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第49話 第三王子は計画を実行に移す!
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ダンベルにゴリゴリゴリマッチョTシャツを2枚も貰い、エリスたちに見つからないように、どう処分して良いか悩む『シュウ』です。
ダンベルが部屋から出て行ったあと、学院が始まるまで、あと2日間をどうするか、エリスたちと話し合った。
「明日、レイニーさんとシュウ君の手紙を持ってフロンシニアスへ行くわ。それで、レイニーさんには、お義父様に手紙をお渡しして、シュウ君に会えるように話してもらう。でいいかしら?」
「私は、エリス様の為に何でもやって見せます。相手がどんな方でも」
――レイニー、ついに恐ろしい事まで言い始めやがった!
「んー、僕としては、手紙と言っても必ず検閲が入るから下手なことが書けなくて困ってたんだ」
「それなら、大丈夫よ。レイニーさんは収納魔法が使えるからその中に手紙を入れて、誰にも見つからないようにお義父様に渡してもらうからシュウ君は、自分の伝えたい事を書いても良いわよ。その為に瞬間移動と収納魔法を最初に覚えてもらったの」
「そうなの? でも、レイニー、一人で大丈夫なのか?」
「任せておいて、隠密の魔法があるから私もレイニーさんのあとについて行くわ。もし、見つかっても私が何とかするからレイニーさんは安心して頂戴」
「エリス様。さすが私のご主人様! 凄すぎです!」
――レイニーさん。君の本当のご主人様は僕ですが……
「わかった。明日の朝までには手紙を書くよ」
こうして、父上との謁見計画が実行されようとしている……
――その晩、僕は、父上に前世、前々世の記憶があり、日本で生まれ育ったこと、魔境の森での出来事、魔女と呼ばれるハルタンの人たちの事、魔法の事、何よりエリスという素晴らしい伴侶を見つけたことを正直な書いた。もし、父上が僕の激怒し、本当に王族から離脱され、国外追放になっても僕には、エリスとハルタンのみんながいる! そう思ったら父上に対して正直に誠意のある手紙が自然にスラスラと書けた…… これもエリスをはじめ、ハルタンのみんなのおかげだと思う。
◇
朝になり、朝食を済ませエリスたちの元へ向かった。
「レイニー、この手紙を父上に渡して欲しい。これもエリスの為だ!」
「エリス様の為、陛下を亡き者にしてでもロッシュウ様との謁見を現実にして見せます!」
――亡き者にしちゃーいかんぜよ!
「フフフッ、レイニーさんは、いつも大げさね」
「エリス、コイツは本当に殺るからね」
「まさかぁー! そんなことないわよね?」
「えっ!? ま、まさかそんなことないですよ! エリス様! このレイニーを信用して下さい」
――レイニーのヤロー、誤魔化しやがって!
「じゃ、レイニーさん。お義父様に会いに行くわよ」
「ハイ! いつでもどうぞ」
僕の目の前から二人の姿が消えた…… あとは、二人が無事に帰ってくるのを待つばかりになった。
◇
夕方になり、エリスたちが無事に戻って来た。
「シュウ君! ただいまー」
「お帰り、エリス! レイニーもお疲れ様!」
「ねぇ。聞いて、シュウ君のお義父様といっぱいお話し出来たわ。 エヘへへ」
「ハァ? どういうこと? なんでエリスと父上が?」
「憎き陛下がエリス様を気に入ったからです」
「――何!? 何!? 何があったんだぁー!?」
「やさしいお義父様で良かったわぁ~ エヘへへ」
「いや、いや、だから何がどうなって、こうなった!?」
――エリスは興奮状態というよりは脳内お花畑にでも居るかのような感じなので話しにすらならなかった。こんなエリスを初めて見たわ……
しょうがないので詳しい話しはレイニーから聞いてみた……
「一体、エリスに何があったんだ?」
「王宮に着き、陛下に謁見の申請をしたところ、急遽、陛下が謁見の時間をとって頂き、自室に招かれました。このような事は、異例中の異例と伺いました。エリス様は隠密の魔法で私のそばに居りましたので、二人で陛下の自室へ行き、陛下との謁見が始まりました。はじめにロッシュウの手紙をお読みになり、大声で驚かれておられました」
