51 / 211
第50話 第三王子はレイニーから話しを聞く!
しおりを挟む
衝撃的な脳内お花畑状態のエリスを見て、心穏やかになる『シュウ』です。
こんな状態で穏やかになるかぁー!
「レイニーさん、お話しの続きはどうなりますでしょうか?」
「ヒーヒヒヒヒ! ゴホッ! く、くるしい…… ワナワナって……」
――爆笑中のレイニーさん、ツボにハマってしまったらしい……
「エリスと父上はそれからどうなったんだ?」
「お二人とも普通に会話されておりました」
「ハァ? 普通にってどういうこと!? 魔法を使う魔女が当然、現れたら大抵は普通に出来ないじゃん!」
「そこは、さすがエリス様、可憐な可愛さと素晴らしい話し声! 誰もがエリス様の虜になってしまいます」
「エリスは、何か怪しい精神魔法を使ってないか? あの悪名高い『魅了』とか?」
「エリスは魔法を使われておりませんよ。すべて、生まれ持った才能。いえ、神々から頂いた祝福です」
「僕のコミュ症とは大違いだな」
「まったくもってその通りでございます」
「…………」
――レイニーに僕のコミュ症を全肯定された! だけど涙がでちゃう だって男の子だもん!
「かなり古いアニメネタを引っ張って来ましたね。 ぐーぐ〇先生じゃないとわかりませよ。そんなネタ」
「レイニーさん、質問よろしいでしょう? なんで、アニメネタとか知ってるの?」
「偉大なる全知全能の存在である。エリス様から聞きました」
「エリスはホント何でも知ってるよなぁ、というかハルタン様は、エリス・フォンティーヌ様に日本のあらゆることを教えたんだなぁ。たぬきなのに……」
「たぬき、だからこそ尊いのです」
◇
「それで、父上とは一体どんな会話をしたんだ! そこが一番重要じゃないか!」
「父親と娘が会話をするような感じです。」
「そこじゃないよ! か・い・わ・の内容だよ!」
「内容と言われましても手紙の内容が合っているかなど、あっ! あと、ロッシュウ様の様子とか……」
――父上もきっと平静を装っているけど頭の中は混乱して理解が追いつかないのだろう。僕たちも最初は理解が出来なかったし仕方のないことだ……
急にレイニーはワナワナと震え始めた。
「どうした? レイニー、何かあったのか。」
「――あの忌々しい陛下がエリス様を……」
「なに!? 父上がエリスに何かしたのか!」
「ハイ! エリス様とロッシュウ様がお似合いのカップルだと……」
「僕とお似合いのカップルって良いことじゃないか! 別に悪い事じゃないだろ!」
「極悪すぎてダメです! エリス様にお似合いなのは、レーニャさんか私以外にはありません!」
「…………」
――暫しの沈黙のあと
「父上は僕とエリスとの婚約はなんと言っていた?」
「陛下は大変お喜びになり『エリス嬢が我が子息シュウのもとへ嫁いで来てくれるとなるとエリス嬢は我が娘となるのだな! 大いに結構! この婚約しかと承った。エリス嬢の親御様には良しなに伝えて欲しい』とのお言葉でした」
――父上も冷静じゃないな、物事を簡単に決断する方じゃないのに…… ご都合主義的な展開に戸惑ってしまう……
「そして、謁見の件はどうなった?」
「エリス様のご提案通り、陛下には視察という理由でフロンシニアスの国境近くまで来て頂き、瞬間移動でアルラサンド王国までお越し頂きます。謁見の場所も確保しておくこともお伝えしました」
「父上はなんと?」
「急な視察は出来ないということで、一ヶ月ほど時間が欲しいとの事でした。その間に予定を調整してフロンシニアスの国境へ向かうそうです。私が一ヶ月後にまた陛下に謁見し予定を詰める事になりました」
「瞬間移動も父上に伝えたのか?」
「事前に伝えた方が、スムーズに物事が進むとの、エリス様のご判断です」
「そうか…… 父上は何か言っていたかい?」
「瞬間移動に非常に興味を持たれ、これから楽しみだと言っておりました」
「そ、そうか。ありがとう…… 最後に一つ良いかい?」
「何でしょうか?」
「エリスはどうしてこうなった?」
「陛下から手紙に書かれていたロッシュウ様のエリス様への想いをお聞きになってからこうなりました」
――!? ち、ち、父上は手紙の内容をエリスに教えたのか! マジでか! なんてことだ…… なんてことだ…… なんてことだぁー!
「シャレになってねーぞ! マジで!」
「あれ? あの手紙はウソなの?」
エリスが復活した!
「い、い、いや、ウソじゃないけど……」
「じゃあ、良いじゃない? どこか間違ってる?」
「人の手紙をエリスに教えるなんて……」
「やさしいお義父様じゃない」
「僕にしたら最悪だよ」
「エリス様。ロッシュウ様はヘタレですから本心がバレてもう一杯一杯ですからもうその辺で……」
「そうなの?」
「…………」
――レイニーから擁護して貰ったが、なんだか釈然としないものを感じる……
まさか!? 擁護と見せかけてディスられているのでは? こんな高度な擁護からのディスりを行えるレイニーの能力の高さに、能力の無駄遣いを感じる……
「エリス、元に戻ったんだね」
「戻ってないわよ。エへへヘヘ」
「――!? 戻ってなかったのか?」
「冗談よ! お義父様に私とシュウ君がお似合いのカップルだと言われちゃったから嬉しすぎてね、ちょっとだけハイになってたかも」
「そうなんですか……」
――なんだろ、この疲労感は……
こんな状態で穏やかになるかぁー!
