゃないか!」
「食べたいわけではありません。私がケーキを処分するのです」
「…………………………」
コイツに相談した僕が悪いのか?
「――では、お土産の件は一旦保留と言うことで、次の議題に移るよ」
「ハイ」
「僕は王宮暮らしで泊まるとか経験がない! どのように振る舞えば良いかわからない、そこでレイニーさんの出番だ!どう振る舞えば良い?」
「ま、まさかエリスさんのお宅にお泊りになるつもりですか?」
「えっ!?」
「えっ! じゃありませんよ」
「い、いや、特に問題あるのか?」
「大ありです。大問題です!」
「どこが?」
「エリスさんは若い女性です。そんな女性と同じ屋根に…… 不潔です! けだものです! 人間の皮を被ったお猿さんです! いや、カバです!」
「そりゃそうだな、僕の認識が間違っていたようだが、最後のカバって何?」
「水辺に住む動物です」
「それは知っているが、なぜカバなのか聞いているんです?」
「意味はありません。ただ言いたかっただけです」
「…………………………」
――悲しくなってきた…… もう泣き出したい……
「村に着いたら宿屋を探さなきゃいけないってことだな」
「そうですね。村ですからもしかしたら宿屋自体が無いかもしれません」
「それは、困ったな」
「私、レイニーに妙案があります」
「ほぉ~ どんな妙案だい?」
「ロッシュウ様が野宿です」
「レイニーも野宿になるんだよな?」
「私は、野宿にはなりません。エリスさんのご自宅に泊まらせて頂きます」
「はぁ~ テメェー、僕だけ野宿じゃないか?」
「そうなりますね。次のお休みにテントと調理器具を買いに行きましょう」
「僕だけのけ者扱いじゃないか!」
「良い案だと思ったのですが」
――レイニーさん、あなた僕が王子なのを忘れていませんか?
「仕方がない、次の休みは万が一の為にテントだけは購入しよう」
結局、第一回 ロッシュウ緊急会議は紛糾し、テントを購入する。と言う事しか決まらなかった……
僕たち3人はお店を出た後、寮に戻ってきました。レイニーにあとで僕の部屋へ来るように伝え、エリス達と別れた。
僕は自室で今日の出来事を思い出していた。エリスは一体何者なのか?……
思い悩んでいると、急にレイニーが入ってきた! ――ノックはどうした?なぜノックをしない?
レイニーに椅子に座ってもらい僕は椅子から立ち上がり、
「これより第一回 ロッシュウ緊急会議を開催いたします」
僕は声高らかに会議の開催を宣言した! そして、再び椅子に座った。
「議長を務めせていただきます。ロッシュウ・ニオ・アルパトスです。よろしくお願いします」
「お集まり頂きました皆様には感謝申し上げます。さて、本日の議題は『エリスと一緒に里帰り』です。皆様の忌憚《きたん》のないご意見をお聞かせ下さい」
――僕とレイニーの二人だけの会議が始まった……
「まずは、エリスのご実家のお土産は何にするか?ですが、レイニーさんは何かご提案はございますでしょうか?」
「エリス様の買い物ぶりには驚きましたが、ご実家が大富豪となれば普通の物ではこちらが恥をかきます。ここは思い切ってお城というのは如何でしょうか?」
レイニーは真顔で答えた。
「すみません。お城をお土産に持ち歩くこともお城を買うお金も当方にはございません!」
「牛を三頭と馬を三頭ほどお土産として持参されるのはどうでしょうか?」
「忌憚《きたん》のないご意見をとお聞きしましたが、あまりにもぶっ飛んだご提案はご遠慮ください」
「では、ロッシュウ様自身がお土産になればよろしいのでは?」
「急に、な、何言ってんの! エリスの親御さんに失礼でしょ!」
レイニーの斜め上の発言に僕は動揺してしまった……
「はぁ~、レイニー。真面目に考えよう」
「そうですね。ではケーキでいかがでしょうか?」
レイニーは満面の笑みでケーキを提案してきた。
「ケーキだと日持ちしないぞ? サスペイン王国に着くころには腐ってしまうぞ」
「では、腐る前に私が責任もって処分されていただきます!」
「お前がケーキを食べたいだけじゃないか!」
「食べたいわけではありません。私がケーキを処分するのです」
「…………………………」
コイツに相談した僕が悪いのか?
「――では、お土産の件は一旦保留と言うことで、次の議題に移るよ」
「ハイ」
「僕は王宮暮らしで泊まるとか経験がない! どのように振る舞えば良いかわからない、そこでレイニーさんの出番だ!どう振る舞えば良い?」
「ま、まさかエリスさんのお宅にお泊りになるつもりですか?」
「えっ!?」
「えっ! じゃありませんよ」
「い、いや、特に問題あるのか?」
「大ありです。大問題です!」
「どこが?」
「エリスさんは若い女性です。そんな女性と同じ屋根に…… 不潔です! けだものです! 人間の皮を被ったお猿さんです! いや、カバです!」
「そりゃそうだな、僕の認識が間違っていたようだが、最後のカバって何?」
「水辺に住む動物です」
「それは知っているが、なぜカバなのか聞いているんです?」
「意味はありません。ただ言いたかっただけです」
「…………………………」
――悲しくなってきた…… もう泣き出したい……
「村に着いたら宿屋を探さなきゃいけないってことだな」
「そうですね。村ですからもしかしたら宿屋自体が無いかもしれません」
「それは、困ったな」
「私、レイニーに妙案があります」
「ほぉ~ どんな妙案だい?」
「ロッシュウ様が野宿です」
「レイニーも野宿になるんだよな?」
「私は、野宿にはなりません。エリスさんのご自宅に泊まらせて頂きます」
「はぁ~ テメェー、僕だけ野宿じゃないか?」
「そうなりますね。次のお休みにテントと調理器具を買いに行きましょう」
「僕だけのけ者扱いじゃないか!」
「良い案だと思ったのですが」
――レイニーさん、あなた僕が王子なのを忘れていませんか?
「仕方がない、次の休みは万が一の為にテントだけは購入しよう」
結局、第一回 ロッシュウ緊急会議は紛糾し、テントを購入する。と言う事しか決まらなかった……
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