「あの父上が大声を上げたって!? 大声を出したら王宮は大騒ぎになったんじゃないのか?」
「それは、大丈夫でした。エリス様がこのような事態が起こるだろうと事前に部屋に消音の魔法を使われておりましたので、陛下の声は外に漏れるような事はありませんでした」
「そうか。それなら良かった。しかし、そんな魔法まであるんだなぁ」
「陛下は、私に手紙の内容は真実であるかを問われました」
「レイニーは、どう答えたんだ?」
「事実であることをお伝えし、実際に収納魔法をお見せしました」
「――!? 父上の反応はどうだった?」
「エリス様から初めて見せて頂いた時と同じ反応でした。人は現実を受入れない時の反応は見ているだけでも面白いものですね」
「レイニー、一応、父上は国王陛下だぞ。不敬罪になるぞ」
「面白いものは面白いので…… 手品だとか言い始めたので、陛下にエリス様をご紹介いたしました」
「――!? な、なんて無謀なことを……」
「エリス様が隠密の魔法を解かれ、陛下の前に現れますと陛下は大変驚かれ、子供のように大騒ぎされておりました」
「まぁ、突然、目の前に人が現れたら普通はそうなるよな。」
「腰を抜かしてアワアワしている陛下を見ていましたら、私はもう我慢出来なくて笑い転げてしまいました」
「よく生きて帰って来れたな。レイニー、お前には感心させられるよ」
「面白すぎて、我慢の限界突破してしまいました。『アワアワ』ってホントに言うんですね。今回の一番の笑いのツボと言いますか、とにかく動画を撮ってお見せしたかったです。動画を撮れなかったことが一生悔やまれます」
――転生者じゃないのになんで、動画とか知っているんだ……
「動画はエリス様から聞きました」
「レイニーさん! 僕の心を読むのは止めてください!」
「も~ホントにおもしろかった! 爆笑ですよ! 爆笑! ハハハハハハハハッ」
「…………」
ついに、レイニーは父上を思い出したのか笑いはじめた……
――それで、続きの話しはどうなった?
ダンベルが部屋から出て行ったあと、学院が始まるまで、あと2日間をどうするか、エリスたちと話し合った。
「明日、レイニーさんとシュウ君の手紙を持ってフロンシニアスへ行くわ。それで、レイニーさんには、お義父様に手紙をお渡しして、シュウ君に会えるように話してもらう。でいいかしら?」
「私は、エリス様の為に何でもやって見せます。相手がどんな方でも」
――レイニー、ついに恐ろしい事まで言い始めやがった!
「んー、僕としては、手紙と言っても必ず検閲が入るから下手なことが書けなくて困ってたんだ」
「それなら、大丈夫よ。レイニーさんは収納魔法が使えるからその中に手紙を入れて、誰にも見つからないようにお義父様に渡してもらうからシュウ君は、自分の伝えたい事を書いても良いわよ。その為に瞬間移動と収納魔法を最初に覚えてもらったの」
「そうなの? でも、レイニー、一人で大丈夫なのか?」
「任せておいて、隠密の魔法があるから私もレイニーさんのあとについて行くわ。もし、見つかっても私が何とかするからレイニーさんは安心して頂戴」
「エリス様。さすが私のご主人様! 凄すぎです!」
――レイニーさん。君の本当のご主人様は僕ですが……
「わかった。明日の朝までには手紙を書くよ」
こうして、父上との謁見計画が実行されようとしている……
――その晩、僕は、父上に前世、前々世の記憶があり、日本で生まれ育ったこと、魔境の森での出来事、魔女と呼ばれるハルタンの人たちの事、魔法の事、何よりエリスという素晴らしい伴侶を見つけたことを正直な書いた。もし、父上が僕の激怒し、本当に王族から離脱され、国外追放になっても僕には、エリスとハルタンのみんながいる! そう思ったら父上に対して正直に誠意のある手紙が自然にスラスラと書けた…… これもエリスをはじめ、ハルタンのみんなのおかげだと思う。
◇
朝になり、朝食を済ませエリスたちの元へ向かった。
「レイニー、この手紙を父上に渡して欲しい。これもエリスの為だ!」
「エリス様の為、陛下を亡き者にしてでもロッシュウ様との謁見を現実にして見せます!」
――亡き者にしちゃーいかんぜよ!