「レイニーさん、お話しの続きはどうなりますでしょうか?」
「ヒーヒヒヒヒ! ゴホッ! く、くるしい…… ワナワナって……」
――爆笑中のレイニーさん、ツボにハマってしまったらしい……
「エリスと父上はそれからどうなったんだ?」
「お二人とも普通に会話されておりました」
「ハァ? 普通にってどういうこと!? 魔法を使う魔女が当然、現れたら大抵は普通に出来ないじゃん!」
「そこは、さすがエリス様、可憐な可愛さと素晴らしい話し声! 誰もがエリス様の虜になってしまいます」
「エリスは、何か怪しい精神魔法を使ってないか? あの悪名高い『魅了』とか?」
「エリスは魔法を使われておりませんよ。すべて、生まれ持った才能。いえ、神々から頂いた祝福です」
「僕のコミュ症とは大違いだな」
「まったくもってその通りでございます」
「…………」
――レイニーに僕のコミュ症を全肯定された! だけど涙がでちゃう だって男の子だもん!
「かなり古いアニメネタを引っ張って来ましたね。 ぐーぐ〇先生じゃないとわかりませよ。そんなネタ」
「レイニーさん、質問よろしいでしょう? なんで、アニメネタとか知ってるの?」
「偉大なる全知全能の存在である。エリス様から聞きました」
「エリスはホント何でも知ってるよなぁ、というかハルタン様は、エリス・フォンティーヌ様に日本のあらゆることを教えたんだなぁ。たぬきなのに……」
「たぬき、だからこそ尊いのです」
◇
「それで、父上とは一体どんな会話をしたんだ! そこが一番重要じゃないか!」
「父親と娘が会話をするような感じです。」
「そこじゃないよ! か・い・わ・の内容だよ!」
「内容と言われましても手紙の内容が合っているかなど、あっ! あと、ロッシュウ様の様子とか……」
――父上もきっと平静を装っているけど頭の中は混乱して理解が追いつかないのだろう。僕たちも最初は理解が出来なかったし仕方のないことだ……
急にレイニーはワナワナと震え始めた。
「どうした? レイニー、何かあったのか。」
「――あの忌々しい陛下がエリス様を……」
「なに!? 父上がエリスに何かしたのか!」
「ハイ! エリス様とロッシュウ様がお似合いのカップルだと……」
「僕とお似合いのカップルって良いことじゃないか! 別に悪い事じゃないだろ!」
「極悪すぎてダメです! エリス様にお似合いなのは、レーニャさんか私以外にはありません!」
「…………」
――暫しの沈黙のあと
「父上は僕とエリスとの婚約はなんと言っていた?」
「陛下は大変お喜びになり『エリス嬢が我が子息シュウのもとへ嫁いで来てくれるとなるとエリス嬢は我が娘となるのだな! 大いに結構! この婚約しかと承った。エリス嬢の親御様には良しなに伝えて欲しい』とのお言葉でした」
――父上も冷静じゃないな、物事を簡単に決断する方じゃないのに…… ご都合主義的な展開に戸惑ってしまう……
「そして、謁見の件はどうなった?」
「エリス様のご提案通り、陛下には視察という理由でフロンシニアスの国境近くまで来て頂き、瞬間移動でアルラサンド王国までお越し頂きます。謁見の場所も確保しておくこともお伝えしました」
「父上はなんと?」
「急な視察は出来ないということで、一ヶ月ほど時間が欲しいとの事でした。その間に予定を調整してフロンシニアスの国境へ向かうそうです。私が一ヶ月後にまた陛下に謁見し予定を詰める事になりました」
「瞬間移動も父上に伝えたのか?」
「事前に伝えた方が、スムーズに物事が進むとの、エリス様のご判断です」
「そうか…… 父上は何か言っていたかい?」
「瞬間移動に非常に興味を持たれ、これから楽しみだと言っておりました」
「そ、そうか。ありがとう…… 最後に一つ良いかい?」
「何でしょうか?」
「エリスはどうしてこうなった?」
「陛下から手紙に書かれていたロッシュウ様のエリス様への想いをお聞きになってからこうなりました」
――!? ち、ち、父上は手紙の内容をエリスに教えたのか! マジでか! なんてことだ…… なんてことだ…… なんてことだぁー!
「シャレになってねーぞ! マジで!」
「あれ? あの手紙はウソなの?」
エリスが復活した!
「い、い、いや、ウソじゃないけど……」
「じゃあ、良いじゃない? どこか間違ってる?」
「人の手紙をエリスに教えるなんて……」
「やさしいお義父様じゃない」
「僕にしたら最悪だよ」
「エリス様。ロッシュウ様はヘタレですから本心がバレてもう一杯一杯ですからもうその辺で……」
「そうなの?」
「…………」
――レイニーから擁護して貰ったが、なんだか釈然としないものを感じる……
まさか!? 擁護と見せかけてディスられているのでは? こんな高度な擁護からのディスりを行えるレイニーの能力の高さに、能力の無駄遣いを感じる……
「エリス、元に戻ったんだね」
「戻ってないわよ。エへへヘヘ」
「――!? 戻ってなかったのか?」
「冗談よ! お義父様に私とシュウ君がお似合いのカップルだと言われちゃったから嬉しすぎてね、ちょっとだけハイになってたかも」
「そうなんですか……」
――なんだろ、この疲労感は……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
52
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる