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第51話 第三王子は父上に会う!
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レイニーとの話し合いで疲労困憊気味の『シュウ』です。
父上との謁見は、父上のスケジュール調整の為に1ヶ月後となった。 その間、時間を有効に使うため学院の授業が終われば、エリスと共に誰もいない辺境の地を訪れて魔力循環、制御、発動の特訓を重ねた。
◇
「シュウ君、レイニーさん。最初の頃に比べたら魔力の安定度が良くなってるよ」
「そうかい? これも全部、エリスが特訓に付き合ってくれるからだよ。ありがとう」
「そうです。すべてエリス様のおかげです」
「そんなことないよ! 二人とも一生懸命、頑張ってるからだよ!」
僕たちにお礼を言われてエリスは恥ずかしそうに照れていた。その、照れたところもこれまたかわいいと来たもんだ!
「もう少しで1ヶ月になるけどお義父様のスケジュールとか大丈夫?」
「問題ありません。陛下の予定は私がすでに管理しております」
「――!? 父上の予定を管理してるだと! レイニー、いつの間にそんなに出世したんだ?」
「1ヶ月前からです。瞬間移動を体験してみたいと私に頼んできたので社畜同様に執務の予定を立てましたので、時間は取れるはずですのでご安心下さい」
「父上が社畜になってしまう…… どうしよう」
「ロッシュウ様、心配はありません。陛下本人も目の色を変えて執務に励んでおりますから」
「レイニー、『社畜洗脳』の魔法とか使ってないよね?」
「陛下のご希望でしたので『社畜洗脳』の上位互換にあたります『過労〇洗脳』を使いました」
「――!? そんなことしたら、父上が過○死しちゃうよ!」
「その辺も抜かりはありません。時々、王宮へ戻り陛下に治癒魔法を掛けてますから」
――どれだけ働かせたいんだよ! いつの間にか王宮がブラック企業になってたよ!
「王族殺しになっても知らないぞ。レイニー!」
「その辺も抜かりはありません。死んでもたちまち生き返る。蘇生魔法も覚えましたので」
「シュウ君! 気をつけて、最初から蘇生魔法なんてないから!」
「レイニー、そんな淡々とウソを!」
「バレてしまいましたか。テヘペロ」
「「ハァ~」」
――テヘペロって、棒読みで言われても何も感じないのですが! さすがに僕もエリスも呆れ返って、頭を抱え溜め息を付いた……
「とりあえずは父上の方は大丈夫ということで、今度は謁見場所だけど、どうする?」
「シュウ君、あれから考えて、ハルタンに来てもらうのはどうかと思ってるの」
「いきなりハルタンにかい?」
「そうよ。実際の私たちの暮らしも見てもらうわ。一見は百聞にしかずって言葉もあるじゃない。当然、お母様とお父様、ソフィアちゃんにも会ってもらうの」
――エリスは、日本のこと何でも知ってるよなぁ。ハルタン様って人間に化けて日本語学校で講師のアルバイトでもしてたんじゃないのか?
「いきなり、お母上様とお父上様に会わせるのかい?」
「お義父様が私たちの婚約を認めてくださったんですもの。出来るだけ早く両親同士であいさつして欲しいわ」
「しかし、よく父上が簡単に婚約を許してくれたと思ってたんだよな?」
「えっ!? シュウ君、知らないの?」
「えっ!? 何のこと?」
「シュウ君は知らないのね。私から言うのもあれだから今度、お義父様にお会いした時に聞いてみたら良いわ。もう驚きよ! 私でもビックリしちゃたもん!」
「そうなの?」
「ねっ、レイニーさん!」
「エリス様の言う通りでございます。私もたまげました」
――レイニー、どこの方言だよ…… なんだか不安になってきた……
◇
エリス、レイニーは、父上との打ち合わせ重ね。ついに、フロンシニアス王国国王ブルース・マリエス・アルパトスの視察の旅が始まった……
――視察の旅が始まってから二週間がすぎ、フロンシニアス王国の国境まで着き、レイニーは、視察団と合流し『プロジェクトS ~シュウ計画~』を実行した。勿論、エリスも隠密の魔法を使いレイニーに同行している。僕は、いち早く魔女の村ハルタンで待機している。お母上様とお父上様は、お屋敷で父上を出迎える準備をしている。
ドキドキしながらエリスたちを待っていると離れた場所にエリスたちが現れた。ハッキリとは確認できなかったが、エリス、レイニー、父上の三人のはずが六人いるように見える。予定が変わったのか?僕は急いでエリスの所まで急いだ。
そこには、父上、エリス、レイニー、そして、父上より若干、年配の男性が二人…… 母上!? 母上まで連れて来たんかい!?