「フフフッ、レイニーさんは、いつも大げさね」
「エリス、コイツは本当に殺るからね」
「まさかぁー! そんなことないわよね?」
「えっ!? ま、まさかそんなことないですよ! エリス様! このレイニーを信用して下さい」
――レイニーのヤロー、誤魔化しやがって!
「じゃ、レイニーさん。お義父様に会いに行くわよ」
「ハイ! いつでもどうぞ」
僕の目の前から二人の姿が消えた…… あとは、二人が無事に帰ってくるのを待つばかりになった。
◇
夕方になり、エリスたちが無事に戻って来た。
「シュウ君! ただいまー」
「お帰り、エリス! レイニーもお疲れ様!」
「ねぇ。聞いて、シュウ君のお義父様といっぱいお話し出来たわ。 エヘへへ」
「ハァ? どういうこと? なんでエリスと父上が?」
「憎き陛下がエリス様を気に入ったからです」
「――何!? 何!? 何があったんだぁー!?」
「やさしいお義父様で良かったわぁ~ エヘへへ」
「いや、いや、だから何がどうなって、こうなった!?」
――エリスは興奮状態というよりは脳内お花畑にでも居るかのような感じなので話しにすらならなかった。こんなエリスを初めて見たわ……
しょうがないので詳しい話しはレイニーから聞いてみた……
「一体、エリスに何があったんだ?」
「王宮に着き、陛下に謁見の申請をしたところ、急遽、陛下が謁見の時間をとって頂き、自室に招かれました。このような事は、異例中の異例と伺いました。エリス様は隠密の魔法で私のそばに居りましたので、二人で陛下の自室へ行き、陛下との謁見が始まりました。はじめにロッシュウの手紙をお読みになり、大声で驚かれておられました」
「あの父上が大声を上げたって!? 大声を出したら王宮は大騒ぎになったんじゃないのか?」
「それは、大丈夫でした。エリス様がこのような事態が起こるだろうと事前に部屋に消音の魔法を使われておりましたので、陛下の声は外に漏れるような事はありませんでした」
「そうか。それなら良かった。しかし、そんな魔法まであるんだなぁ」
「陛下は、私に手紙の内容は真実であるかを問われました」
「レイニーは、どう答えたんだ?」
「事実であることをお伝えし、実際に収納魔法をお見せしました」
「――!? 父上の反応はどうだった?」
「エリス様から初めて見せて頂いた時と同じ反応でした。人は現実を受入れない時の反応は見ているだけでも面白いものですね」
「レイニー、一応、父上は国王陛下だぞ。不敬罪になるぞ」
「面白いものは面白いので…… 手品だとか言い始めたので、陛下にエリス様をご紹介いたしました」
「――!? な、なんて無謀なことを……」
「エリス様が隠密の魔法を解かれ、陛下の前に現れますと陛下は大変驚かれ、子供のように大騒ぎされておりました」
「まぁ、突然、目の前に人が現れたら普通はそうなるよな。」
「腰を抜かしてアワアワしている陛下を見ていましたら、私はもう我慢出来なくて笑い転げてしまいました」
「よく生きて帰って来れたな。レイニー、お前には感心させられるよ」
「面白すぎて、我慢の限界突破してしまいました。『アワアワ』ってホントに言うんですね。今回の一番の笑いのツボと言いますか、とにかく動画を撮ってお見せしたかったです。動画を撮れなかったことが一生悔やまれます」
――転生者じゃないのになんで、動画とか知っているんだ……
「動画はエリス様から聞きました」
「レイニーさん! 僕の心を読むのは止めてください!」
「も~ホントにおもしろかった! 爆笑ですよ! 爆笑! ハハハハハハハハッ」
「…………」
ついに、レイニーは父上を思い出したのか笑いはじめた……
――それで、続きの話しはどうなった?
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