――エリスが両親同士って言ってたのは、この事だったのか? な、なんだ、この急展開は! ジェットコースタードラマ『もう誰も愛さ〇い』並みの展開の早さだぞ! もう、この展開についていけない……
「父上、母上。お久しぶりでございます。」
「おお! シュウか!? 元気にしておったか?」
「シュウちゃーん! 会いたかったわー!」
凄い勢いで母上が抱き付いてきた!
「母上、苦しいです。 く、く、くるし……い 参った」
僕は母上の右腕を『ポン ポン』と二度叩いた…… 俗に言う『参った』のタップアウトである…… 母上から熊が抱きつくと書いて『ベアハグ』見事なまでの締め技だった! しかし、参ったをしたのにベアハグを外してくれない。見事な反則行為の絶賛継続中である。蟹のように僕の口から泡が『ブクブク』と漏れ出した。
「ワハハハハハッ! セリーナ。シュウに会えて嬉しいのはわかるが、もうその辺でやめなさい。シュウが死んでしまうよ」
「あら、ごめんなさい。ブルース、つい嬉しくて……」
――やっと、母上は反則まがいのベアハグを外してくれた…… 母上、ベアハグを外してくれてありがとう! もう少しで、あなたの息子は天国の住人になるところでした……
父上との謁見は、父上のスケジュール調整の為に1ヶ月後となった。 その間、時間を有効に使うため学院の授業が終われば、エリスと共に誰もいない辺境の地を訪れて魔力循環、制御、発動の特訓を重ねた。
◇
「シュウ君、レイニーさん。最初の頃に比べたら魔力の安定度が良くなってるよ」
「そうかい? これも全部、エリスが特訓に付き合ってくれるからだよ。ありがとう」
「そうです。すべてエリス様のおかげです」
「そんなことないよ! 二人とも一生懸命、頑張ってるからだよ!」
僕たちにお礼を言われてエリスは恥ずかしそうに照れていた。その、照れたところもこれまたかわいいと来たもんだ!
「もう少しで1ヶ月になるけどお義父様のスケジュールとか大丈夫?」
「問題ありません。陛下の予定は私がすでに管理しております」
「――!? 父上の予定を管理してるだと! レイニー、いつの間にそんなに出世したんだ?」
「1ヶ月前からです。瞬間移動を体験してみたいと私に頼んできたので社畜同様に執務の予定を立てましたので、時間は取れるはずですのでご安心下さい」
「父上が社畜になってしまう…… どうしよう」
「ロッシュウ様、心配はありません。陛下本人も目の色を変えて執務に励んでおりますから」
「レイニー、『社畜洗脳』の魔法とか使ってないよね?」
「陛下のご希望でしたので『社畜洗脳』の上位互換にあたります『過労〇洗脳』を使いました」
「――!? そんなことしたら、父上が過○死しちゃうよ!」
「その辺も抜かりはありません。時々、王宮へ戻り陛下に治癒魔法を掛けてますから」
――どれだけ働かせたいんだよ! いつの間にか王宮がブラック企業になってたよ!
「王族殺しになっても知らないぞ。レイニー!」
「その辺も抜かりはありません。死んでもたちまち生き返る。蘇生魔法も覚えましたので」
「シュウ君! 気をつけて、最初から蘇生魔法なんてないから!」
「レイニー、そんな淡々とウソを!」
「バレてしまいましたか。テヘペロ」
「「ハァ~」」
――テヘペロって、棒読みで言われても何も感じないのですが! さすがに僕もエリスも呆れ返って、頭を抱え溜め息を付いた……
「とりあえずは父上の方は大丈夫ということで、今度は謁見場所だけど、どうする?」
「シュウ君、あれから考えて、ハルタンに来てもらうのはどうかと思ってるの」
「いきなりハルタンにかい?」
「そうよ。実際の私たちの暮らしも見てもらうわ。一見は百聞にしかずって言葉もあるじゃない。当然、お母様とお父様、ソフィアちゃんにも会ってもらうの」
――エリスは、日本のこと何でも知ってるよなぁ。ハルタン様って人間に化けて日本語学校で講師のアルバイトでもしてたんじゃないのか?
「いきなり、お母上様とお父上様に会わせるのかい?」
「お義父様が私たちの婚約を認めてくださったんですもの。出来るだけ早く両親同士であいさつして欲しいわ」
「しかし、よく父上が簡単に婚約を許してくれたと思ってたんだよな?」
「えっ!? シュウ君、知らないの?」
「えっ!? 何のこと?」
「シュウ君は知らないのね。私から言うのもあれだから今度、お義父様にお会いした時に聞いてみたら良いわ。もう驚きよ! 私でもビックリしちゃたもん!」
「そうなの?」
「ねっ、レイニーさん!」
「エリス様の言う通りでございます。私もたまげました」
――レイニー、どこの方言だよ…… なんだか不安になってきた……
◇
エリス、レイニーは、父上との打ち合わせ重ね。ついに、フロンシニアス王国国王ブルース・マリエス・アルパトスの視察の旅が始まった……
――視察の旅が始まってから二週間がすぎ、フロンシニアス王国の国境まで着き、レイニーは、視察団と合流し『プロジェクトS ~シュウ計画~』を実行した。勿論、エリスも隠密の魔法を使いレイニーに同行している。僕は、いち早く魔女の村ハルタンで待機している。お母上様とお父上様は、お屋敷で父上を出迎える準備をしている。
ドキドキしながらエリスたちを待っていると離れた場所にエリスたちが現れた。ハッキリとは確認できなかったが、エリス、レイニー、父上の三人のはずが六人いるように見える。予定が変わったのか?僕は急いでエリスの所まで急いだ。
そこには、父上、エリス、レイニー、そして、父上より若干、年配の男性が二人…… 母上!? 母上まで連れて来たんかい!?
――エリスが両親同士って言ってたのは、この事だったのか? な、なんだ、この急展開は! ジェットコースタードラマ『もう誰も愛さ〇い』並みの展開の早さだぞ! もう、この展開についていけない……
「父上、母上。お久しぶりでございます。」
「おお! シュウか!? 元気にしておったか?」
「シュウちゃーん! 会いたかったわー!」
凄い勢いで母上が抱き付いてきた!
「母上、苦しいです。 く、く、くるし……い 参った」
僕は母上の右腕を『ポン ポン』と二度叩いた…… 俗に言う『参った』のタップアウトである…… 母上から熊が抱きつくと書いて『ベアハグ』見事なまでの締め技だった! しかし、参ったをしたのにベアハグを外してくれない。見事な反則行為の絶賛継続中である。蟹のように僕の口から泡が『ブクブク』と漏れ出した。
「ワハハハハハッ! セリーナ。シュウに会えて嬉しいのはわかるが、もうその辺でやめなさい。シュウが死んでしまうよ」
「あら、ごめんなさい。ブルース、つい嬉しくて……」
――やっと、母上は反則まがいのベアハグを外してくれた…… 母上、ベアハグを外してくれてありがとう! もう少しで、あなたの息子は天国の住人になるところでした……
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